田辺千幸のレビュー一覧

  • 誠実な嘘
    京極夏彦も顔負けの750頁余、ぴったりのブックカバーは無いし、頁を開いて持っている手も辛い厚さ。いや、京極さんはもっと分厚いか。

    序盤はアガサの目的がわからず、単にメグに憧れているのかと思う。そのうち少し印象が変わり、今村夏子の『むらさきのスカートの女』に登場する黄色いカーディガンの女のような存在...続きを読む
  • 忘れられた少女 下
    38年前に殺害された少女の事件を連邦保安局の新人保安官補のアンドレアが捜査をする。この事件を捜査することの裏にある目的と、女性が被害に遭う事件の理不尽さが描かれている。事件の奥深くにある人間の欲や裏切り、憎しみが後半にいくほどに増していく。『彼女のかけら』の続編にあたるけれど今作から読んでも大丈夫な...続きを読む
  • 歴史は不運の繰り返し セント・メアリー歴史学研究所報告
     タイムマシンに乗って、と聞いただけでワクワクした。SFな展開ばかりじゃなく、現実リアルなドラマ展開に人間模様もきっちり書き込まれている。結局背景は様々でも人間が描けてなくちゃ、ハラハラもドキドキもない。シリーズ一作目とのことながら、次作も3作4作も翻訳されてない。早川さん、なんとかして!
  • ざわめく傷痕
    シリーズ2作目だけあって、だいぶ個々の人物に深みが増してきた感じがして、その点は良かったです。一方で、ストーリー的には、悪人どものいやらしさにけっこうムカつく展開。そして最後までその心理は理解不能ですし、イヤになります。そして最後まで読んでも決してスッキリしない作品でした。もう少し救いのある終わり方...続きを読む
  • サイレント 下
    The「警察小説」って感じかな。

    『サイレント』は、ハーバーBOOKS文庫(ミステリー)ではコンスタントにヒット作を生み出している、カリン・スローターのウィル・トレント特別捜査官シリーズの一つ。

    このシリーズは「過激な描写が特徴」と言われているので、少し躊躇していた。
    「サイレント」はシリーズの...続きを読む
  • 凍てついた痣
    カリン・スローターの初期作品、グラント郡シリーズ。
    「開かれた瞳孔」「ざわめく傷痕」に続く3作目。

    サラ・リントンは故郷で小児科医となっていて、検死官も兼ねています。
    元夫のジェフリー・トリヴァーは、警察署長。
    ある日、妊娠中の妹テッサと一緒にいたサラは事件の報を受けて、現場へ向かった。
    グラント...続きを読む
  • 凍てついた痣
    読み終わったけど・・・
    続くでしょ、コレって
    みんなしんどいよねえ
    読んでてもしんどい
    どこに救いを・・・
  • ざわめく傷痕
    猟奇的な残忍さ、子どもがからむ犯罪の凄惨さ、恐ろしさ、気味悪さはシリーズ最悪かもって気もして、読んでいて具合悪くなりそうなくらいだった。しかもすっきりした解決にもならずに後味も悪かったんだけど、読み終わったとたん次の巻を読みたいと思うのは、海外のシリーズドラマを見るような感じだからかも。ひとつの事件...続きを読む
  • サイレント 上
    ウィル・トレントのシリーズ4作目。
    「ハンティング」に続く作品。

    田舎町で女子大生の殺人事件が起こる。
    ジョージア州捜査局(GBI)特別捜査官のウィル・トレントが派遣されました。
    そこは、サラ・リントンの故郷、殉職した夫のジェフリーが警察署長を勤めていた地区でもあった。
    小児科医で検視官も兼ねてい...続きを読む
  • サイレント 下
    ウィル・トレント・シリーズ4作目、後半。

