感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2022年09月11日
読んでいる間、全身にGを感じまくりだった航空小説。
ほとんど航空機に関しての予備知識・造詣が無い私にすらもビシビシ伝わって来る程に、とにかく戦闘機周りの描写が緻密。飛行中の挙動、コックピット内の様子や敵機を追い込む際の一瞬の思考。
ロマン脳汁がダダ漏れで拭くのが大変。
「敵機が自機の後方一〇〇フィ...続きを読むート近くにまで食らいついてきた時にパイロットにできることは少ない。ハイG横転はそのうちの一つだ。(略)ぐるぐるとラセン状の飛行を続けながら、しかも上昇する。」(p140、p141)
どうです、カッコ良くないですか?
しかも何が素晴らしいって、上記抜き出し部分もそうだが、世界観を妨げない程度に適度な補足説明がまぶされているので、私みたいな飛行機素人でも何がどうなっているのか付いて行けるというのは非常に大切。
白いコートの謎の東洋人や〈商人〉スメルジャコフとの因縁、国家間の陰謀…と持ち越しの伏線多数。
巻末に収録されたときわ書房本店・宇多川氏とさわや書店フェザン店・田口氏とのスペシャル対談ももれなく熱い。確かに工藤秀三整備班長の「マニュアルはオレだ」(p107)は燃える名台詞。
また新しいジャンルへの扉を開いてしまった…。
1刷
2022.9.11
Posted by ブクログ 2019年01月10日
まず一言。めちゃくちゃ面白かった。そしてアツい。かっこいい。
帰省したときにたまたま平積みにされていたのを目にして、タイトルで購入を決めました。去年の夏のこと。
単純に「ゼロ」に惹かれて買ったので(友人知人は理由を察して半笑い)正直、内容にはさほど期待はしていませんでした。でもそれは、読み始めてす...続きを読むぐに、良い意味で裏切られました。
主人公の那須野がかっこよかった。まさにいい男だった。
空中戦の臨場感がすごい。想像も及ばない世界のことの筈なのに目の前に様子がありありと浮かんでくる。一緒になってGを体感しているようで読みながら体に力が入った。どうりでいつもより肩が凝る。
耳慣れない戦闘機の名前やら用語やらが飛び交っていて、小難しい小説か? と最初は思ったものの、どんどん物語に引き込まれていき、次々と頁をめくっていた。
続編があると知り、読み終えたその足で書店へ向かい、すぐに続きを購入してしまった。もうしばらく那須野と共に空を飛んでいたいと思う。
他の方が書いているように、「ゼロ」シリーズのエピソードゼロに当たる作品。
20年前、文庫本化された時、本屋で見つけて鳴海章にはまった作品です。
懐かしのファントムが出てきて空を舞い、ソビエト機とのせめぎ合い、アメリカの謀略が絡み合って、ドキドキしながら読み、最後のシーンを読んだ時、しばらく動けな...続きを読むかったことを思い出します。
専門用語が多いので、少しとっつきにくく感じる人も多いと思いますが、それに慣れてくると、「ちょこっとその手の話を書いてみようか」という感じの小説家の作品が薄っぺらくつまらなくなるほどの濃厚さです。
ちょっとしたロマンスも薬味でしかなく、男同士の戦いが空で繰り広げられていう様は、ここだけにしかない世界です。
できれば、4部作最後まで読んでいただきたい。
「ファイナルゼロ」の結末、エピローグの最後のシーンでも、同じ感動を味わえると思います。
那須野治朗、ジロウという響きがゼロに似ているので零戦のコードネームと同じ「ジーク」と呼ばれた男。
Posted by ブクログ 2024年01月05日
トップガンが好きな方ならハマる可能性大の作品。
もちろん戦闘機同士のバトルをリアルに描くところも面白いが、パイロット同士のライバル心剥き出しのところなんかもリアルだと思う。
主人公は結局傭兵みたいな立場だから、自分の居場所は戦場にしかない、その悲哀も痛い。
Posted by ブクログ 2017年08月30日
現代の空中戦が詳細に描かれていて空自のOBかと思った。
那須野という空自の戦闘機乗りが中東戦争で何したのか、ソ連の開発したステルス機と米国のバーンズの陰謀、ソ連と米国の戦闘機乗りとのやり合いといったところ読み応えあり。
Posted by ブクログ 2017年07月30日
デビュー作「ナイト・ダンサー」は刊行時に読んだ。ゼロシリーズは確か読んでいないはず。今回の復刊を機に手に取ってみた。
米ソ冷戦時代。航空自衛隊パイロット那須野治朗は、米軍大佐バーンズから「お前はソ連機を撃墜できるか?」と問われる。陰謀をはらんだ沖縄上空での米軍機密演習。那須野が迎え撃つ相手とは。そ...続きを読むして彼が零戦を表す「ジーク」という二つ名を得た15年前の出来事とは。四半世紀にわたり読み継がれた名作“ゼロ・シリーズ”第一巻、待望の復刊。今こそ、男を取り戻し、そのG(重力)を体感せよ。
シリーズは後三作。復刊を強く希望。