田辺千幸のレビュー一覧
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ウィル・トレントシリーズ8作目
クラブ建設中の敷地内で、元警官の死体が発見される。現場には大量の血が流れていた。調べると血は死んでいた警官のものではなく、主人公ウィルの妻アンジーのものだとわかり…
ウィルのシリーズと名乗っておきながら最初の数作以降は、ウィルは傍に居て
事件を捜査するのがメインで、女達の苦悩や闘いに重点が置かれる。(ウィルも壮絶な過去を抱えているけれど)
鋼鉄の鬼上司アマンダ、タフ・ママのフェイス、などの強い女性達がウジャウジャと出てきたのですが、毎回出番は少ないものの圧倒的な存在感を放っていたアンジーに関する回です。
売春の潜入捜査を行う警察官であり、誰とでも寝る女、 -
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ネタバレこのシリーズで一番面白かった。そろそろ読むのやめようかと思ってたけど、本書がすごかったし、最後のアンジーにゾクっとしたので、次も買わないと。
アンジー好きだわ。悪い女。
1970年代の2人の女性刑事の友情と活躍が最高に楽しかった。だからこそ、現代のあっけないラストに肩透かしだったけれど、その後のアンジー。凄いよアンジー。
キティがウィルがまともに育ったとか言っていたのが皮肉でいい。特に前作で本物の母親に育てられなかったことスネ倒した奴が犯人だったから、本当の親とは離れたことで今のウィルになったことのアンビバレント。
そして、ウィルを見守ってきた上司、ケアマネージャー、女性判事たち、みんな -
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大好きな「貧乏お嬢さま」シリーズ、12作目。
駆け落ちの後、一冊入って、さあいよいよ結婚?!
愛するダーシーとの結婚まで一か月、準備にかかっているジョージー。
しかし二人とも貧乏貴族で定収もないため、新居探しにも一苦労。
そこへ、降ってわいたようないいお話が!
ジョージーの母親の何番目かの結婚相手サー・ヒューバートが探検家で、ほとんど留守にしている屋敷アインスレーに住むよう言ってくれたのだ。
子供の頃(短い間だが)一緒に暮らしたジョージーを可愛がってくれて他に子供もいないため、実はもともと相続人となっていた間柄。
これですべて解決と懐かしい屋敷に出向いたら、そこは…?
執事はじめ雇人たち -
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「彼女達が闘った時代」と
「主人公の生い立ち」の話
ウィル・トレントシリーズ6作目
現在で起こった女性の失踪事件と
過去1975年に起きた失踪事件の二つの時間軸で進む。
現在では、捜査に加われず鬼上司アマンダの圧力、謎の行動に戸惑うウィル
そして過去では、警察官として下っ端で気弱なアマンダ(おっ!)と現在のウィルの相棒フェイスの母親イヴリン(破天荒)がバディを組んで捜査にあたる。
警察内での人種差別、性差別が強く、行く先々で「女は引っ込んでろ」と罵られる。またアマンダの父は同じく警察官であり娘の行動を束縛、仕事でも人種差別的な言動で恨みを買う人物が多く、娘というだけで二重に苦しむことにな -
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カリン・スローター作品で一番感情移入できた作品である。むしろそういうことをこの作家には期待してはいなかっただけに、これは驚きだ。面白さのための人間構築、常にストーリーのための対人葛藤の迷路を構築する建築学的な作家、とぼくは見ていたのだが、もしやそれは視野の狭い思い込みであったか。
とは言うものの、導入部はいつもの通りである。この作家の個性とさえ言えるほどの、うんざりするほどの血とバイオレンス。だからこそ、まさか暴力に巻き込まれた家族の、その後の絆づくりという心の風向きに、この物語が手向けられてゆくとは予想をしてはいなかったのだ。
弁護士一家を襲った過去の凄惨な事件により、心身ともに後 -
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カリン・スローター作品で一番感情移入できた作品である。むしろそういうことをこの作家には期待してはいなかっただけに、これは驚きだ。面白さのための人間構築、常にストーリーのための対人葛藤の迷路を構築する建築学的な作家、とぼくは見ていたのだが、もしやそれは視野の狭い思い込みであったか。
とは言うものの、導入部はいつもの通りである。この作家の個性とさえ言えるほどの、うんざりするほどの血とバイオレンス。だからこそ、まさか暴力に巻き込まれた家族の、その後の絆づくりという心の風向きに、この物語が手向けられてゆくとは予想をしてはいなかったのだ。
弁護士一家を襲った過去の凄惨な事件により、心身ともに後 -
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ジョージーを乗せて北へと車を走らせるダーシー。行き先はスコットランドのグレトナグリーン!が、幸せを目前に飛び込んだ、ダーシーの父の逮捕のニュース。ダーシーは急遽アイルランドへ。ダーシーに説得されたジョージーは兄の元へ帰るが、ダーシーからの別れの電話を受けアイルランドへ。ダーシーの友人(?)ポーランドから亡命してきた王女、ゾゾに嫉妬しつつも、強力な味方として3人での捜査が始まる。何度も追い払われても食らい付くジョージーのダーシーへ想い、やっぱり良いよね!今回は2人の推理が…というより、警察があまりにも杜撰だったな、という感じ。
いつもフィグの尻に敷かれっぱなしだったビンキーがやっとジョージーに味 -
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最初に言いたいのがこれシリーズ物だったのかーーと言う事。
知らずにこの本から読んでしまった…が、
それを抜きにしても凄い面白かった!!
