清水真砂子のレビュー一覧

  • 帰還 ゲド戦記4

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    ネタバレ

    ゲドの帰還だと思っていたら
    ほかにもたくさんの帰還があって、とてもよかった。

    歴史の影になっていたテナーの物語。
    ゲドとテナーはきっと恋人になるだろうな、と思っていたので、長い時間がかかったけど本当に嬉しい。

    この巻はまさにテナーと女性の物語で、
    魔法を失ったゲドはふつうのおじさんになっていて寂しいけど、テナーがふつうのおばさんとして生きていた期間が知れてよかった。
    世界を救っているかもしれないけど自分に逢いに来てくれない、ゲドのことなんか、待っていられなかったよね。わかるよ。なぜか待っててもらえると思っているんだ、男って。

    女性では大賢人になれないということに憤り、
    皿を洗えない息子に

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    2020年12月22日
  • さいはての島へ ゲド戦記3

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    3作目にして、ここでこんなに盛り上がるかああ!という気分。
    後半すごかった。
    あんなに嫌な奴だったゲド、めちゃくちゃかっこよくなってます。

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    2020年12月16日
  • こわれた腕環 ゲド戦記2

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    一言でいうなら「静」。後半に入るまで、ゲドが出てこないわけで、若干退屈さを感じるが、アチュアンの墓所を巡る世界観には大いに引き込まれる。

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    2020年09月21日
  • こわれた腕環 ゲド戦記2

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    非常に面白い。
    宗教的指導者は輪廻天昇するというくだりは、ダライ・ラマを想起させるが、他の宗教でも似たようなことがあるのだろうか。

    この物語に出てくる主要な登場人物のアルハと言う少女は、αつまり物事の始まりを意味するんだろう。だから輪廻天昇をしても、常に始まりのままなのだ。

    壊れた腕環では、死の世界をメインに物語が進む。よそ者としてやってきたゲドが、氷の世界を彷徨、やがて世界を変化を与え、旅立っていく。これは千の顔を持つ英雄という本で触れられている通りだ。

    児童文学でありながら様々な示唆を与えてくれる本といえよう。

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    2020年08月15日
  • 帰還 ゲド戦記4

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    再読。3巻を読むのに辛抱すれば4巻はグッと面白い。
    そして作者の問いかけがあるばかりで、答えは読者に委ねられているので腰を据えて読まないといけない。
    しかし正直、個人的には、やはりテナーにはオジオンの弟子になり、ゲドが初めての人であって欲しかったかな。特に息子に対する失望をテナーが語る場面では、こちらまで切なくなる。「愛しているがゆえの失望」だなんて、いやいや、うまく育ってくれる方がいいに決まってるじゃない。テナーは「無駄なことなどない」と言っているけれど。

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    2020年04月19日
  • さいはての島へ ゲド戦記3

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    再読だが以前読んだ記憶がほとんどない。物語中盤まで変化がないので不安になるが、竜が出てきてからはどんなに騒音の中でものめりこめるぐらいの面白さ。4巻が出るまで長らく全3巻と見なされていたのも納得できる。

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    2020年04月15日
  • 影との戦い ゲド戦記1

    ネタバレ 購入済み

    面白かった。
    どこか懐かしい気分のする昔懐かしい牧歌的世界、魔法、夢を持った青年ゲド。ゲドは多くのものを失ったり自分から手放したりするけれど、魔法には一途だったと思います。ゲドの中で魔法の意味も変わってはいるのだろうけど、青年ゲドの変わっていないしょっぱさは最後までしっかりあったように感じました。個人的にはゲドが龍と戦うところが漫画みたいでロマンがあって良かったです。ゲド戦記は1968年の作品でルグウィン39歳の時の作品です。主な出来事はベトナム戦争、ビートルズが解散する2年前のようです。この物語には影という恐ろしい敵が出てきますが、真っ直ぐに恐ろしい味を出すやつでした。

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    2020年02月09日
  • 帰還 ゲド戦記4

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    ネタバレ

    性別、自由、力など現代社会にも通ずる様々な問題についてテナーやゲドとともに考えさせられた。
    ゲド戦記を読むと、自分の使うことばにもっと注意を払って、そして責任を持とうと思える。
    大賢人となったゲドも人間であり、弱さもあって、完璧ではない。シリーズ第2巻で自由を手に入れたテナーも、その後様々な苦しみにぶつかり、後悔がある。ゲド戦記の登場人物たちはそんな人間味に溢れている。だからこそ架空の世界の物語がこんなにも現実味を持って、私の胸を打つのだと思う。

    アレンが発することば一つ一つへの信頼感、この人なら大丈夫だという安心感がすごかった。3巻の彼を思い返してみても成長が嬉しい。
    そして何より驚いたの

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    2020年01月16日
  • アースシーの風 ゲド戦記6

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    テハヌーの独り立ち。
    いつもテナーの陰に隠れていたテハヌーが、王やロークの魔法使い、カルカドの王女と関わりを持っていく。彼女の生い立ちを思うと、彼女を育てたのが、二人の子供を育て終わった熟練のテナーとゲドで良かったと思う。また彼女自身も彼らを父母と認められて良かった。
    レバンネンは恐らく30歳前後になるのに、まだ結婚していないのには驚いた。

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    2019年10月20日
  • 大人になるっておもしろい?

