田辺千幸のレビュー一覧
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ラスティ・クィンは売人や性的暴行犯、誘拐犯を弁護して大いに恨みをかっていた。家は放火され、別の家では覆面をかぶった男たちが妻を射殺し、娘たちサマンサとシャーロットをレイプしようとした・・・28年後、シャーロットは弁護士になっていた。夫とうまくいかず一夜を伴にした相手とスマホを間違えてしまったため、相手の勤める学校を訪れると、発砲事件が。若い女性ケリーが教師や生徒を撃っている。そして彼女の弁護に関わり・・・
カリン・スローターは大好きなのだが、その中ではやや冗長。実はシンプルなもので、それをぐるぐるとラッピングした感じ。
それでも、最初のスピード感、ラスティの人物造形、シャーロットのトラウマ、姉サマンサはどうなったのか、そして発砲事件の真実と読ませどころは多い。 -
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先に読んじゃった、シリーズの中で最新となる「破滅のループ」の前作ですね。元妻といってるけど、まだ離婚成立してないんじゃん。複雑な関係ですよ。著者の取材力には舌を巻きますね。NBAスター選手をこのように登場させることに驚かされます。全く○○野郎です。彼らを取り巻くビジネスや人間たちがリアルで唸らされます。そして、読むたびに思うのが、登場する女性たちの凄さですよ。悪い女はとことん悪くてむしろ清々しいくらい。男たちが右往左往させられて、ざまあみろと言いたくなってしまいます。構成もひねりがあって、アンジーを見る目も後半で変わりました。作者の手腕としか言いようがありません。あんなラストみせてくれたんじゃあ、これからも目が離せないじゃないですか!
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弁護士のラスティは誰も依頼を受けたがらないような凶悪犯の弁護人ばかりしている。被害者からは恨まれ、依頼人から弁護費用を踏み倒されたうえ、うまく弁護してくれなかったと恨まれる。小さな地方都市でそんなことをするものだから、顔見知りばかりの住民からも非難される。なぜそんなことをと妻も二人の娘も思っているが、信念だからと言うしかない。
尊い仕事なのかもしれない。しかし、皮肉にもそれが原因で、妻は殺され、長女は瀕死の状態に。次女も心に深い傷を負う。
悪しき人間に襲撃されたことによって崩れた家族の幸せと姉妹の絆、再び取り戻すことはできるのだろうか・・・
以下感想。
ミステリー小説としての楽しみ方もあれば、家族の絆を取り戻していくというヒューマンドラマの要素もある。分量からすると後者のほうが多いので、家族再生の物語を作者は書きたかったんじゃないだろうか。
大人になってから疎遠になり、会えばケンカばかりしている姉妹だが、心の中では互いを思い合っているのをひしひしと感じる。
家族のことを思ってついた嘘が、家族の傷を深めたり、真実がわかって、何も知らなかった自分を責めたり、いろいろだ。
ミステリーのほうはなんとなくそうかなぁ、という方向に進んで行くので、ちょっと物足りないかも。意外性はあまりない。
この作家の作品を読むのは初めてなので、最初は慣れなかったが、シリーズものが人気らしい。この作品は単発みたいだが、この姉妹が冒頭から協力して難事件を解決するみたいな小説が出るなら、読んでみたい。 -
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好調の貧乏お嬢さまシリーズ、11作目。
「貧乏お嬢さま、駆け落ちする」と、「貧乏お嬢さまの結婚前夜」の間の作品になります。
そう、そう簡単には結婚までたどり着かないのだ?(笑)
公爵令嬢だけど、親が破産して財産がないジョージーはあれこれ苦労していますが、気さくで親切。美人ではないけど、すらっとしています。
ひそかな恋人ダーシーと晴れて婚約、結婚準備に入ったジョージー。
甘いひとときもつかの間、ダーシーは例によって何だかわからない任務で旅立ちます。
王妃の依頼で、ジョージーはイタリアへ行くことになりました。
イタリアの大豪邸で、各国の要人が集まるパーティーが開かれるのです。
ちょうどその近辺には、ジョージーの親友ベリンダが滞在中。
身重のベリンダを案じるジョージーは行ったり来たり。
そこへ事件が起き…?!
