田辺千幸のレビュー一覧
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英国貴族のお嬢様が探偵役のシリーズ、13作目。
1930年代の様子も描かれます。
ジョージーは王家の血を引く公爵令嬢だが、実家は貧乏で、当時は身分ある女性が仕事を見つけるのも難しい時代。
気さくで親切で果敢なジョージーは、いくつもの危機や冒険を潜り抜けてきました。
中には、当時の王妃の依頼による極秘活動も。
恋人のダーシーと遂に結婚。
ダーシーが用意した新婚旅行は、植民地のケニヤ。
すごい山の中でしたが、イギリス人たちは独特なコミュニティを作り、享楽的な暮らしを謳歌していたのです。
訪問先で、当然ながら事件が…!
ドジっぽかったジョージーがだいぶ落ち着き、探偵役の経験も積んだことで、コミカルな要素が減ったかも。
それに、ダーシーとの恋のはらはらも?
旅行先の様子は、なかなかリアルです。
そうそう、リース・ボウエンならこういう描写も出来ますね、他の作品のこと考えたら。
折しも、王子(もうすぐ国王になる)とシンプソン夫人の不倫の恋が大問題になりかけていた時代。
日本では「王冠を賭けた恋」と呼ばれてそんなに悪い印象ではなかったけど、よその国のことだからかもねえ。
イギリス人はシンプソン夫人のこと、好きじゃないみたい(笑)
それに、アガサ・クリスティの名作が書かれている時期でもあるので、社交界の人々の服装や旅好きな英国人の様子など、あんな感じかな~と思い浮かべるのも楽しいです☆ -
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カリン・スローターのデビュー2作目。
2001年のデビュー作はほどなく翻訳されたのですが、このシリーズはその後なぜかすっ飛ばされ、ウィル・トレントのシリーズはじめ他の作品が何作も翻訳されていました。
人気が確実になったので、こちらも発行することになったのなら嬉しい。
医師サラ・リントンが主人公のグラント郡シリーズで、6作あるのです。
サラは診療所で働く小児科医で、郡の検死官も兼ねている。
優秀な女性で長身の赤毛、かなりの美人ですが、まじめさが勝ってそれほど目立たない、というか自分では目立たないと思っている。
警察署長のジェフリー・トリヴァーと結婚したが1作目では離婚していて、2作目では復縁しかかってます。
ジェフリーは、勉強もスポーツも出来て、顔も体格もいい学園のヒーロータイプ。2作目では意外と育ちには恵まれていなかったことが明かされます。
などと書いていると、けっこう平和にも思えそうだけど‥
カリン・スローターの名前には前から気づいていたけど、読み始めたのは最近のこと。
残酷な事件の凄惨な描写に定評があるから(笑)
ミステリに慣れていない人にはお勧めできません…が、ただの残酷趣味とかセンセーショナリズムで描かれているわけじゃないですよ。
実際にこれほどの事件も起きていないとは言えない現実があり、そういう被害者(主に女性)の苦しみがどれほどのものかということや、極限で発揮される勇気や真実に迫りたい意図もある印象です。
サラとジェフリーがデートしていた日、ジェニーという少女が少年を銃で狙う事件が起きます。
説得に応じないため、やむなくジェフリーが銃を向けることに。
ジェニーはサラの患者の一人だったので、サラは衝撃を受けます。しかも、ジェニーの遺体には思いもよらない傷痕が‥!
