田辺千幸のレビュー一覧
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最近読んだ『天使と嘘』が面白かったので、この著者の他の本も読んでみようと思った。最近、本は内容で選ぶことが多いので、この作家だから読みたいと手に取るのはすごくうれしい。
しかしこの本の分厚さはすごい。通勤のバッグに入れることは無理。家にいるときだけ読むから、きっと読み終えるのに時間がかかるだろうと思ったが、訳が良いのも手伝ってあっという間に読み終わってしまった。
スーパーマーケットで働くアガサと、スポーツキャスターの夫と二人の子どもがいるメガン。知り合いではないのに、アガサはメガンのことにやたら詳しい。これはストーカーなのか、それともメガンに憧れるあまり、彼女の人生を横取りしたいのか。ただ友 -
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今まであまり親近感もなく、好意的にも見れなかったアマンダのことが、すごくいい印象になりました。今作では、現在パートとアマンダの過去パートを行ったり来たりしてストーリーが進行し、特にアマンダの過去パートは、1970年代半ばで、女性への差別意識と黒人差別が色濃くあるる時代。この若かりしアマンダとフェイスの母親のイヴリンの2人の活躍が新鮮で、すごく親しみがわきました。この過去からどのように現代パートにつながるのかに注目でしたが、なるほどそういうことかと、いい読後感を味わうことができました。そして最終盤は、またまた気になる終わり方。次にどうつながるのか楽しみです!
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警部補だけど刑事の才能のない主人にかわり事件を調査し解決に導く使用人たちの物語。
シリーズ2作目との事だが1作目を読んでなくても大丈夫だった。私も読めていないが大きなネタバレは無かった。
行方不明の女を捜す依頼が来た途端に見つかる身元不明の女の腐乱死体。
使用人達が各々の方法で情報をかき集めていく(しかも主人に悟られないよう)のがメイン。
グッジ夫人のコミュ力すごい。
ジェフリーズ夫人が巧みに主人から情報を引き出したり誘導したりするのが面白かった。
主人公のウィザースプーン警部補と使用人の信頼関係が深いのが良い。
続編もいくつかあるみたいなので読んでみようと思う。 -
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貧乏お嬢さまシリーズ、15作目。
「貧乏お嬢さま、追憶の館へ」の次の作品。
「貧乏お嬢さまのクリスマス」の1年後のクリスマスだそうです。
公爵令嬢だが実家が破産し、お金に困っていたジョージー。
晴れてダーシーと結婚し、相変わらず互いにあまりお金はないものの、元義父(母の再婚相手だが離婚した)の好意で、留守になっていた大きなお屋敷アインスレーに住んでいます。
地元ではいわば領主みたいな存在なので、村人と交流したり、クリスマスには子供たちにプレゼントを配ったり、それなりに役割があるのでした。
クリスマスをどうするか、お客を呼ぼうと考えて、理想のクリスマスを思い描くのですが‥
ダーシーの伯母から -
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ネタバレ「天使と嘘」と同じ作者だったので。
「誠実な嘘」というタイトルはぴんとこない。
原題の「The Secrets She Keeps」の方がしっくりくる。
主人公(多分)アガサが嘘つきなのはその通りだが、
secretsという方が内容にはふさわしい。
それは、罪を犯したアガサが悪人に描かれていないせいだろう。
また、途中までアガサの妊娠に疑問を抱かせない、
ストーリー展開のうまさもある。
もう一人の秘密を抱えた妊婦メグの方も、
夫との夫婦関係、
とくに子供がさらわれてからの心理、
関係の修復への気持ちの変化は目が離せない。
全体的には面白かったが、
心理学者サイラスが登場するものの「探偵」 -
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ウィル・トレント・シリーズ、6作目。
ウィル・トレントは、ジョージア州捜査局の特別捜査官。
今回は、彼の出生に関わる重い秘密が明かされる回でもあるのだが。
ウィルの上司のアマンダと、その同僚だったイヴリンの若き日の話がかなりの比重を占めます。
女性警官二人の物語というのは珍しいので、こちらがポイントかと。
ウィルは長身で金髪、穏やかで大人しい性格。頭はいいのだが識字障碍を抱え、それをごまかしながら何とかやってきた。
施設で育ち、里親を転々とし、どこか影があるので、潜入捜査を得意としていたこともある。
凶悪な殺人事件が発生したが、なぜかウィルは捜査から外される。
それは、ウィルの実父が出所し -
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貧乏お嬢さまシリーズ、14作目。
もう、お嬢さまではありませんが。公爵令嬢という出自には変わりない?
ジョージーは晴れて恋人ダーシーと結婚、元義父(母の元夫)の館に身を落ち着けていたが、ダーシーが留守になり、女主人役を一人でこなすのも気が向かない。
そんな時、親友のベリンダに誘われ、ベリンダが相続した別荘を見に行くことに。
そこはコーンウォールの荒涼とした海辺。景色はいいが、漁をするときに泊まる小屋のようなところだった。
ベリンダの幼なじみが地元で結婚していて、泊まるように誘われます。
そこは美しい邸宅で、主人も元妻も今妻もベリンダの幼なじみ。
格式ばった召使いにかしずかれてるんだか、威張 -
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アメリカの作家エミリー・ブライトウェルの長篇ミステリ作品『消えたメイドと空家の死体(原題:Mrs.Jeffries Dusts for Clues)』を読みました。
ここのところアメリカの作家の作品が続いています… エミリー・ブライトウェルの作品は一昨年の12月に読んだ『幽霊はお見通し』以来ですね。
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家政婦と使用人たちからなる探偵団、メイド探しを依頼される!
話題沸騰、ヴィクトリア朝痛快ミステリ第2弾。
人柄の良さに反比例して刑事の才能はない主の警部補のため、こっそり事件を解決してきた屋敷の家政婦ジェフリーズ夫人と使用人たちは、その実績を見こ -
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カリン・スローター『忘れられた少女 上』ハーパーBOOKS。
『彼女のかけら』の続編。
上巻を読んだだけでは、まだ何も見えて来ない。38年前と現在とが交互に描かれ、新人保安官補となったアンドレア・オリヴァーが脅迫を受けた判事の身辺警護と38年前の殺人事件の捜査を行うというストーリーである。
物語は38年前の1982年から始まる。思いがけない妊娠で家族に見放され、高校を追い出された学園一の優等生エミリー・ヴォーン。エミリーはゴミ置場で全裸の他殺体となって見付かる。
現在。過酷な訓練を受けて連邦保安局の保安官補となったアンドレア・オリヴァーは、最初の任務として、殺害を予告する脅迫状を受け取