むしろちゃんと最初から絶対読みたいと思わせられる。
シリーズ物と知らずこの本から読んでも全然大丈夫。
中盤からの引き込み度具合が凄い。
物事には常に裏と表がある。あいつは悪い奴だから悪だ!と思っても、悪だと思ってる側の視点からしてみればそこには深い理由があったりする。
善サイドと思わせられた視点から読み進め、中盤になって視点が代わり悪サイドから物事を見れば悪だと思っていた人の事もなんだか憎めなくなる…
ミステリーの展開も勿論だけど、人間関係の面でもとても面白か -
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バスケットのスター選手マーカス・リッピーが起こしたレイプ事件を担当する捜査官ウィル・トレント。金と弁護士の力で立件できなかった。その選手が経営するクラブで遺体が発見された。元警官のデール・ハーディングだった。現場に大量の血液が流れており、ウィルの別居中の妻アンジーのものだと考えられた・・・
うーむ。重たいのにスピーディーな展開。ある巧妙な策略が終盤に明らかになるのだけれど、これ込みでシリーズナンバー1。
後半はアンジーがいったい何をしていたのかが時間を巻き戻して明らかになる。前半も面白いけれど、後半はさらに面白くなる。そういう意味では迷惑な女アンジーの物語だと言える。
しかし、アンジーで -
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貧乏お嬢さまのシリーズも10作目。
佳境です!
ジョージーは公爵令嬢だが、一文無し。
1930年代当時では、身分が高すぎて仕事に就くのも難しく、やり繰りに苦労していました。
恋人のダーシーもなかなかはっきりしなかったのですが、ついに…?
前作の終わり、ダーシーの車に乗ったジョージー。
目指すは駆け落ち結婚!
ところが吹雪の中、立ち寄った町で思わぬ事件を知ることに。
ダーシーの父親が殺人容疑で逮捕された?!
ダーシーの父親キレニー卿は、アイルランド貴族。
先祖から伝わる城をアメリカの富豪に売り渡し、自分はそこの厩舎の調教師という役割に甘んじていました。ところが、富豪が殺されてしまったのです -
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さて自分としては珍しく順不同で最新作だけ齧っている捜査官ウィル・トレント・シリーズ。『ブラック&ホワイト』に継ぐシリーズ第8作は、ウィルの行方不明の妻であり過酷な過去をウィルが共有してきたらしいアンジーの事件。
男性捜査官ウィルのシリーズとは言え、実際は彼を取り巻く個性派女性たちが持ち回り主役となるこのシリーズ。女性らしい感性と容赦のなさで惨憺たる殺人現場を軸に捜査と葛藤と闘いが始まる。心理戦と、暗躍する女たちと、ウィルを獲り合うサラとアンジーというデリケートな恋愛模様にも深みというだけではない捻じれのようなものを感じさせるこの作者独特の世界観を感じる。
事件現場はプロバスケットの花 -
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シリーズ8作目。母のお供でアメリカに向かう豪華客船に乗ったジョージー。居合わせた映画監督に誘われ、母が女優復帰する事に。その船内で豪華な宝石が盗まれる事件が発生。しかも、密命を帯びたダーシーも乗船していた。犯人が見つからないまま一行はハリウッドへ。映画監督の城に滞在するが、高価な燭台が盗まれ、映画監督が殺害される。犯人は泥棒か?夫人か?愛人の女優か?ついに暴挙に出たクイーニーを再び引き受けるジョージーはホントに優しい。探偵振りも益々板に付いてきた。
ラストはハラハラの展開。でも、ダーシーがロサンゼルスに行った必要って…今回はチャップリンが登場!チャッカリ付いてきたベリンダのその後が気になる!ジ -
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シリーズ7冊目。現公爵に世継ぎがいない為、オーストラリアから公爵の甥ジャックを迎えた公爵未亡人。牧羊場育ちの彼を教育すべく派遣されたジョージー。ジャックを探し出し連れてきたダーシーと共に滞在する事に。しかし直後、公爵が何者かに殺害され新たな公爵となったジャックに容疑がかかるが、彼ではないと確信するジョージーは、公爵家の一員、殺された公爵の取り巻き、解雇された従僕など多くの容疑者の中から犯人を探し出す。クイーニーやベリンダは登場するものの、いつもよりドタバタ度は低めだったかな。
プロポーズ後、大きな進展はないものの、アツアツなジョージーとダーシー。ちょこちょこダーシーが将来の事を語るのが良かった