中谷友紀子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『幼い頃何者かに家族を惨殺されたリビー。24年後、自堕落に生きる彼女のもとにある推理クラブが事件の再捜査を依頼する。彼女は謝礼金目当てに、真相の究明に乗り出すが……』
『ゴーン・ガール』が最高に面白かったので、作者つながりで読み始めました。
『ゴーン〜』でも魅力だった、あのドンヨリとしたイヤな雰囲気はこちらも負けず劣らず。どのページを読んでも、イヤなやつや汚れた場所、みじめなストーリーが詳細に描かれておりますが、なぜかクセになるんですよね、この雰囲気が。きっと文体が客観的で淡々としていて、ブラック・コメディっぽく感じるからだと思います。
過去の真実と現在の捜査が交互に綴られたストーリーで、事件発生に近づくにつれ緊張感が高まります。衝撃的な悲しき真実を、ぜひお楽しみいただきたいと思います。
スリリングな謎解きを求める方、そして砂糖菓子のような甘ったるいメロドラマにウンザリの方にオススメです。 -
Posted by ブクログ
以前に働いていた会社を夫の転勤で去ることになった時に、同じチームの方々が送別会を開いてくれて、その時に「見るべきおもしろい海外ドラマ」として話題に上がったのが、この本を元にして制作されたネットフリックスのドラマ『アンオーソドックス』。
海外を飛び回っている方々だけに、海外ドラマに関する視点が私とはちょっと違っていておもしろく、みんなそんなに海外ドラマ好きだったなんてその日まで私は全然知らなかったので、その発見が私の送別会の席であることが本当に残念で悲しかった。
その後、引っ越しやら仕事探しやらで私もかなり忙しくなり、1年以上たってやっとドラマ『アンオーソドックス』を見た。
おそらく元同僚に勧められていなかったら見てなかったと思う。ネットフリックスは次々と新しいシリーズが出てくるので、時間がたつと埋もれてしまって検索しないとすぐに出てこないタイトルになる。
でも、見て良かった。
ウルトラオーソドックス(超正統派)と呼ばれる信仰に身をささげるユダヤ教の人々のことはそれまでまったく、名前すら知らなかったので、そこで語られるコミュニティの描写には本当に驚いた。
いや、驚いた、とかいう言葉は生ぬるい気がする。驚愕、が正しい。衝撃。そして、恐怖。
どんな宗教も、極端に原理主義的になると狂気じみてくるんだなと思った。論拠が昔の経典の「解釈」なだけに、化学や数学のような「誰が見ても同じ正解」がなくて、誰かエライ人の解釈が正解とされると、反論しようがない。
たとえば、「既婚女性は髪を夫以外に見られてはいけない」という戒律。
女性は結婚後は坊主頭にして生涯かつらをかぶらないといけないらしいが、そんなことを決めた人物は(一番偉いラビだったらしいけど)逆に性的欲求が普通じゃないくらい強いからそんなことを考えつくんでは?などと本人が聞いたら卒倒しそうなことを私などは思ってしまうわ・・・
そもそも、ホロコースト前の欧州のコミュニティではそんな戒律はなかったらしいというのもすごくモヤモヤする。
ドラマを見るまで、そんな文化が存在するということをまったく知らなかったので、ドラマで主人公がかつらを脱ぎ捨てるシーンで、目が飛び出るほど驚いたのを覚えている。
ちなみに、ドラマはこの本を原作とするとされているけど、まったく別物です。
正直、ドラマを見て興味を持ってこの本を手にとったので、本には多少がっかりさせられた。というのも、ドラマはフィクションと分かっていたので、主人公がコミュニティを抜ける方法や、その後外国で生活を立て直していく様子はやっぱりリアルではないように私には感じられた。
なので、実際にはコミュニティをどうやって抜け出したのか、その後、実際にはどうやって生活を始めていったのか、という部分を知りたいと思ってこの本を読むことにしたのだが、そういう欠落した部分はやはり詳細には記載されていなかった。
