【感想・ネタバレ】狼の血のレビュー

あらすじ

入社して六年のサラリーマン、山本甲介。出世の見込みもなく、雑用を押しつけられる鬱々(うつうつ)とした日々。そんな甲介の前に突然、中学時代の同級生・保坂(ほさか)が出現する。今はヤクザとなった保坂は、拳銃と現金の入ったバッグを甲介に託し死んでいった。たまりきった憤懣(ふんまん)と怨念が拳銃を手にしたとき、運命が動く! 抑圧される人間の狂気を執拗に描写した新境地の問題作!

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Posted by ブクログ

この作家の作品を読むのは初めてかもしれない。サスペンスや警察小説の印象が強かったが、本作は人の心の闇に深く踏み込んだ一冊。

文庫で720ページ。普段から厚めの本は好きなほうだが、700ページを超えるとさすがに存在感が違う。手に持ったときの小口の厚みが心地よく、これは電子書籍では味わえない感覚だと思う。

物語は、どこにでもいる普通のサラリーマンが、ひょんなことから拳銃を手に入れ、無作為の殺人を始めていくというもの。けれど読み進めるうちに、この主人公は絶対に「普通」ではないと感じさせられる。日常生活について、多くのページを費やした冗長なまでの描写(特に天ぷらそばを食べる場面)が、彼の抱える深い闇を浮かび上がらせている。

作中に「みんなシャボン玉の中にいる」というような一節があったと思うが、まさにその閉ざされた空間の中で心の闇はどんどん膨らんでいき、たとえ拳銃を手にしなくても、いつか何らかの形で爆発していたのだろうと思わせられた。

そして読み終えて思う。この主人公に限らず、世の中で「普通」とされている人間も、みな心のどこかに闇を抱えているのかもしれない。それをうまくやり過ごせるかどうかは、本当に紙一重なのだろう。

光文社文庫 720ページ

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2026年07月12日

Posted by ブクログ

読み終わった。
持ち運びに便利なはずの文庫本も、本編712Pの厚さはまあ、嵩張ること嵩張ること。
鳴海サンは、ほとんど初。
帯の推薦文に口説かれ購入。推薦人の花村萬月氏の口説き文句に偽りはなく、強力で危険で陰鬱でヤバイ小説だった。
銃で撃ち殺す場面の描写もリアルだが、セックスの場面もリアルに描かれています。
どちらも、主人公視点で生々しく語られていて、それ故に、主人公の鬱屈した心理とか、抑え込んでいた憤怒とか、決壊寸前の不満などが際立っているように思います。
サラリーマンの人で、影響を受けやすい方は、読まない方が良いかもしれない。
いや、逆に読んだ方が良いのか……。



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2020年12月20日

Posted by ブクログ

独特な世界観。そこらの平凡なハードボイルドより
よほど面白い。けどクセあり。個人的にはこの内容
でよくこの長さまで引っ張ったなあという勇気が。

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2014年10月20日

Posted by ブクログ

元々好きな作家です。知らずに2度読んでしまった。ただ読んでいくうちに、つらくなるストーリー。読後もなんだか気が重くなる。嫌いではないんだけど・・・立ち食いそば屋でのゴキブリ、印象に残るが・・・

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2010年09月19日

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