富樫倫太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
富樫さんの土方シリーズ3作目。
正直な話ちょっととまどいが多い作品だったかなー。
もちろん面白かったですよ。
前の2作もそうですが、想像のつかない話だったのでぐいぐい引っ張られます。
ただ今作が違うのは「SF」であるということ。SFの定義はいろいろでしょうが、まあ、この作品は幕末が舞台のSFでいいかと。
簡単にあらすじをいうと、国家転覆そして理想郷の建国をするために不老不死の男たちが幕末の日本にやってくる。人間をゾンビにし、手駒を増やしていく。一方アイヌの人々は奴隷のようにこき使われていた。そのアイヌのある家族、父親が亡くなろうとしていた。彼の二人の娘は和人に連れて行かれ妾にされて -
Posted by ブクログ
まぁ「ガルトネル事件」と言う事実は事実として、ここまで話を膨らませていく手腕がスゴイ。解説でも書かれているように、あまり有名(?)ではない事件(というほどのものかはともかく、歴史的にはそう呼ばれたりしている)ものを、エンターテインメントとして昇華させ、読みごたえのあるものになっている。史実を知っている人から見れば、ちょっと強引な背後関係や戦闘シーンもあるものの、小説として考えればとても楽しめる。
土方をクローズアップするあまり、少々周囲の人物の扱いがひどい感じもあるので、そこは好みが分かれるかも。まぁ、本書を読んでこれが事実だと思うような人は少ないか(^^;