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    若い人達に読んで欲しい。著者の言葉に対する鋭い感性にハッとさせられる事多数。例えば‘可愛い’という言葉は日常で良く使う便利な言葉だが、その中身について考えるなど。
    高校教諭として、また、大学で幼児教育に携わる学生達とのやりとりを例に、怒ること、議論すること、話さないこと、親に反発することなどをタブーとせず、一つ一つ丁寧に考える中で、自分らしく生きるヒントを探せそうです。

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    2019年08月25日
  • さいはての島へ ゲド戦記3

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    2019/05/21
    死を拒絶することは生を拒絶することでもあるんだよ。

    生きている者が死にたくないと思うのは当然かもしれないが、そのことと永遠の命を求めることは全く別のこと。その永遠の命を求めた者の愚かしさと、それを手にした者の寂しい末路が描かれていた。と同時に、道に迷う者の足元をそっと照らす灯火のようなゲドの言葉が、なんだか身にしみた。力を持ったとするならば、それは世界の調和や均衡を守るために使われるべきなんだろう。そして正しい判断のもと、正しい行動をとるには世界のことをもっと知らなくては。何を正しいとするかは、人によって異なるということを根底に。

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    2019年05月21日
  • こわれた腕環 ゲド戦記2

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    1巻より断然面白い。1巻よりだいぶ狭い世界の話なおかげで、世界観の描写がとても充実している。はじめの1/3くらいは神殿での生活を延々と描くだけでほとんど展開らしい展開はないが、世界観を積み上げていく感じがとてもいい。展開のある後半よりも、ひたすら描写に徹する前半の方がかえって読んでて面白かったように思う。

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    2017年06月01日
  • 大人になるっておもしろい?

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    「かわいい」を疑ってみない?/ひとりでいるっていけないこと?/ルールとモラルがぶつかったら/生意気っていけないこと?/斜に構えるってかっこいい? 
    など、さまざまな「常識」に疑いを投げかけ、自分を自由にすることが呼びかけられている。明快な語り口が気持ちよい。

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    2016年10月06日
  • さいはての島へ ゲド戦記3

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    ネタバレ

    「影との闘い」の次に好きな作品。

    生への欲望に飲み込まれた人間・魔法使いが力を失い、世界の均衡を失っていく。死を否定することは生をも否定すること。過去を否定することは未来をも否定すること…。当たり前のことだけど、納得。

    ゲドが強くてかっこいい。ゲドへの信頼と猜疑心に揺れながら成長していくアレンも素晴らしい。ゲドが力を失って、カレシンに連れられて故郷に向かうラストは悲しいなあ。

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    2013年09月14日
  • ドラゴンフライ ゲド戦記5 アースシーの五つの物語

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    当初は「ゲド戦記外伝」という題で出されたもの。アースシーの五つの物語が描かれている。「カワウソ」「ダークローズとダイヤモンド」「血の骨」「湿原で」「ドラゴンフライ」の五作品。

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    2013年08月16日
  • 帰還 ゲド戦記4

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    ゲド戦記4。ゴント島で一人暮らすテナーは、魔法の力を使い果たしたゲドと再会し、大やけどを負った少女とともに、共同生活をする。やがて、三人は、領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれる。

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    2013年07月30日
  • ドラゴンフライ ゲド戦記5 アースシーの五つの物語

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    ネタバレ

    ゲド戦記五作目(日本的には?)。

    いくつかの短編集で構成されている外伝的作品。
    個人的なオススメは地の骨とドラゴンフライ。

    オジオンの昔話はぜひ読みたかったから嬉しかった。
    そして、彼だけはオジオンの方がしっくりくる。

    ドラゴンフライについては、四作目と六作目の繋ぎの
    話でもあるから、これだけでも絶対読むべき。

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    2012年11月09日
  • 帰還 ゲド戦記4

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    ゲド戦記四作目。
    ここからは、テハヌーが主人公となる。

    この作品だけは他の作品と比べて、かなり話の内容が違う印象。
    テハヌーが主人公でそれを補佐するのがテルーなので、凄く
    女性色が出てくる。物語の舞台が男尊女卑って感じなので
    それがまた不思議な感じ。

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    2012年11月09日
  • さいはての島へ ゲド戦記3

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    ゲド戦記三作目。
    大賢人となったゲドと若き王子レバンネンが、
    世界の均衡を保つために旅に出る。

    ゲドから言わせると、レバンネンとゲドの旅。
    大賢人としてのゲドもしっかり活躍してくれる
    ので読む側としても嬉しい限り。

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    2012年11月09日
  • 帰還 ゲド戦記4

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    ゲド戦記の第四作。

    回を重ねるごとに、どんどん暗くなっていくゲド戦記だが、この作品はマジに暗い。
    親から虐待により、身も心もボロボロになった少女テルー(顔や身体の半分は醜い火傷)。虐待のおぞましい体験で心を閉ざしてしまった彼女を引き取る、魔法使いであった過去を持つテナー。
    物語は、ふたりの女性を軸に、邪悪が支配しつつあるゴント島の人々を描く。
    ゲドはどうしたか?
    もはや力をなくし、世捨て人のような存在で登場する。

    暗い。。。暗すぎる。。。

    この物語、宮崎二世監督が映画化したらしいが、エンターテイメント要素は0なのに、子供達を喜ばせる事ができたのか不思議。
    観てないのでなんとも言えないが、

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    2012年01月18日