田辺千幸のレビュー一覧
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大学生のニーナは交際しているサイモンと別荘で過ごしていたけれど、帰宅したのはサイモンだけだった。喧嘩をし別れ話をしたと言い、それきりニーナを見た人はいなかった。ニーナの捜索が始まり、SNSはニーナやその家族への誹謗中傷や噂話で溢れていく。その渦中にあるニーナの家族の心情と、疑われていくサイモンと家族の心情と、子供を家族を守るためにどこまでできるのか。なにができるのかということがそれぞれの痛みとともに描かれていく。SNSで広まっていく声とそれを面白がる人間の愚かさ、巻き込まれていく事件の当事者たちの絶望感が決して他人事とは思えない怖さがある。
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貧乏お嬢さまシリーズ、快調です。17作目。
公爵令嬢だが財産はないジョージー。
愛するダーシーと結婚し、さらにおめでた。
母の再婚相手の一人(既に離婚済み)の冒険家サー・ヒューバートの好意で、留守が多いお屋敷に住んでいます。
スコットランドのお城育ちのジョージーには、合う暮らしでした。
悩みの種は、料理人ぐらい。
パリで知り合ったシェフのピエールをスカウトしたはいいけれど、腕は確かめてないし、料理を担当していたクイーニーはへそを曲げる(笑)
そこへ、サー・ヒューバートが帰国。
近くに住む怪しげな小説家モーティマーの招待を受けて、皆で館での催しに参加することに。
毒草園があるという曰くありげ -
Posted by ブクログ
貧乏お嬢様シリーズ、16作目。
楽しく読めるコージーミステリです。
ジョージーは公爵令嬢で身分は高く実家はお城だけど、家には財産がない。
今は新婚の夫ダーシーと、母の再婚相手の一人だったサー・ヒューバートの留守宅(といっても大邸宅)に住んでいます。
悪阻がおさまり、親友のベリンダのいるパリへ、ダーシーと共に出かけることに。
久しぶりのパリは楽しみでしたが。
ダーシーは何やら秘密を要する仕事でなかなか会えず、ベリンダもココ・シャネルのショーに助手として参加していて大忙し。
例によって、社交の場で着るものには不足しているジョージー。
ココ・シャネルが妊婦向きのデザインのドレスを作るからモデルに -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカの雄大な自然の描写がとても美しかった。特にティートン山脈の描写は、読んでいる最中に深呼吸すれば冷たく澄んだ朝の空気が肺いっぱいに広がるようだった。
そんな美しい景色から生まれ落ちる季節ごとの怪異の中でも、特に衝撃を受けたのは夏のルール。遠雷のような悲鳴が聞こえ、やがて青々とした林の影から裸の男が立ち現われる。背後には黒い熊。男の背後を追っているもののなかなか距離が縮まらない。この時点で既に異様だ。必死に主人公たちに助けを求めるが、名前を聞いても一切返事をせず、ただ必死に助けを求めて徐々に近づいてくる様は本当に怖くて、悪夢としていつか夢に出てきそうだった。 -
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カリン・スローター『報いのウィル』ハーパーBOOKS。
『ウィル・トレント&サラ・リントン』シリーズ。読み応えのある742ページの大長編。
まるで横溝正史の『金田一耕助』シリーズのような血塗られた一族が描かれる。
ジョージア州捜査局特別捜査官のウィル・トレントは妻となった検死官のサラ・リントンとハネムーンのため、インターネットも携帯電話もつながらない隔絶された山奥にある高級ロッジを目指していた。
その場所でウィルはめった刺しにされた血塗れの女性を発見する。その女性は代々高級ロッジを経営する一族の娘のマーシー・マッカルバインだった。
マーシーをめった刺しにした犯人は、高級ロッジの運営 -
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ネタバレいやー!
ウィル・トレントシリーズの方が有名なようで、このグラント郡シリーズは6冊で完結しているそうなんだけど、邦訳はここまで。そりゃないよ。今回あまりにもショッキングなエンディングだったので、待って待って!この部分だけでもちゃんと納得させて!って、最後の数行で文字通り飛び上がってしまったもんね。英語の原題はa faint cold fearだから、うっすらとした冷たい恐れ、恐怖?もしかしてそれが最後の数行?まさかそっちに行ってしまったの?
うーん、邦訳を待つしかないのか…
メモ程度に本作の振り返りを。
本作も完全にフーダニット・ワイダニット追跡パターン。犯人とその理由が毎回楽しみで追い -
Posted by ブクログ
ネタバレ予想外に好みのお屋敷ものホラーだったので、その点では大満足した。条件は良いのに安い物件、美しい景色、前途洋々で愛し合っているけど若干不穏な要素のある主人公たち、大真面目に妙な警告をしてくる親切な隣人、呪われた逃げられないルール、これアメリカの農場でやってるお屋敷ものホラーだ!となって嬉しく一気に読めた。
あらすじが「いずれルールを破って報復される」ことを明かしてるので、いつやっちゃうんだ、どっちがどんなふうに、というはらはらも楽しかった。
秋の終盤が相当怖くて不気味で(夏から秋のルールが気色悪すぎて良い)、土地の呪いが二段構えで罠になってるあたりはすごく好きだっただけに、終盤、そういうふうに -