そして、何が詳細に描かれていたかというと、本人のぐるぐる回る思考が幼少期から妙にまどろっこしく描写されている。その一方で実際に起った出来事についてはやや言葉足らずで、ドラマの方がはるかに多くの情報を伝えていた。最初から最後までなんだか消化不良のまま終わった感じ。
コミュニティを出ると決意したところから準備までもっと詳細に書いてほしかったなぁ。
でも、辛いことが多すぎて、振り返るにはまだ時間が必要なのかもしれないなぁ、とも思う。
印象的だったのは以下の部分。
——エリ(=主人公の夫です)が言うには、イェシバの男子学生たちはお互いを対象にして性的に興奮するのだそうだ。周囲に女の子がいないのでそうなったのだという。そういう環境で何年も過ごしたあと、急に女性を相手に興奮しろと言われても違和感があるらしい。エリはため息をついて打ち明けた。「正直、きみに魅力を感じているかどうかもわからない。きみに会うまでは、女の子のことをまともに見たこともなかったんだ」
急に自信がなくなった。わたしをひと目見ただけでエリのスイッチが入るものと思いこんでいたけれど、彼の眼に映るわたしは、不可解でなじみのない、遠い存在なのだ。
戒律がまったく逆効果で、むしろその宗教的には悪い方向に作用しているのには、申し訳ないけど笑ってしまった。
本人たちには全く笑いごとではない重大な問題なんですが。
エピローグで、作者はこう書いている。
——もしも誰かに偽りの自分でいることを強いられているなら、あなたも勇気を出して抗議の声をあげてほしい。
偽りの自分でいることを強いられている、というのは、意味不明の宗教的戒律だけじゃなく、世の中のルール、社会的圧力、「普通であること」の押しつけなど様々あって、きっと私の想像を絶するくらい多くの人たちが孤立無援でもがき苦しんでいるに違いない。
でも、そうしたことに抵抗していくには、ものすごい力が必要とされる。たった一人で戦うものすごい力。投げつけられる無責任な言葉に負けない力。
みんなどうか負けないで、と世界中で戦っている人たちに思う。 -
Posted by ブクログ
警部ヴィスティング、3冊目。
今回は極秘捜査の命を受け、
大物政治家の別荘で見つかった大金の出所を調べることに。
チーム編成は彼の思うまま。
で、性懲りも無くまた元記者の娘を巻き込むヴィスティング。
刑事ヴァランダーでも似たような展開になってたような。
ノルウェーミステリー、家族を巻き込みがち。
誰かが家に侵入したような形跡があっても
そこまで深刻にならずスルーするなんて。。
幼い娘もいるっていうのに、
ありえへん!
賞味期限切れの食品を使っちゃうのはまだ理解できるとしても(カタリーナ・コード参照)
危機管理はちゃんとしようよ!
とプンプンしながらも、まんまとドキドキさせられてるわたし。
2つの事件がどうつながるか、
終盤次々と事実が明らかになる場面が良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻に入り、エミリーの素顔が自身の語りでも夫語り側に出てくるエミリーによる過去の被害者証言からも明らかになってくる。
これは、、、
自己愛が強い境界性パーソナリティ障害なのではないか。夫の気質もだいぶやばいと思っていたが、進んでみるとエミリーの思考や怨念のこわさったらない。
ところが、最終的におもしろいのは、
ハッピーエンドともいえずバッドエンドともいえないようなぶっ飛んだ2人の夫婦喧嘩みたいに仕舞われてしまった!?ような驚き。
愛があるかは全く違うけど、Mr.&Mrs.スミスという映画を思い出した。
学びや新しい気づきがある書ではないもののエンターテイメント的な驚きのちょいドロっと小説。
夫ニックについた弁護士の言葉で印象に残った部分を覚書。
「いまメディアは、法的環境の隅々にまで浸透している。インターネットやら、フェイスブックやら、ユーチューブのせいで、先入観のない陪審員などのぞむべかもない。白紙の状態など存在しない。法廷に入るまでに、裁判の行方は八、九割方決まってしまっている。」選挙同様、裁判も当然、数年前より世論操作の影響を受けやすく、陪審員や裁判官には一層の自立した思考が求められる。