時代ははやくも第二次世界大戦前夜。
皇太子はシンプソン夫人と交際しているし、ジョージーの母親はドイツ人の愛人と遂に結婚しそう。
え、この時代に?
さて、どうなりますか。
好感の持てるキャラクター、時代色と事件の構成のほどがよくて、ユーモラス。
楽しみなシリーズです☆ -
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リース・ボウエンの「英国王妃の事件ファイル」の第7弾!
自伝を出したいという母を手伝い、タイプの技術向上に励むジョージー。
しかし母の突然の方針転換で、再び生活がピンチに。
親戚である王妃に相談したところ、貴族の屋敷で跡取りの青年の教育係をするように申しつけられます。
当面の間、ケントにある豪華なお屋敷で暮らせることもあり、ジョージーはありがたくそのお役目を受けるのでした。
お屋敷には、屋敷の主人の公爵のほかに親類縁者や芸術家たちが暮らし、少し複雑な状況のよう。
そこに新たに存在が発覚した跡取りの青年が加わり、さらにピリピリとした雰囲気が漂います。
そんな中公爵が地所の川辺で遺体で発見されるという事件が発生。
第一発見者となったジョージーは、持ち前の勘とこれまでの経験を活かして調査を行うことになります。
今回はオーストラリアの牧場で働いていた青年がいきなり貴族社会に放り込まれるという設定だったのですが、貴族のお屋敷での暮らしは、一般の人にはそう簡単にはなじめるものではないなぁと、改めて感じさせられるお話でした。
考え方も暮らしのリズムも作法も、何もかもが堅苦しくて独特です。
物語として読むのはおもしろいですが、実際に明日から貴族として生きてくださいと言われたら、、、、きついかなあ。。。
ジョージーはさすが王族ということで、どこのお屋敷に行ってもきちんとふるまえるのがすごいですね。
今回もダーシーやベリンダなどおなじみのキャラクターが登場し、ジョージーが彼らとの時間を楽しんでいるのが微笑ましかったです。
ただ、ジョージーのメイドのクイーニーはもう少し成長してほしいかな。
最初は笑っていられたけど、ジョージーが他のメイドを雇えないのをいいことに甘えている気がして、あまりいい印象ではありませんでした。
コミカルな役回りなのかもしれないけど、うーん。
ミステリとしては、なかなか伏線が効いていておもしろかったです。
推理しながら読んでいましたが、最後まで展開が読めませんでした。
◇おすすめポイント
・正統派貴族の生活をのぞける
・おいしそうな料理の描写がたくさん登場
・ミステリとしても読み応えあり
◇こんな方におすすめ!
・古き良きイギリス貴族の生活について知りたい
・イギリス料理に興味がある
・ミステリ要素もしっかり楽しみたい -
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人気の貧乏お嬢さまシリーズ、9作目。
ジョージーは公爵令嬢。
英国王家の一員だが、先代で実家が破産しており自分のお金もない。
身分が高すぎて当時は就職もできない。
めげずにあれこれチャレンジするジョージーが、チャーミングなんですよ。
今回、ジョージーは、王族の結婚に関わります。
ジョージーを信頼してくれている王妃の依頼で、王子と結婚するギリシャの王女の世話をするようにと。
どんな女性か心配でしたが、きれいで明るい、気さくな女性で、うまくやっていけそう。
普段は王族の年取ったおばさま方が暮らすケンジントン宮殿にともに滞在し、そこにある時計塔の幽霊という伝説を知ります。
宮殿でのパーティーや上流階級らしいシーンが多くて、楽しめます。
身分ある女性には侍女なしはありえない時代。
問題大ありの侍女クイーニーを連れて行くのですが‥
侍女の失態を目立たせなくするために自ら働くはめになる!?
思わぬ事件が(もちろん?)起き、恋人のダーシーとも連携して活躍。
大スキャンダルを防げるか?
一方、女優である母親や親友のベリンダにも一身上の変化が起きつつあります。
そして、ジョージーは、いよいよダーシーと‥?
