Posted by ブクログ
2021年01月20日
「彼女達が闘った時代」と
「主人公の生い立ち」の話
ウィル・トレントシリーズ6作目
現在で起こった女性の失踪事件と
過去1975年に起きた失踪事件の二つの時間軸で進む。
現在では、捜査に加われず鬼上司アマンダの圧力、謎の行動に戸惑うウィル
そして過去では、警察官として下っ端で気弱なアマンダ(おっ...続きを読む!)と現在のウィルの相棒フェイスの母親イヴリン(破天荒)がバディを組んで捜査にあたる。
警察内での人種差別、性差別が強く、行く先々で「女は引っ込んでろ」と罵られる。またアマンダの父は同じく警察官であり娘の行動を束縛、仕事でも人種差別的な言動で恨みを買う人物が多く、娘というだけで二重に苦しむことになる。
読んでて戸惑った。なぜこんなすぐに泣き出しそうな女性が、冷酷な鋼鉄の捜査官になるのか…想像がつかないからである。
どんな圧力にも屈しない、いや屈するけれども「自分達以外の誰が救えるのか?」という想いに従い進んでいく。
そして両方の事件に絡む「ウィルの父」の影、主人公の生い立ちがようやく明かされる。
まさかそういう過去があったとは…過去と現在を対比して読むと重みが増す場面が多く、楽しめました。
(アマンダ達とは別の)女達の戦いも、始まったばかりなのかも…
終わり方、ゾクッと来ました。