田辺千幸のレビュー一覧
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The「警察小説」って感じかな。
『サイレント』は、ハーバーBOOKS文庫(ミステリー)ではコンスタントにヒット作を生み出している、カリン・スローターのウィル・トレント特別捜査官シリーズの一つ。
このシリーズは「過激な描写が特徴」と言われているので、少し躊躇していた。
「サイレント」はシリーズの中でも比較的「穏やか」と言われているものの、なかなか手に取りづらかった。
実際に読んでみると、地方警察の腐敗と警察官の疲弊、過去の因縁、小さな社会内での排他的感情、そのなかで主人公の捜査官が悪戦苦闘して真実を探り寄せる……。
まさに、王道の「警察小説」ミステリーがスピード感たっぷりに展開されている。 -
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カリン・スローターの初期作品、グラント郡シリーズ。
「開かれた瞳孔」「ざわめく傷痕」に続く3作目。
サラ・リントンは故郷で小児科医となっていて、検死官も兼ねています。
元夫のジェフリー・トリヴァーは、警察署長。
ある日、妊娠中の妹テッサと一緒にいたサラは事件の報を受けて、現場へ向かった。
グラント工科大学の学生の遺体が発見されたのだが、飛び降り自殺のようだった。
ところが、近くにいたテッサが何者かに刺されてしまう。
自殺ではなく犯人がそこに潜んでいたのか…?
サラと両親のショックと苦悩が切なく痛々しい。
サラと復縁しようとしているジェフリーも、サラの家族が好きなので苦しむが。
優しい感受性 -
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猟奇的な残忍さ、子どもがからむ犯罪の凄惨さ、恐ろしさ、気味悪さはシリーズ最悪かもって気もして、読んでいて具合悪くなりそうなくらいだった。しかもすっきりした解決にもならずに後味も悪かったんだけど、読み終わったとたん次の巻を読みたいと思うのは、海外のシリーズドラマを見るような感じだからかも。ひとつの事件は終わっても、レギュラー登場人物がこのあとどうなるのかどうするのか知りたい。こんなひどい事件を経て、そのあとどうやって日々を過ごすのかを知りたいというような。まあ小説なので、次の巻ではまた普通に別の事件に取り組むんだとわかってはいるけれど。
シリーズの主人公はサラだけど、レナの存在感がすごかった。レ -
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ウィル・トレント・シリーズ4作目、後半。
サラの地元で殺人事件が起こり、ジョージア州捜査局の特別捜査官ウィルが呼ばれてくる。
休暇で帰省中だったサラは、捜査に協力することに。
検死官の経験もあり、地元の知識もあるサラはチーム同然、ほぼ片腕ですね。
逮捕された犯人は自白を強要されたのか?
第二の事件が起こり…
サラの夫ジェフリーが警察署長で、殉職したのがこの町。優しいサラは忘れられない記憶に苦しめられますが、それも少しは変わってきているかな。
地元の刑事レナ・アダムズは、かってのジェフリーの部下。
それどころか、ジェフリーの死の原因を作ったようなもの。後ろめたさを感じつつ自己弁護するレナ。
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ウィル・トレントのシリーズ4作目。
「ハンティング」に続く作品。
田舎町で、女子大生の殺人事件が起こる。
ジョージア州捜査局(GBI)特別捜査官のウィル・トレントが派遣されました。
そこは、サラ・リントンの故郷、殉職した夫のジェフリーが警察署長を勤めていた地区でもあった。
小児科医で検視官も兼ねているサラはその後アトランタに移って4、5年はたっていたが、たまたま帰省していたため捜査に協力することになる。
逮捕された若者トミーはかってサラの患者でもあり、サラはおかしいと気がついていた。
識字障害を抱えていて内気だが優秀なウィルは以前からサラに一目ぼれしているのがバレバレ、でもなかなか踏み出せ -
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ミステリともサスペンスとも言えない構成のように感じて(途中で中断して猿の罰の方を読んでしまった)読み終えるのが遅くなったけれど、結末の展開は好きだったかな。アマンダとイヴリンの若い頃が描かれてて、いままで好きになれなかった2人にもこんな時代があったんだと思うと好感度上がる。とくにアマンダ。それならなぜウィルにいじわるをする?w
結局ごみ箱に入れたのは誰ってことなんだろう…?
今作は黒人差別にくわえてフェミニズム要素もあるので黒人や女性を差別していたいひとはまた怒る気もする。いつかフラットな世の中になるといいな。
そしてアンジーがこわい。
ひたすらサラが心配になる!
みんな幸せになってほしい。 -
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カリン・スローター作品群は、第一期のグラント郡、第二期の捜査官ウィル・トレントの二本のシリーズとそれ以外の独立作品に分類される。本書は第一期の過去シリーズのグラント郡第三作の本邦初翻訳作品である。
昨年一二期を合体させたミステリー大作『スクリーム』によって、現在のウィルシリーズと過去のグラント郡シリーズが一つになった。二つの時代を股にかける連続殺人事件の存在が明らかとなり、現在と過去が交互に語られる合体作が奇跡のように実現したのである。日本の読者はそれを体験した後で、またゆったりと過去シリーズにお目にかかることになったというわけである。
シリーズの現在から過去へと前後の脈略を逆に、翻 -
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英国貴族のお嬢様が探偵役のシリーズ、13作目。
1930年代の様子も描かれます。
ジョージーは王家の血を引く公爵令嬢だが、実家は貧乏で、当時は身分ある女性が仕事を見つけるのも難しい時代。
気さくで親切で果敢なジョージーは、いくつもの危機や冒険を潜り抜けてきました。
中には、当時の王妃の依頼による極秘活動も。
恋人のダーシーと遂に結婚。
ダーシーが用意した新婚旅行は、植民地のケニヤ。
すごい山の中でしたが、イギリス人たちは独特なコミュニティを作り、享楽的な暮らしを謳歌していたのです。
訪問先で、当然ながら事件が…!
ドジっぽかったジョージーがだいぶ落ち着き、探偵役の経験も積んだことで、コミ