田辺千幸のレビュー一覧

  • 歴史は不運の繰り返し セント・メアリー歴史学研究所報告

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     タイムマシンに乗って、と聞いただけでワクワクした。SFな展開ばかりじゃなく、現実リアルなドラマ展開に人間模様もきっちり書き込まれている。結局背景は様々でも人間が描けてなくちゃ、ハラハラもドキドキもない。シリーズ一作目とのことながら、次作も3作4作も翻訳されてない。早川さん、なんとかして!

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    2022年12月02日
  • ざわめく傷痕

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    シリーズ2作目だけあって、だいぶ個々の人物に深みが増してきた感じがして、その点は良かったです。一方で、ストーリー的には、悪人どものいやらしさにけっこうムカつく展開。そして最後までその心理は理解不能ですし、イヤになります。そして最後まで読んでも決してスッキリしない作品でした。もう少し救いのある終わり方が良かったです。

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    2022年07月24日
  • サイレント 下

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    The「警察小説」って感じかな。

    『サイレント』は、ハーバーBOOKS文庫(ミステリー)ではコンスタントにヒット作を生み出している、カリン・スローターのウィル・トレント特別捜査官シリーズの一つ。

    このシリーズは「過激な描写が特徴」と言われているので、少し躊躇していた。
    「サイレント」はシリーズの中でも比較的「穏やか」と言われているものの、なかなか手に取りづらかった。
    実際に読んでみると、地方警察の腐敗と警察官の疲弊、過去の因縁、小さな社会内での排他的感情、そのなかで主人公の捜査官が悪戦苦闘して真実を探り寄せる……。
    まさに、王道の「警察小説」ミステリーがスピード感たっぷりに展開されている。

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    2022年07月06日
  • 凍てついた痣

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    カリン・スローターの初期作品、グラント郡シリーズ。
    「開かれた瞳孔」「ざわめく傷痕」に続く3作目。

    サラ・リントンは故郷で小児科医となっていて、検死官も兼ねています。
    元夫のジェフリー・トリヴァーは、警察署長。
    ある日、妊娠中の妹テッサと一緒にいたサラは事件の報を受けて、現場へ向かった。
    グラント工科大学の学生の遺体が発見されたのだが、飛び降り自殺のようだった。
    ところが、近くにいたテッサが何者かに刺されてしまう。
    自殺ではなく犯人がそこに潜んでいたのか…?

    サラと両親のショックと苦悩が切なく痛々しい。
    サラと復縁しようとしているジェフリーも、サラの家族が好きなので苦しむが。
    優しい感受性

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    2022年06月18日
  • 凍てついた痣

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    読み終わったけど・・・
    続くでしょ、コレって
    みんなしんどいよねえ
    読んでてもしんどい
    どこに救いを・・・

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    2022年06月09日
  • ざわめく傷痕

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    猟奇的な残忍さ、子どもがからむ犯罪の凄惨さ、恐ろしさ、気味悪さはシリーズ最悪かもって気もして、読んでいて具合悪くなりそうなくらいだった。しかもすっきりした解決にもならずに後味も悪かったんだけど、読み終わったとたん次の巻を読みたいと思うのは、海外のシリーズドラマを見るような感じだからかも。ひとつの事件は終わっても、レギュラー登場人物がこのあとどうなるのかどうするのか知りたい。こんなひどい事件を経て、そのあとどうやって日々を過ごすのかを知りたいというような。まあ小説なので、次の巻ではまた普通に別の事件に取り組むんだとわかってはいるけれど。
    シリーズの主人公はサラだけど、レナの存在感がすごかった。レ

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    2022年04月16日
  • サイレント 下

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    ウィル・トレント・シリーズ4作目、後半。

    サラの地元で殺人事件が起こり、ジョージア州捜査局の特別捜査官ウィルが呼ばれてくる。
    休暇で帰省中だったサラは、捜査に協力することに。
    検死官の経験もあり、地元の知識もあるサラはチーム同然、ほぼ片腕ですね。
    逮捕された犯人は自白を強要されたのか?
    第二の事件が起こり…