    サラの地元で殺人事件が起こり、ジョージア州捜査局の特別捜査官ウィルが呼ばれてくる。
    休暇で帰省中だったサラは、捜査に協力することに。
    検死官の経験もあり、地元の知識もあるサラはチーム同然、ほぼ片腕ですね。
    逮捕された犯人は自白を強要されたのか?
    第二の事件...続きを読む
  • 罪人のカルマ
    ミステリともサスペンスとも言えない構成のように感じて(途中で中断して猿の罰の方を読んでしまった)読み終えるのが遅くなったけれど、結末の展開は好きだったかな。アマンダとイヴリンの若い頃が描かれてて、いままで好きになれなかった2人にもこんな時代があったんだと思うと好感度上がる。とくにアマンダ。それならな...続きを読む
  • ざわめく傷痕
    グラント郡シリーズ第二作。一作目に劣らず衝撃的な事件で幕が開かれ、サラ、ジェフリー、レナ3人の主役の精神が傷んでいくのも無理からぬ展開の中さらなる凄惨な真相が次第に明らかになってくる。
  • サイレント 下
    ジェフリーを失ってもがいているサラと、サラにひかれてしまうウィルどちらも不器用なのが見てて唯一の救い。
    トミーって他の作品で出てきたのかな。生きてる描写を見たかった気もする。
    開かれた瞳孔のときはまあまあ良い人間に思えたレナにモヤモヤくる。監禁されすぎてかわいそうw
    展開がやや強引だけどウィルやサラ...続きを読む
  • 凍てついた痣
    大学の敷地内で学生の自殺か?殺人の可能性も捨てきれない。すると遺体の目撃者が自殺に見せかけて殺された。何の関係があるのか。検視官サラ・ リントンと元夫で署長のジェフリーは事件を追う。すると、元警官で問題の多かったレナ・アダムスが浮かび上がってきた。

    大学内の問題がこれでもかと湧き上がって来るのと、...続きを読む
  • 凍てついた痣
     カリン・スローター作品群は、第一期のグラント郡、第二期の捜査官ウィル・トレントの二本のシリーズとそれ以外の独立作品に分類される。本書は第一期の過去シリーズのグラント郡第三作の本邦初翻訳作品である。

     昨年一二期を合体させたミステリー大作『スクリーム』によって、現在のウィルシリーズと過去のグラント...続きを読む
  • 貧乏お嬢さま、追憶の館へ
    既に貧乏でもお嬢様でもないジョージ―。折角結婚したのにダーシーは秘密の任務で不在、まだ馴染んでいないお屋敷の女主人の型に納まる気分にもなれず、今回はベリンダの祖母が暮らした思い出深い土地を共に訪れ、ハラハラの一週間を過ごします。

    いつも一人でバリバリに余裕かましているイメージのベリンダはここ最近悪...続きを読む
  • 巡査さんと超能力者の謎
    超能力??ケルト人に??
    信じてしまう人、信じない人がいる。そんな中で起こる殺人事件。キャーッといってる間に少しずつわかってくるものがある。ちょっと頼りないかなと思うエヴァン巡査だけれど、今回は活躍する場面もあってワクワクした
  • 凍てついた痣
    いつものような残虐なシーンはなかった。
    描写はなくても想像すると寒い怖さがあった。
    先にウィル・トレントシリーズを読んでいるので、一部は過去の振り返りになるが面白い。
    でもウィルシリーズでどう書かれていたかぼんやりとしか思い出せない。
    今までのを読み返したくなる。
    次も楽しみ。
  • 凍てついた痣
    「グラント郡」シリーズ第三弾。事件の被害者の描写、その周りの人たちの受ける影響をとても過酷に残酷に描いていて読んでいて苦しくなるほどだけれどだからそこにリアリティがあって怒りや憎しみを感じることができる。検死官のサラと警官のジェフリーの捜査、容疑者とのやりとりと犯罪小説としての面白さはもちろん、人の...続きを読む
  • 貧乏お嬢さまの危ない新婚旅行
    英国貴族のお嬢様が探偵役のシリーズ、13作目。
    1930年代の様子も描かれます。

    ジョージーは王家の血を引く公爵令嬢だが、実家は貧乏で、当時は身分ある女性が仕事を見つけるのも難しい時代。
    気さくで親切で果敢なジョージーは、いくつもの危機や冒険を潜り抜けてきました。
    中には、当時の王妃の依頼による極...続きを読む