【感想・ネタバレ】神威の矢(下) - 土方歳三 蝦夷討伐奇譚のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

不老不死の怪人が蠢く“ファンタジー”に戊辰戦争の情勢が絡まるという物語なのだが…何か「歴史の“闇”と“光”」を見詰めてみようとするような内容と、時代を超えても尊さが全く損なわれないモノが描かれているように思う。虐げられ、惨めな境涯になっても矜持を維持し、命を賭して護るべく者を護ろうとする勇士タリコナ…雄吉と善治の友情…無法には刃を向け、己を強く律し、困っている者を必死に助ける土方歳三…数多くの劇中人物達に心動かされる…

0
2013年10月22日

Posted by ブクログ

“箱館三部作”の三作目・下巻。
ドラゴンを復活させ、蝦夷地に「神の王国」を作ろうとするサン・ジェルマン達。その野望を阻止すべく、土方さん達の蝦夷政府軍に、アイヌの若者タリコナ・陰陽師の安倍泰成が加わり、もう物語の後半部分はまさに妖怪大戦争のようです。ゾンビ軍団と戦う土方さんの姿なんて、他ではなかなか読めません(笑)。
まさにエンタメですが、一点、富樫さんもあとがきに書いていらっしゃったように、アイヌの方々の過酷な状況の場面は読んでて辛くなりました。
それだけに、エピローグのタリコナ達の姿には心が温まって、良かったです。

0
2015年02月26日

Posted by ブクログ

いや〜上巻に続けて旅行先で面白く一気読みした。幕末の蝦夷での新天地を夢見た旧幕府軍での土方歳三と虐待を虐げられていたアイヌの勇者タリコナが陰陽師阿部泰成と手を組み、別の王国を蝦夷に作ろうとする妖怪の首領サン•ジェルマン率いるゾンビ軍団との戦いが面白い。殺傷石に封印された金色九尾の狐をサン•ジャルマンが呼び起こして蝦夷を舞台に死闘する。幕末時代の背景にオカルト、SF、ファンタジー要素満点の物語でその中にアイヌの迫害された生活が語られる。色々な要素が一つのストーリーとして結び付き楽しめた

0
2014年02月10日

Posted by ブクログ

函館戦争の裏でまさかの西洋妖怪相手の戦いが行われていた、という伝奇モノ。上下巻。

お馴染みの土方歳三が主人公と銘打ってはいるものの、実際の主人公はアイヌ民族のタリコナに違いない。狼男にゾンビ、日本古来の妖怪・金毛九尾の狐など妖しげな妖怪たちがわんさか出てきて大暴れしているが、話の根幹はそれらの妖怪退治ではなく、アイヌ民族が和人によってどれだけ虐げられていたかということではなかろうか。ストーリーとして意外な組み合わせで、最後まで飽きずに読めたのではあるが、正直なところ、アイヌ民族に対する迫害の歴史は変に伝奇と絡めずにちゃんと読みたいと思ってしまった。伝奇部分もそれなりに面白く読めたのだけれど、この手の話なら高橋克彦センセーの方が断然上手だし、、、。函館戦争時の土方や西洋各国とアイヌ民族を繋げたかったのは分かるけど、そこに妖怪モノをくっつけるのはちょっと無理があったのでは、、、と思った。

0
2015年12月18日

Posted by ブクログ

201402/サブタイトル通りの奇譚モノ。前2作から通しで読んでると、同じ時系列での展開に違和感を覚えるけど、あっという間に物語に引き込まれた。土方の存在感は健在で、凌雲やタリコナ達の活躍も堪能。自分も北海道出身なのでアイヌの歴史は知ってるけど、この作者だからこそSF奇譚ではない歴史モノでも読んでみたいなあ。

0
2014年02月23日

「歴史・時代」ランキング