    サラの夫ジェフリーが警察署長で、殉職したのがこの町。優しいサラは忘れられない記憶に苦しめられますが、それも少しは変わってきているかな。
    地元の刑事レナ・アダムズは、かってのジェフリーの部下。
    それどころか、ジェフリーの死の原因を作ったようなもの。後ろめたさを感じつつ自己弁護するレナ。

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    2022年04月17日
  • サイレント 上

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    ウィル・トレントのシリーズ4作目。
    「ハンティング」に続く作品。

    田舎町で、女子大生の殺人事件が起こる。
    ジョージア州捜査局(GBI)特別捜査官のウィル・トレントが派遣されました。
    そこは、サラ・リントンの故郷、殉職した夫のジェフリーが警察署長を勤めていた地区でもあった。
    小児科医で検視官も兼ねているサラはその後アトランタに移って4、5年はたっていたが、たまたま帰省していたため捜査に協力することになる。
    逮捕された若者トミーはかってサラの患者でもあり、サラはおかしいと気がついていた。

    識字障害を抱えていて内気だが優秀なウィルは以前からサラに一目ぼれしているのがバレバレ、でもなかなか踏み出せ

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    2022年04月15日
  • 罪人のカルマ

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    ミステリともサスペンスとも言えない構成のように感じて(途中で中断して猿の罰の方を読んでしまった)読み終えるのが遅くなったけれど、結末の展開は好きだったかな。アマンダとイヴリンの若い頃が描かれてて、いままで好きになれなかった2人にもこんな時代があったんだと思うと好感度上がる。とくにアマンダ。それならなぜウィルにいじわるをする?w
    結局ごみ箱に入れたのは誰ってことなんだろう…?
    今作は黒人差別にくわえてフェミニズム要素もあるので黒人や女性を差別していたいひとはまた怒る気もする。いつかフラットな世の中になるといいな。
    そしてアンジーがこわい。
    ひたすらサラが心配になる!
    みんな幸せになってほしい。

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    2022年03月14日
  • ざわめく傷痕

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    グラント郡シリーズ第二作。一作目に劣らず衝撃的な事件で幕が開かれ、サラ、ジェフリー、レナ3人の主役の精神が傷んでいくのも無理からぬ展開の中さらなる凄惨な真相が次第に明らかになってくる。

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    2022年02月17日
  • サイレント 下

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    ネタバレ

    ジェフリーを失ってもがいているサラと、サラにひかれてしまうウィルどちらも不器用なのが見てて唯一の救い。
    トミーって他の作品で出てきたのかな。生きてる描写を見たかった気もする。
    開かれた瞳孔のときはまあまあ良い人間に思えたレナにモヤモヤくる。監禁されすぎてかわいそうw
    展開がやや強引だけどウィルやサラを永遠に見ていたいから続編も読む。

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    2022年02月15日
  • 凍てついた痣

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    大学の敷地内で学生の自殺か?殺人の可能性も捨てきれない。すると遺体の目撃者が自殺に見せかけて殺された。何の関係があるのか。検視官サラ・ リントンと元夫で署長のジェフリーは事件を追う。すると、元警官で問題の多かったレナ・アダムスが浮かび上がってきた。

    大学内の問題がこれでもかと湧き上がって来るのと、二転三転するストーリーは良いのだけれど、真犯人の動機にはあまり頷ける所がなかった。

    レナは可哀想な部分はあるけれど、それ以上に好きになれない人だなとも思った。

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    2022年02月10日
  • 凍てついた痣

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     カリン・スローター作品群は、第一期のグラント郡、第二期の捜査官ウィル・トレントの二本のシリーズとそれ以外の独立作品に分類される。本書は第一期の過去シリーズのグラント郡第三作の本邦初翻訳作品である。

     昨年一二期を合体させたミステリー大作『スクリーム』によって、現在のウィルシリーズと過去のグラント郡シリーズが一つになった。二つの時代を股にかける連続殺人事件の存在が明らかとなり、現在と過去が交互に語られる合体作が奇跡のように実現したのである。日本の読者はそれを体験した後で、またゆったりと過去シリーズにお目にかかることになったというわけである。

     シリーズの現在から過去へと前後の脈略を逆に、翻

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    2022年02月03日
  • 貧乏お嬢さま、追憶の館へ

