田辺千幸のレビュー一覧

  • 誠実な嘘

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    最近読んだ『天使と嘘』が面白かったので、この著者の他の本も読んでみようと思った。最近、本は内容で選ぶことが多いので、この作家だから読みたいと手に取るのはすごくうれしい。

    しかしこの本の分厚さはすごい。通勤のバッグに入れることは無理。家にいるときだけ読むから、きっと読み終えるのに時間がかかるだろうと思ったが、訳が良いのも手伝ってあっという間に読み終わってしまった。
    スーパーマーケットで働くアガサと、スポーツキャスターの夫と二人の子どもがいるメガン。知り合いではないのに、アガサはメガンのことにやたら詳しい。これはストーカーなのか、それともメガンに憧れるあまり、彼女の人生を横取りしたいのか。ただ友

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    2024年05月28日
  • 罪人のカルマ

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    今まであまり親近感もなく、好意的にも見れなかったアマンダのことが、すごくいい印象になりました。今作では、現在パートとアマンダの過去パートを行ったり来たりしてストーリーが進行し、特にアマンダの過去パートは、1970年代半ばで、女性への差別意識と黒人差別が色濃くあるる時代。この若かりしアマンダとフェイスの母親のイヴリンの2人の活躍が新鮮で、すごく親しみがわきました。この過去からどのように現代パートにつながるのかに注目でしたが、なるほどそういうことかと、いい読後感を味わうことができました。そして最終盤は、またまた気になる終わり方。次にどうつながるのか楽しみです!

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    2024年05月06日
  • 消えたメイドと空家の死体

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    警部補だけど刑事の才能のない主人にかわり事件を調査し解決に導く使用人たちの物語。

    シリーズ2作目との事だが1作目を読んでなくても大丈夫だった。私も読めていないが大きなネタバレは無かった。

    行方不明の女を捜す依頼が来た途端に見つかる身元不明の女の腐乱死体。
    使用人達が各々の方法で情報をかき集めていく(しかも主人に悟られないよう)のがメイン。
    グッジ夫人のコミュ力すごい。

    ジェフリーズ夫人が巧みに主人から情報を引き出したり誘導したりするのが面白かった。
    主人公のウィザースプーン警部補と使用人の信頼関係が深いのが良い。

    続編もいくつかあるみたいなので読んでみようと思う。

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    2024年05月04日
  • 貧乏お嬢さまの困った招待状

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    貧乏お嬢さまシリーズ、15作目。
    「貧乏お嬢さま、追憶の館へ」の次の作品。
    「貧乏お嬢さまのクリスマス」の1年後のクリスマスだそうです。

    公爵令嬢だが実家が破産し、お金に困っていたジョージー。
    晴れてダーシーと結婚し、相変わらず互いにあまりお金はないものの、元義父(母の再婚相手だが離婚した)の好意で、留守になっていた大きなお屋敷アインスレーに住んでいます。
    地元ではいわば領主みたいな存在なので、村人と交流したり、クリスマスには子供たちにプレゼントを配ったり、それなりに役割があるのでした。
    クリスマスをどうするか、お客を呼ぼうと考えて、理想のクリスマスを思い描くのですが‥

    ダーシーの伯母から

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    2024年01月18日
  • 貧乏お嬢さま、花の都へ

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    ジョージ―とダーシーご夫妻が花の都パリへ!今回のジョージ―は、ダーシーにスパイの仕事の手伝いを頼まれたことから散々な目に会います。身重なのに。

    先日TVで英国王室100年の歴史の放送を見た後なので、デイビットこと、エドワード八世やシンプソン夫人が身近に感じられます。

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    2023年12月20日
  • 誠実な嘘

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    カテゴリー上はミステリーとしたが、ただハラハラドキドキのミステリー というレベルは越えている Robothamの著作はこれで3作目だけど、何かしら強く訴えてくるものがあると感じる
    高齢者になったこともあり、つくづく健康・家族・友人 こういうことの当たり前っぽいが、かなり貴重なものであることが、しみじみ伝わってくる著作
    天使シリーズでは基本的に一人称×2というスタイルだけど、この誠実な嘘から思い切って始めた方法論のようです とても効果的

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    2023年11月01日
  • ネバームーア2 魔法学園の危機

