田辺千幸のレビュー一覧
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時代はヴィクトリア朝時代で、場所はロンドン、人は良いが能力はお世辞にもあるとはいえない警部補に、裏で色々と手を貸している彼の使用人たち……という、なかなか面白そうな設定で、実際面白い。
主人公は警部補を敬愛してやまない家政婦のジェフリーズ夫人、御年57歳という熟女である。シャーロック・ホームズもかくやという頭脳の持ち主である。しかし、彼女は表に出ることを好まない。それは彼女と同じ使用人であるメイドたちも一緒だ。あくまで表に出ているのは警部補である。
謎自体はそこまで複雑ではないし、おそらくそれを重きにおいてはいない。主人公を含む使用人探偵団が、自分の特技を活かして情報を集めて、解決してい -
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■初のコージー・ミステリ
コージー・ミステリというジャンルを読んだのは本作が初めてだが、なるほどコージー。
「優しいミステリ」という感じで、その意味は、「謎解きが簡単」とかそういうことではなく、作中の雰囲気が常に温かく、残酷な描写や性的な描写といった尖った描写がなく、本作で言えばまさに自分もクルーズ船の中にいるような感覚を味わえる、という意味での優しさ。
コージー・ミステリとはハードボイルドの対義語として生まれた概念とのことだが、なるほどその説明がわかりやすい。
確かにハードボイルドの真逆であり、「(世界観も人物も謎も全てが)優しいミステリ」という印象を受けた。
現代の疲れた人々にはこういっ -
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ネタバレ上巻よりは面白かった。
これみよがしに物質があるので、それで錬成するのかと考えさせておいて、セリアスが命じれば護符になるっていう。
そりゃそうだ。
カリオンがなんでイヴェリアへ?と思ってたけど、なるほどね。
へらず口を叩くキャラなので、硬直になりやすい場面で自然に会話が繋いでて読みやすかった。
フィッシャーなんかずっと頑張ってるな。クイックシルバーの影響も受けて、迷宮もさまよって。
その時、タラデイアスと仲良くなったのか?
マドラは人間って言うから人間だけど不死かなっと思ったらフェイだった。
マルコムとベレコンとマドラは実の兄妹なのか、ヴァンパイア関係で兄妹なのか。
ベレコンとマドラはク -
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ネタバレ面白さは3.5。
期待してたいたよりは主人公を好きになれない。いつも怒ってばかりで、周囲の人間の機微を読み取れていないから。
それだけ荒んだ環境で余裕が無かったからだとは思うが。
イヴェリアでの生活は貧困層が富裕層への暮らしに紛れ込むようなギャップがあって面白かった。
フェイから見たら短命な人間はみな子供のようだろうで、ナチュラルに蔑ろにするだろうなと思う。そう考えるとフィッシャーがセアリスに夢中になるのは気持ち悪いな……。ダンジョン飯でもこんな話あったけど。
カリオンはセアリスのこと好きだろうし、フィッシャーもセアリスが好き。セアリスは2人の気持ちに気付かない。うーん、あんま好きじゃないなこ -
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隔絶された山奥の高級ロッジを妻サラと旅行で訪れた捜査官ウィル。インターネットも携帯電話もつながらないその場所で、ウィルはめった刺しにされた血塗れの女性を発見する。被害者は代々ロッジを経営する一族の娘マーシー。犯人はここに暮らす彼女の家族と4組の宿泊客の中にいるに違いない。だが、マーシーは家族各々と揉めていたうえ、宿泊客の素性も怪しい。誰もが嘘をつくなか、ウィルは真相を追う。
瀕死の状態のマーシーを、ウィルが発見する所から始まる。そこから時間は遡り、マーシーが家族からどんな目で見られているかが明かされていく。要するに、誰が容疑者でもおかしくないという状況が示される。かてて加えてマーシーのパー -
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豪華客船を舞台に展開されるミステリー。
レイチェルやサラと一緒に、豪華クルーズに参加している気分になれました。ミステリーなので不穏なことも起こるのだけれど、にも増して船上のアクティビティとか寄港先の観光などの非日常感とで、メリハリが効いた素敵な小説でした。
レイチェルの乗客目線と、サラの乗組員の立場から客船の裏舞台まで、豪華客船についても垣間見ることができおもしろかったです。
“コージーミステリー“というジャンルも初めて知りました。(調べてみたら、『居心地がいい』『親しみやすい』と、読者にリラックスした読書体験を提供するミステリーなんだそう)続編が来年に出るようなので、ぜひ読みたいです。 -
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大学生のニーナは交際しているサイモンと別荘で過ごしていたけれど、帰宅したのはサイモンだけだった。喧嘩をし別れ話をしたと言い、それきりニーナを見た人はいなかった。ニーナの捜索が始まり、SNSはニーナやその家族への誹謗中傷や噂話で溢れていく。その渦中にあるニーナの家族の心情と、疑われていくサイモンと家族の心情と、子供を家族を守るためにどこまでできるのか。なにができるのかということがそれぞれの痛みとともに描かれていく。SNSで広まっていく声とそれを面白がる人間の愚かさ、巻き込まれていく事件の当事者たちの絶望感が決して他人事とは思えない怖さがある。
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貧乏お嬢さまシリーズ、快調です。17作目。
公爵令嬢だが財産はないジョージー。
愛するダーシーと結婚し、さらにおめでた。
母の再婚相手の一人(既に離婚済み)の冒険家サー・ヒューバートの好意で、留守が多いお屋敷に住んでいます。
スコットランドのお城育ちのジョージーには、合う暮らしでした。
悩みの種は、料理人ぐらい。
パリで知り合ったシェフのピエールをスカウトしたはいいけれど、腕は確かめてないし、料理を担当していたクイーニーはへそを曲げる(笑)
そこへ、サー・ヒューバートが帰国。
近くに住む怪しげな小説家モーティマーの招待を受けて、皆で館での催しに参加することに。
毒草園があるという曰くありげ -
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ネタバレアメリカの雄大な自然の描写がとても美しかった。特にティートン山脈の描写は、読んでいる最中に深呼吸すれば冷たく澄んだ朝の空気が肺いっぱいに広がるようだった。
そんな美しい景色から生まれ落ちる季節ごとの怪異の中でも、特に衝撃を受けたのは夏のルール。遠雷のような悲鳴が聞こえ、やがて青々とした林の影から裸の男が立ち現われる。背後には黒い熊。男の背後を追っているもののなかなか距離が縮まらない。この時点で既に異様だ。必死に主人公たちに助けを求めるが、名前を聞いても一切返事をせず、ただ必死に助けを求めて徐々に近づいてくる様は本当に怖くて、悪夢としていつか夢に出てきそうだった。