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    既に貧乏でもお嬢様でもないジョージ―。折角結婚したのにダーシーは秘密の任務で不在、まだ馴染んでいないお屋敷の女主人の型に納まる気分にもなれず、今回はベリンダの祖母が暮らした思い出深い土地を共に訪れ、ハラハラの一週間を過ごします。

    いつも一人でバリバリに余裕かましているイメージのベリンダはここ最近悪いことが重なっていて、今回も殺人容疑で警察に捕まって散々でしたが、最後は弁護士や父親、それといい男に出会えて何となく読者も一安心。是非これをきっかけに運気を取り戻してもらいたいものです。

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    2022年01月29日
  • 巡査さんと超能力者の謎

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    超能力??ケルト人に??
    信じてしまう人、信じない人がいる。そんな中で起こる殺人事件。キャーッといってる間に少しずつわかってくるものがある。ちょっと頼りないかなと思うエヴァン巡査だけれど、今回は活躍する場面もあってワクワクした

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    2022年01月23日
  • 凍てついた痣

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    いつものような残虐なシーンはなかった。
    描写はなくても想像すると寒い怖さがあった。
    先にウィル・トレントシリーズを読んでいるので、一部は過去の振り返りになるが面白い。
    でもウィルシリーズでどう書かれていたかぼんやりとしか思い出せない。
    今までのを読み返したくなる。
    次も楽しみ。

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    2022年01月15日
  • 凍てついた痣

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    「グラント郡」シリーズ第三弾。事件の被害者の描写、その周りの人たちの受ける影響をとても過酷に残酷に描いていて読んでいて苦しくなるほどだけれどだからそこにリアリティがあって怒りや憎しみを感じることができる。検死官のサラと警官のジェフリーの捜査、容疑者とのやりとりと犯罪小説としての面白さはもちろん、人の心の痛みを奥深くまで描いていて登場人物たちと共に読み手にも負荷がかかるような、でも読むのをやめられないシリーズ。

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    2021年12月27日
  • 貧乏お嬢さまの危ない新婚旅行

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    英国貴族のお嬢様が探偵役のシリーズ、13作目。
    1930年代の様子も描かれます。

    ジョージーは王家の血を引く公爵令嬢だが、実家は貧乏で、当時は身分ある女性が仕事を見つけるのも難しい時代。
    気さくで親切で果敢なジョージーは、いくつもの危機や冒険を潜り抜けてきました。
    中には、当時の王妃の依頼による極秘活動も。

    恋人のダーシーと遂に結婚。
    ダーシーが用意した新婚旅行は、植民地のケニヤ。
    すごい山の中でしたが、イギリス人たちは独特なコミュニティを作り、享楽的な暮らしを謳歌していたのです。
    訪問先で、当然ながら事件が…!

    ドジっぽかったジョージーがだいぶ落ち着き、探偵役の経験も積んだことで、コミ

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    2021年11月12日
  • 誠実な嘘

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    ネタバレ

    分厚い本だが、文字も大きいし、はなしも主人公2人の章を交互に書いてあるので読みやすい。
    2人の環境の違う妊婦がお互いに依存しあう話かなと思っていたら全然違った。
    だから尚更面白かった。子どもが出来ない悲しみや辛さはその経験をした人にしか分からない。
    子どもを捨てる人もいれば子どもが欲しくて人の子を盗む人もいるだろう。
    子育ての辛さは子どもが居ない人からすれば贅沢な悩みなのかもしれないし、子育てをしてる母親からすれば悩みもがくこともある。
    それはなってみないと、その人にしか分からない。

    どちらも被害者であり子どもを愛していた。

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    2021年08月11日
  • 誠実な嘘

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    ネタバレ

    最初は、生まれも生き方も生活もまるで違う2人の女性が交錯していくのね…と読み出したが、途中から、え?え?そうなる?と、そこからは一気。テンポもよく、人も生き生きと動いて、筆は冴えている。しかし、よくもまあ嘘ばっかり。

    面白かったことは面白かったのだけれど、全員自分勝手な理屈では?…と思ってしまうのは私の年齢からの見え方ですかね。特にメグの○○についてはお咎めなしかーいとなんだか腑に落ちない。結局メグの一人勝ちになってない?

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    2021年08月02日