当初想像されたのとは違う方向へ、事件は複雑化していきます。
ジェフリーの部下のレナ・アダムズも重要な登場人物。
1作目の事件で過酷な体験をしたレナはまだ不安定。この時点では、傍迷惑な乱れっぷりでも、まったく責められない。よく頑張りぬいたという状況なのだが‥
シリーズ通して癖が強いトラブルメーカーなため、今一つ同情できないものがあったりして。
しかし、水と油なサラとレナの葛藤は、リアリティがあります。
サラは優しい女性で、すでに2回事件で被害に遭っているけど、まだまだ若く感情的、回復力はありますね。
ずっと後まで描かれている他の作品を読んでいるので、ミッシング・リンクが繋がることに期待!しています。
原著は2003年発行。 -
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スーパーマーケットで働くアガサは本当の父親を知らず、15歳のときに既婚者に騙されて妊娠し、生まれた子供とは引き離された。
一度結婚したものの死産したことで夫婦仲は悪化し、離婚してしまう。
今は恋人との子を妊娠中だが、妊娠を知った恋人は離れていった。
一方のメグはキャリア、高収入の夫、二人の子供に恵まれ、三人目を妊娠中だ。
偶然知り合ったアガサとメグは出産時期が近いことから仲よくなるが、この出会いがそれぞれの人生を変えていき……二人の女性の数奇な運命を描く戦慄のスリラー!
登場人物にあまり共感できなかった。
天使と嘘の主人公、臨床心理士のサイラスが、重要な役どころで登場。
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ラスティ・クィンは売人や性的暴行犯、誘拐犯を弁護して大いに恨みをかっていた。家は放火され、別の家では覆面をかぶった男たちが妻を射殺し、娘たちサマンサとシャーロットをレイプしようとした・・・28年後、シャーロットは弁護士になっていた。夫とうまくいかず一夜を伴にした相手とスマホを間違えてしまったため、相手の勤める学校を訪れると、発砲事件が。若い女性ケリーが教師や生徒を撃っている。そして彼女の弁護に関わり・・・
カリン・スローターは大好きなのだが、その中ではやや冗長。実はシンプルなもので、それをぐるぐるとラッピングした感じ。
それでも、最初のスピード感、ラスティの人物造形、シャーロットのトラウマ、姉サマンサはどうなったのか、そして発砲事件の真実と読ませどころは多い。 -
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先に読んじゃった、シリーズの中で最新となる「破滅のループ」の前作ですね。元妻といってるけど、まだ離婚成立してないんじゃん。複雑な関係ですよ。著者の取材力には舌を巻きますね。NBAスター選手をこのように登場させることに驚かされます。全く○○野郎です。彼らを取り巻くビジネスや人間たちがリアルで唸らされます。そして、読むたびに思うのが、登場する女性たちの凄さですよ。悪い女はとことん悪くてむしろ清々しいくらい。男たちが右往左往させられて、ざまあみろと言いたくなってしまいます。構成もひねりがあって、アンジーを見る目も後半で変わりました。作者の手腕としか言いようがありません。あんなラストみせてくれたんじゃあ、これからも目が離せないじゃないですか!
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弁護士のラスティは誰も依頼を受けたがらないような凶悪犯の弁護人ばかりしている。被害者からは恨まれ、依頼人から弁護費用を踏み倒されたうえ、うまく弁護してくれなかったと恨まれる。小さな地方都市でそんなことをするものだから、顔見知りばかりの住民からも非難される。なぜそんなことをと妻も二人の娘も思っているが、信念だからと言うしかない。
尊い仕事なのかもしれない。しかし、皮肉にもそれが原因で、妻は殺され、長女は瀕死の状態に。次女も心に深い傷を負う。
悪しき人間に襲撃されたことによって崩れた家族の幸せと姉妹の絆、再び取り戻すことはできるのだろうか・・・
以下感想。
ミステリー小説としての楽しみ方もあれば、家族の絆を取り戻していくというヒューマンドラマの要素もある。分量からすると後者のほうが多いので、家族再生の物語を作者は書きたかったんじゃないだろうか。