楽しみなシリーズです☆ -
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苦悩の刑事ウィル・トレント。女性の行方不明、殺人事件の捜査の過程で、殺人犯として刑務所にいるはすの自分の父親と手口が似ていることに気づく。そう、父親は仮出所していたのだ。まさかあの男が・・・1975年のアトランタ警察。現在はウィルの鬼上司であるアマンダは当時は駆け出しで、しかも女性はひどく差別されていた。同僚のイヴリンとともに男性刑事たちが自殺と断定した売春婦の死亡事件を調べる。現在の事件と関係があり・・・
非常にややこしく、読むのに時間がかかってしまった。「小説宝石」で書評家北上次郎氏は2018年の翻訳ミステリーとして1位にしていたけれど、ややこしさがやや得点を下げる。(ややこしいと思うのは私の頭脳の問題か)
しかし、70年代の警察。セクハラやパワハラは日常茶飯事。真っ当な捜査をしようとしても、妨害される。この時代にアトランタで女性刑事をしていたら、さぞかし毎日濃い苦渋を舐めていただろう。
アマンダとイヴリンの戦いの方が、平行して描かれる現在の事件よりも読ませるようか気がする。 -
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人気の「貧乏お嬢さまシリーズ」8作目。
安定した面白さです。
公爵令嬢なのに、実はいつもお金に困っているジョージー。
早くに離婚して出ていった母親は、有名な美人女優。
この母が今の恋人と結婚することにしたので、何度めかの夫と正式に離婚するためにアメリカへ。
豪華客船の旅に、ジョージーも同行することになります。
ところが映画監督に熱烈に請われて、母は行く先をまずハリウッドへと変更。
英国が舞台の歴史もの映画を撮るための顧問として、ジョージーや友人も役割ができます。
お約束で現れた恋人ダーシーも、貴族として堂々と参加。見た目がいいので俳優としても誘われます。
いい加減な舞台装置に英国人は呆れるのですが。
演技力と存在感で、ジョージーの母は、若い主演女優を圧倒するという楽しさ。
おまけにチャップリンに口説かれる?
もはやジョージーの頭が切れるのは人がすぐ気づくほどに。
メイドの出たり入ったりは意外でしたが、まあしょうがない?(笑)
楽しく読めるシリーズです☆ -
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家政婦は名探偵シリーズ第四弾。
ちょっと投資の一部がうまくいっていないからと、
節約計画をもちかけたウィザースプーン警部補。
使用人たちは文句たらたらながら、
コロラド(!)の銀鉱山への投資を取り仕切っていた男の
殺人事件の捜査には協力する。
相変わらず、アメリカ人のルティ未亡人と執事も参加している。
そういえば、アガサ・クリスティーの話にも、
昔は株の配当が良かったのに、というような話があったような。
株に投資するってイギリスのある程度以上の階級では、
当たり前だっただろうな。
それに、いわゆるお屋敷では、お客をお迎えするのは、
きちんとした制服を着たハウスメイドか執事の役目とか。
前作では使用人にも高級使用人(家政婦、料理人、執事)と
そうでない使用人があると判って、イギリス社会が垣間見えて、面白い。
今回の作品では、かなり最後の方まで犯人がわからずやきもきさせられたが、
無事解決。
節約計画も無事中断となって、良かった、良かった。
この作品で日本語訳が終わっているのが、とても残念。 -
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ネットで見かけて。
タイトルから言って、
家政婦が主人の謎解きを助ける話だろうことは予想がついていたが、
影ながらこっそりと助けるのかと思いきや、
かなりがっつりと、しかも雇い人皆がチームで助けているとは思わなかった。
そして、まったく気づかずに助けられている、ウィザースプーン警部補が何かを彷彿とさせると思ったら、
司馬遼太郎が「項羽と劉邦」で描く劉邦だった。
劉邦は戦闘能力が高いわけでも、美丈夫なわけでもなく、知略に富んでいるわけでもないが、
懐が深くて、周りがほっておけない、助けたくなる人物として描かれていた。
それと、雇い人が一致団結して助けたくなる警部補は似ている気がする。
それにしても、
家政婦ジェフリー夫人を始め、ほほえましい捜査陣の活動が気になって、
謎解きは二の次になってしまう。
それと警部補(その実、ジェフリー夫人)が解決済みのケンジントン・ハイストリートの恐ろしい殺人事件も気になってしょうがない。 -
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貧乏お嬢さまのシリーズ7作目。
いかにもな大邸宅を舞台に、事件が起こります。
前作で一緒だった母親の気分があっさり変わり、さてどうしようということになったジョージー。
公爵令嬢だけど家にはお金がなく、身分の高さ故にかえって仕事を見つけるのも難しい時代でした。
そこへ、王妃からの依頼が舞い込みます。
公爵夫人の跡取りに、貴族の立ち居振る舞いを教えて欲しいと。
オーストラリアで育った農夫の若者で、息子の遺児とわかったばかりなのです。
期待通り?周りを仰天させる彼ですが、ジョージーは次第に好感を抱きます。
ところが、事件が起き‥?