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    今回も不思議で美しいネバームーアの世界に引き込まれ、個性豊かな登場人物に魅了を感じた。
    様々な困難に立ち向かいながら主人公や仲間たちが成長していく姿をワクワクしながら応援した。
    また続きが読みたい。

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    2023年09月24日
  • 誠実な嘘

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    ネタバレ

    「天使と嘘」と同じ作者だったので。

    「誠実な嘘」というタイトルはぴんとこない。
    原題の「The Secrets She Keeps」の方がしっくりくる。
    主人公(多分)アガサが嘘つきなのはその通りだが、
    secretsという方が内容にはふさわしい。
    それは、罪を犯したアガサが悪人に描かれていないせいだろう。
    また、途中までアガサの妊娠に疑問を抱かせない、
    ストーリー展開のうまさもある。

    もう一人の秘密を抱えた妊婦メグの方も、
    夫との夫婦関係、
    とくに子供がさらわれてからの心理、
    関係の修復への気持ちの変化は目が離せない。

    全体的には面白かったが、
    心理学者サイラスが登場するものの「探偵」

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    2023年08月24日
  • 罪人のカルマ

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    ウィル・トレント・シリーズ、6作目。

    ウィル・トレントは、ジョージア州捜査局の特別捜査官。
    今回は、彼の出生に関わる重い秘密が明かされる回でもあるのだが。
    ウィルの上司のアマンダと、その同僚だったイヴリンの若き日の話がかなりの比重を占めます。
    女性警官二人の物語というのは珍しいので、こちらがポイントかと。

    ウィルは長身で金髪、穏やかで大人しい性格。頭はいいのだが識字障碍を抱え、それをごまかしながら何とかやってきた。
    施設で育ち、里親を転々とし、どこか影があるので、潜入捜査を得意としていたこともある。
    凶悪な殺人事件が発生したが、なぜかウィルは捜査から外される。
    それは、ウィルの実父が出所し

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    2023年08月21日
  • 貧乏お嬢さま、追憶の館へ

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    貧乏お嬢さまシリーズ、14作目。
    もう、お嬢さまではありませんが。公爵令嬢という出自には変わりない?

    ジョージーは晴れて恋人ダーシーと結婚、元義父(母の元夫)の館に身を落ち着けていたが、ダーシーが留守になり、女主人役を一人でこなすのも気が向かない。
    そんな時、親友のベリンダに誘われ、ベリンダが相続した別荘を見に行くことに。
    そこはコーンウォールの荒涼とした海辺。景色はいいが、漁をするときに泊まる小屋のようなところだった。

    ベリンダの幼なじみが地元で結婚していて、泊まるように誘われます。
    そこは美しい邸宅で、主人も元妻も今妻もベリンダの幼なじみ。
    格式ばった召使いにかしずかれてるんだか、威張

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    2023年07月14日
  • サイレント 下

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    終盤は完全にサスペンス。ミステリー要素は、ほとんど感じられませんでした。登場人物が多く、過去の関係性が重要なのに、やはりまだ前の作品が邦訳されていないのが残念。もうそろそろジェフリーネタはいいかなと、正直思いました。終盤の展開は、まさかこいつが犯人とは。出番少なかったのに。ちょっと追いつきませんでした。今後もレナは登場するのでしょうか?

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    2023年06月25日
  • サイレント 上

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    この巻の舞台はグラント郡。レナなど、お馴染みの登場人物は出るのに、ジェフリーがいないのが、本当に寂しい。そして因縁のウィルとレナが対峙。でもその前に、やっぱりジェフリーがなぜ死んだのか知りたいと、この巻でも思いました。事件の真犯人は誰か。レナや臨時署長のフランクはどうなるのか。見どころ満載の下巻が楽しみ!