大人になってから疎遠になり、会えばケンカばかりしている姉妹だが、心の中では互いを思い合っているのをひしひしと感じる。
家族のことを思ってついた嘘が、家族の傷を深めたり、真実がわかって、何も知らなかった自分を責めたり、いろいろだ。
ミステリーのほうはなんとなくそうかなぁ、という方向に進んで行くので、ちょっと物足りないかも。意外性はあまりない。
この作家の作品を読むのは初めてなので、最初は慣れなかったが、シリーズものが人気らしい。この作品は単発みたいだが、この姉妹が冒頭から協力して難事件を解決するみたいな小説が出るなら、読んでみたい。 -
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好調の貧乏お嬢さまシリーズ、11作目。
「貧乏お嬢さま、駆け落ちする」と、「貧乏お嬢さまの結婚前夜」の間の作品になります。
そう、そう簡単には結婚までたどり着かないのだ?(笑)
公爵令嬢だけど、親が破産して財産がないジョージーはあれこれ苦労していますが、気さくで親切。美人ではないけど、すらっとしています。
ひそかな恋人ダーシーと晴れて婚約、結婚準備に入ったジョージー。
甘いひとときもつかの間、ダーシーは例によって何だかわからない任務で旅立ちます。
王妃の依頼で、ジョージーはイタリアへ行くことになりました。
イタリアの大豪邸で、各国の要人が集まるパーティーが開かれるのです。
ちょうどその近辺には、ジョージーの親友ベリンダが滞在中。
身重のベリンダを案じるジョージーは行ったり来たり。
そこへ事件が起き…?!
時代ははやくも第二次世界大戦前夜。
皇太子はシンプソン夫人と交際しているし、ジョージーの母親はドイツ人の愛人と遂に結婚しそう。
え、この時代に?
さて、どうなりますか。
好感の持てるキャラクター、時代色と事件の構成のほどがよくて、ユーモラス。
楽しみなシリーズです☆ -
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リース・ボウエンの「英国王妃の事件ファイル」の第7弾!
自伝を出したいという母を手伝い、タイプの技術向上に励むジョージー。
しかし母の突然の方針転換で、再び生活がピンチに。
親戚である王妃に相談したところ、貴族の屋敷で跡取りの青年の教育係をするように申しつけられます。
当面の間、ケントにある豪華なお屋敷で暮らせることもあり、ジョージーはありがたくそのお役目を受けるのでした。
お屋敷には、屋敷の主人の公爵のほかに親類縁者や芸術家たちが暮らし、少し複雑な状況のよう。
そこに新たに存在が発覚した跡取りの青年が加わり、さらにピリピリとした雰囲気が漂います。
そんな中公爵が地所の川辺で遺体で発見されるという事件が発生。
第一発見者となったジョージーは、持ち前の勘とこれまでの経験を活かして調査を行うことになります。
今回はオーストラリアの牧場で働いていた青年がいきなり貴族社会に放り込まれるという設定だったのですが、貴族のお屋敷での暮らしは、一般の人にはそう簡単にはなじめるものではないなぁと、改めて感じさせられるお話でした。
考え方も暮らしのリズムも作法も、何もかもが堅苦しくて独特です。
物語として読むのはおもしろいですが、実際に明日から貴族として生きてくださいと言われたら、、、、きついかなあ。。。
ジョージーはさすが王族ということで、どこのお屋敷に行ってもきちんとふるまえるのがすごいですね。
今回もダーシーやベリンダなどおなじみのキャラクターが登場し、ジョージーが彼らとの時間を楽しんでいるのが微笑ましかったです。
ただ、ジョージーのメイドのクイーニーはもう少し成長してほしいかな。
最初は笑っていられたけど、ジョージーが他のメイドを雇えないのをいいことに甘えている気がして、あまりいい印象ではありませんでした。
コミカルな役回りなのかもしれないけど、うーん。
ミステリとしては、なかなか伏線が効いていておもしろかったです。
推理しながら読んでいましたが、最後まで展開が読めませんでした。
◇おすすめポイント
・正統派貴族の生活をのぞける
・おいしそうな料理の描写がたくさん登場
・ミステリとしても読み応えあり
◇こんな方におすすめ!
・古き良きイギリス貴族の生活について知りたい
・イギリス料理に興味がある
・ミステリ要素もしっかり楽しみたい