あらすじ
土方歳三らの旧幕府軍は、新政府軍から箱館を奪還した。その混乱に乗じて、広大な土地を手に入れようと目論むプロシア人兄弟は、蝦夷政府の幹部たちに近づく。財政難にあえぐ旧幕府軍は、租借料を目当てに契約の締結を進めるのだが、プロシア人兄弟の背後には、領土を広げようと企むロシアの策謀が見え隠れしていた――。
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Posted by ブクログ
土方歳三 蝦夷血風録と銘打ったシリーズだけあって、やはり土方歳三がかっこいいです。
いや、もっと言うと土方歳三のみがかっこいいですね。
この小説では、彼の前では、榎本武揚はじめ、他の蝦夷政府の要人もバカにしか見えないです。
陸軍奉行の大鳥圭介など最たるものです。
そこが☆一つ減じた理由ですかね。
下巻で土方歳三にスッキリさせてほしいです。
Posted by ブクログ
主人公は函館新撰組でも蝦夷政府のだれかでもない。
ユーリィというロシア人と平山金十郎という人物だ。
土方歳三は!?と思うより早く、この話に集中してしまう。
富樫さんの筆致のせいかも?
さらっとしてるのに親近感のある書き方。
そんなに字も詰まってないのでするする読めて楽しい。
ガルトネル事件、というらしい。
金に困った蝦夷政府に、土地を借りる。そして借地代として蝦夷にロシアの飛び地ができる。実効支配とでもいうのか。幕末の混乱期、いろんな外国人が日本を狙っていたのだろうな。それを画策したのがユーリィ。ユーリィという人物は創作だろうけど、でもこんな事件があったとは知らなかった。
純粋に、どうなるんだろう?とわくわくして読み進めた。
新撰組…というか土方歳三が好きになって、久しぶりだ。
先が読めない、というのは!
歴史は変えられないから、どの新撰組小説も同じ道筋をたどるんだけど、この小説はあまり知られていない事件を扱ってるだけに先が読めなくて新しかったなー。
ユーリィはやっぱ悪なんだけど、自らもこの日本での作戦に失敗すればロシアで待っているのはシベリア送り。ぎりぎりの命をつなぐ戦いだった。ユーリィの…味方になれないのは残念。でもやっぱ土方さんだよねー。かっこいい!ほんとかっこいい。3部作とのことなので楽しみ。函館新撰組は面白い。京都も楽しいし、敗走しつつ戦うところもいい。新撰組はどの時代を切り取ってもドラマになる。うむ。
新しくて王道にかっこいい土方さん。ご馳走様です!
富樫さんの書く京都の土方さんも読みたいっす!
Posted by ブクログ
他の本では北海道入ってからの土方歳三はあっけないので、フィクションでも楽しめた。土方が榎本武揚や大鳥圭介といったエリートと一緒に動いているのが新鮮。
Posted by ブクログ
明治維新時に榎本武揚率いる旧幕府軍が函館を統治したときの物語。どこまで史実かを知らないが、ロシアが北海道の植民地化しようと画策している。しかし、蝦夷共和国はその企みをまだ知らず、土地300万坪を99年間貸す契約を結ぼうとしている。下巻でその契約を潰せるか、どんな手を使っていくのか楽しみである。
Posted by ブクログ
旧幕府軍と新政府軍の戦が間近に迫りつつある函館。
その混乱に乗じて蝦夷の広大な土地を手に入れようとするプロシア人兄弟と背後にいるロシア・・・
北の大地を舞台に様々な思惑が交差する。
土方の出番は少なめ。
Posted by ブクログ
「土方歳三 蝦夷血風録」というシリーズ(?)の割には、土方の出番は少ないが、多分後半になってドンドン盛り上がっていくのだろう。著者の本は特に前半がじれったい感じが多いので、下巻に期待。
時代考証とか歴史的事実から見ると、「あれっ?」と思う部分もないわけではないが、あくまでもエンターテインメントとして純粋に楽しむ気持ちになって読めば、充分に楽しめる。
伏線とかがいっぱい張りっぱなしなので、それらをどのようにしてまとめていくのか、定評のある著者だけに、大いに楽しみ。
Posted by ブクログ
土方歳三が主人公であるのかもしれないが、物語ににおける、その位置づけが定まっておらず、副題に据えたものの、主題である函館を売る売らないということで上巻は終始している。軍配者シリーズが良かったので、期待していただ、今のところは肩すかし。唯一、面白かったのが、山にこもった行動の人が山を下るあたりまで。本来、こちらを主人公に据えた方が面白かったのかもしれない。ただし、脱走さんの走狗になってしまってからは魅力が半減、上巻の最後で、脱走さんの支配に疑問を抱くことになるので、後編で山籠り以上の活躍を描かれることを望む。