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    2023年06月11日
  • レンタル友人、はじめました

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    海外小説を久しぶりに読んだ。
    登場人物のキャラが立っているのと、展開が早いので読めた。
    本格推理、では無い(コージーミステリと呼ぶらしい)ので、気軽に読める。テレビドラマになりそう。

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    2023年04月29日
  • 忘れられた少女 下

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    「これっ!」という感じで事件の解決に向かっているわけではないのですが、いつの間にか、現代の時間軸が38年前の事件の時間軸に絡んでいきます。

    元々の連邦保安局の任務に犯罪捜査は含まれていないという背景を理解していないと、この手の話は理解が進まないかもしれませんね。っていうか、アメリカの警察制度は複雑ですよね。まぁ、それが、アメリカのミステリー作品の深みを加えているという側面もあるんですけどね。

    なかなか面白いと思いました。

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    2023年04月21日
  • 忘れられた少女 上

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    38年前に殺害された少女と、その少女殺害事件を追う新米保安官補を描いた作品。

    これって、この作者の『彼女のかけら』という作品の関連作品らしいです。そちらの作品は未読で、こっちを先に読んでしまいました。

    主人公は、38年前の未解決事件を追っているわけですが、それは表立っての任務ではなく、隠れた任務であるため、なかなか捜査が進まないように思えますが・・・。

    主人公のパートと殺害された少女のパートがあるという形式で描かれています。

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    2023年04月21日
  • 凍てついた痣

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    最後まで分からない犯人とその動機。シリーズも3巻目ですが、登場人物の関係性も明確になってきて、安定感が出てきた気がします。そして最初はあまり好きでなかったジェフリーが、少し好きになってきた気がします。この巻は、序盤からまさかの展開。そして次々に発生する事件と、終始楽しめました。ただ、620ページにも及び、ちょっと長かったかな。悪人イーサンとの関係を断ち切れないレナにイラっとしつつも、今後の展開が楽しみです。

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    2023年04月09日
  • 消えたメイドと空家の死体

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    アメリカの作家エミリー・ブライトウェルの長篇ミステリ作品『消えたメイドと空家の死体(原題:Mrs.Jeffries Dusts for Clues)』を読みました。
    ここのところアメリカの作家の作品が続いています… エミリー・ブライトウェルの作品は一昨年の12月に読んだ『幽霊はお見通し』以来ですね。

    -----story-------------
    家政婦と使用人たちからなる探偵団、メイド探しを依頼される!
    話題沸騰、ヴィクトリア朝痛快ミステリ第2弾。

    人柄の良さに反比例して刑事の才能はない主の警部補のため、こっそり事件を解決してきた屋敷の家政婦ジェフリーズ夫人と使用人たちは、その実績を見こ

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    2023年02月24日
  • 忘れられた少女 下

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    38年前に殺害された少女の事件を連邦保安局の新人保安官補のアンドレアが捜査をする。この事件を捜査することの裏にある目的と、女性が被害に遭う事件の理不尽さが描かれている。事件の奥深くにある人間の欲や裏切り、憎しみが後半にいくほどに増していく。『彼女のかけら』の続編にあたるけれど今作から読んでも大丈夫な内容。シリーズ化になって続いてくれると嬉しい。

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    2023年01月31日
  • 誠実な嘘

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    ネタバレ

    京極夏彦も顔負けの750頁余、ぴったりのブックカバーは無いし、頁を開いて持っている手も辛い厚さ。いや、京極さんはもっと分厚いか。

    序盤はアガサの目的がわからず、単にメグに憧れているのかと思う。そのうち少し印象が変わり、今村夏子の『むらさきのスカートの女』に登場する黄色いカーディガンの女のような存在を想像。そういうことかとわかる頃には不気味さが募り、時折聞こえる闇の声に多重人格者を疑ったりも。

    誰のための秘密か。誰のための嘘か。タイトルが意味するところはイマイチ私にはピンと来ません。読み応えはあるけれど、不穏。

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    2023年01月31日
  • 忘れられた少女 上

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    カリン・スローター『忘れられた少女 上』ハーパーBOOKS。

    『彼女のかけら』の続編。

    上巻を読んだだけでは、まだ何も見えて来ない。38年前と現在とが交互に描かれ、新人保安官補となったアンドレア・オリヴァーが脅迫を受けた判事の身辺警護と38年前の殺人事件の捜査を行うというストーリーである。

    物語は38年前の1982年から始まる。思いがけない妊娠で家族に見放され、高校を追い出された学園一の優等生エミリー・ヴォーン。エミリーはゴミ置場で全裸の他殺体となって見付かる。

    現在。過酷な訓練を受けて連邦保安局の保安官補となったアンドレア・オリヴァーは、最初の任務として、殺害を予告する脅迫状を受け取

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    2023年01月24日