【感想・ネタバレ】凍てついた痣のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最後まで分からない犯人とその動機。シリーズも3巻目ですが、登場人物の関係性も明確になってきて、安定感が出てきた気がします。そして最初はあまり好きでなかったジェフリーが、少し好きになってきた気がします。この巻は、序盤からまさかの展開。そして次々に発生する事件と、終始楽しめました。ただ、620ページにも及び、ちょっと長かったかな。悪人イーサンとの関係を断ち切れないレナにイラっとしつつも、今後の展開が楽しみです。

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2023年04月09日

Posted by ブクログ

カリン・スローターの初期作品、グラント郡シリーズ。
「開かれた瞳孔」「ざわめく傷痕」に続く3作目。

サラ・リントンは故郷で小児科医となっていて、検死官も兼ねています。
元夫のジェフリー・トリヴァーは、警察署長。
ある日、妊娠中の妹テッサと一緒にいたサラは事件の報を受けて、現場へ向かった。
グラント工科大学の学生の遺体が発見されたのだが、飛び降り自殺のようだった。
ところが、近くにいたテッサが何者かに刺されてしまう。
自殺ではなく犯人がそこに潜んでいたのか…?

サラと両親のショックと苦悩が切なく痛々しい。
サラと復縁しようとしているジェフリーも、サラの家族が好きなので苦しむが。
優しい感受性を持つサラは、赤毛と長身が目立ち、IQが高い。その特徴をジェフリーは得難いものと評価しているが、うまく伝えられてはいない。
同じことをサラが人にからかわれた原因として思い出すあたり、二人の個性や関係性が次第にわかってくる、シリーズ物ならではの面白さがありますね。

さらに事件が相次ぎ、平常なら事件の少ない地方都市に衝撃が走る…
ジェフリーの元部下のレナ・アダムズがなんと警察を辞めていて、大学の保安要員として登場。
一作目の事件で被害者となり、仕事に集中できない1年を送った後のことである。
ここの仕事は上司がサイテーなため、別な苦労をしていた。
学生、大学教師、その家族の問題が次々にあぶり出されるが、レナの問題もまた、なぜかこじれていく…

嫌な奴が何人も出てくるので、事件の凄惨さが薄れるほど。
レナはもともと癖のある性格だが、悲劇に見舞われ、報道でも苦しみ、自己破壊的な歪み方を生じているのか…
破綻しかけているところで妙に距離が近づいた人物との関係がこの後どうなる?
そこが一番の読みどころかもしれません。

主役級の数人のうちの誰がクローズアップされるかが、作品によって違うのが特徴か。
濃すぎるほどのキャラをえぐるように描いていくパワーがすごい。
シリーズ1作目はさかのぼって読んだため、「専門職の女性が連続殺人事件に関わり、自らも狙われる」という、数多い作品の中でデビュー作にしてはさすが上手な方、というぐらいの印象でしたが。
その後、どんな出来事にも心理にもまったく目をそらさずに、鋭さも深みも増していくのです。
この段階でここまで書いていたとは。

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2022年06月18日

Posted by ブクログ

読み終わったけど・・・
続くでしょ、コレって
みんなしんどいよねえ
読んでてもしんどい
どこに救いを・・・

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2022年06月09日

Posted by ブクログ

大学の敷地内で学生の自殺か?殺人の可能性も捨てきれない。すると遺体の目撃者が自殺に見せかけて殺された。何の関係があるのか。検視官サラ・ リントンと元夫で署長のジェフリーは事件を追う。すると、元警官で問題の多かったレナ・アダムスが浮かび上がってきた。

大学内の問題がこれでもかと湧き上がって来るのと、二転三転するストーリーは良いのだけれど、真犯人の動機にはあまり頷ける所がなかった。

レナは可哀想な部分はあるけれど、それ以上に好きになれない人だなとも思った。

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2022年02月10日

Posted by ブクログ

 カリン・スローター作品群は、第一期のグラント郡、第二期の捜査官ウィル・トレントの二本のシリーズとそれ以外の独立作品に分類される。本書は第一期の過去シリーズのグラント郡第三作の本邦初翻訳作品である。