事件に慣れてきたジョージーの目の付け所は確かで、しっかり活躍。
いつものメンバーもちょこちょこ顔を出してくれ、ダーシーとの仲も‥?
恐怖の館‥というほどおどろおどろしいイメージではありませんが~
お屋敷に集まっている人たちの中に犯人がいる!というわけで、ミステリ黄金時代のような設定。
そういえば時代も、そもそもアガサ・クリスティの初期と一緒です。
テンポ良く楽しませてくれるシリーズです☆ -
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貧乏お嬢さまのシリーズ6作目、快調です。
今回は王妃は出てこないけど、ダーシーはもちろん出て来るし、イギリスのクリスマスが楽しい。
ジョージーは公爵令嬢だが、家にはまったくお金がなく、かといって職を見つけるのも身分が高すぎて難しい立場。
スコットランドの実家の寒風吹きすさぶお城で、ケチな兄嫁一家と最悪のクリスマスを迎えそうになっていました。
ある仕事の広告を見つけて、これならと応募します。
クリスマス・パーティーの招待客を迎える上品な女性を急募というもの。
デボンの田舎のお屋敷で、イギリスならではのクリスマスが展開。
実はそういう行事に憧れる人を集めて宿泊してもらう企画で、アメリカ人などもやってきます。
ジョージーは王族だから喜ばれ、素朴な村での催しに来ていただいてと恐縮されますが、実家よりよほどいい食事を満喫。
しかも、そこにダーシーもやってきます。
謎めいた恋人ダーシーの一面がまた明らかに?
平和そうな村では実は不審死が続いていました。
一見したところは事故死、何の関連もなさそうなのですが、魔女の呪い説まで出て、だんだんブラックな状況に。
ある意味では、ミステリ風味がいつもより濃いのを楽しめます。
他の描写がユーモラスなので、ちょっとパロディ的な感じもあり、気楽に読めるのがいいところ☆ -
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「家政婦は名探偵」のシリーズも4作目。
19世紀ヴィクトリア朝のロンドンが舞台です。
テムズ川に男性の遺体が上がる。
アメリカ人の投資家で、詐欺の疑いがあったが‥?
どの紳士の家にも、裏事情を知る召使がいる時代。
怪しげな登場人物が勢揃いして、事件の構成が前よりはっきりしてきたような印象があります。
人のいいウィザースプーン警部補は、苦手な難事件を押しつけられて、いつもながら困惑。
何度もりっぱに事件を解決しているはずの警部補ですが、苦手意識は消えないまま‥
それもそのはず、じつは捜査に活躍しているのはご主人様を大事に思う使用人たち。
家政婦のジェフリーズ夫人の穏やかな指示のもと、もはやチームワークもお手の物。
御者で頭のいいスミスや、綺麗なメイドのベッツィ達がつてを辿っての捜査に取り組み、それぞれの過去もちらっとほのめかされます。
ちょっと間抜けな従僕のウィギンズもかわいがっている犬のフレッドと捜査に。
ジェフリーズ夫人がご主人様に悟られないよう、うまく解決に導いていくのが楽しいですね。
今回は警部補が家計費倹約令を出したため、その問題をどうするかも。
料理人のグッジ夫人が倹約するために工夫したという~マズイ料理を次々に出してみせるのが笑えます☆