 昨年一二期を合体させたミステリー大作『スクリーム』によって、現在のウィルシリーズと過去のグラント郡シリーズが一つになった。二つの時代を股にかける連続殺人事件の存在が明らかとなり、現在と過去が交互に語られる合体作が奇跡のように実現したのである。日本の読者はそれを体験した後で、またゆったりと過去シリーズにお目にかかることになったというわけである。

 シリーズの現在から過去へと前後の脈略を逆に、翻訳されてしまっているこの状況は、日本人読者にとっても作者にとってもあまり幸福なこととは思えないが、それぞれのシリーズを往来するキャラクターが、歳を取ったり若返ったりするのを勘案しながら、それぞれの成長や変化や過去体験を楽しむというあたりで、ぼくら日本人読者は落ち着くしかないだろう。それもまた楽し、といったところか。

 本作は、警察署長ジェフリー・トリヴァーと医師サラ・リントンを主役としたグラント郡シリーズでありながら、同時に一作目以来悲惨な体験を潜り抜けてきた女性警官レナ・アダムスに相当な焦点を当てた作品ともなっている。レナは、本作では驚いたことに前作までの職業であった警察官を退職し、今はグラント工科大学の保安要員として働き出している。その大学こそが、実は本作のほぼ全編に渡る舞台なのである。警察をやめたレナは、警察と協力して事件の真相を探る立場となっている。

 まずは大学裏の橋からの男子学生の飛び降り自殺で物語はスタート。そこに駆け付けたサラが偶然同乗させたまま連れて来てしまった妹テッサが刺されて重傷を負う突発事件が発生。さらに翌日には飛び降り自殺の目撃者であった女子学生の死。こうして連鎖的に起こる凶事により、最初の男子学生の自殺も土台から揺らいでゆく。

 怪しい人物が学内にも保安部内にも学生寮にも多く登場するに至って、真相は深い闇の底に沈んでゆくかに見える。薬漬けの学生。複雑な人間関係。学生とその両親間の葛藤。

 大学組織そのものへの捜査の梃子入れが必要と思われる状況の中、第三、第四の殺人が起こり、さらに事態はもつれにもつれる。保安要員としてその中心軸のような立ち位置を保つレナと、捜査の先頭に立つジェフリーとサラ。彼らを取り巻く複雑な人間関係はどこへ向かってゆくのか?

 事件とミステリーを中心の物語としながら、シリーズ作品としての人間関係の変化、進展、憶測を語ってゆく作者の目論見が、見事にはまる一作。パトリシア・コーンウェルとも共通する一シーン一シーンの長さが、相変わらずこの作者の特徴であり、ぼくの苦手とするところなのだが、一方で人間関係のディテールへのこだわりは、この手の女性ミステリー作家ならではのものと諦観を決めて楽しむべきだろう。

 それにしても最後の最後、意表を突くエンディングには驚いた。この作者、やはり巧い!

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2022年02月03日

Posted by ブクログ

いつものような残虐なシーンはなかった。
描写はなくても想像すると寒い怖さがあった。
先にウィル・トレントシリーズを読んでいるので、一部は過去の振り返りになるが面白い。
でもウィルシリーズでどう書かれていたかぼんやりとしか思い出せない。
今までのを読み返したくなる。
次も楽しみ。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

「グラント郡」シリーズ第三弾。事件の被害者の描写、その周りの人たちの受ける影響をとても過酷に残酷に描いていて読んでいて苦しくなるほどだけれどだからそこにリアリティがあって怒りや憎しみを感じることができる。検死官のサラと警官のジェフリーの捜査、容疑者とのやりとりと犯罪小説としての面白さはもちろん、人の心の痛みを奥深くまで描いていて登場人物たちと共に読み手にも負荷がかかるような、でも読むのをやめられないシリーズ。

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2021年12月27日

Posted by ブクログ

日本で翻訳されていなかったサラシリーズの2作目。読み進めていくうちに「そっか、ウィルは出てこないんだ…」と寂しい気持ちに。
ジェフリーがひどく嫌なやつでサラも微妙。
2人のやりとり見ててつらい。
レナしんでほしい。
みんな嫌なやつ。
前作みたいな残酷な描写はなく、話は読みやすくてなかなか面白かったけど、う〜ん風呂敷の畳み方はかなり雑かな…
なんで翻訳されてなかったのかちょっと納得

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2022年06月20日

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