あらすじ
いくつもの障害を乗り越え、ついにダーシーと結婚したジョージー。ところが、幸せいっぱいの彼女に夫が告げた新婚旅行の行き先は、植民地のケニア! これまで数々の冒険を乗り越えてきたジョージーも、そこかしこに潜む野生動物には震え上がった。でも動物よりも本当に危険だったのはそこで暮らす英国貴族たち。享楽的な暮らしを好み、だれかれかまわず愛人関係にあるようで、激しい愛憎が渦巻いていた。現地を牛耳るチェリトン卿は、新婚旅行で来ているジョージーにも見境なく迫ってくる始末。ジョージーたちはそんな彼らのパーティーから抜け出そうと屋敷をあとにすると、ジャングルのなかで死体となって倒れているチェリトン卿を発見。野生動物に襲われたのか。それとも……!?
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Posted by ブクログ
英国貴族のお嬢様が探偵役のシリーズ、13作目。
1930年代の様子も描かれます。
ジョージーは王家の血を引く公爵令嬢だが、実家は貧乏で、当時は身分ある女性が仕事を見つけるのも難しい時代。
気さくで親切で果敢なジョージーは、いくつもの危機や冒険を潜り抜けてきました。
中には、当時の王妃の依頼による極秘活動も。
恋人のダーシーと遂に結婚。
ダーシーが用意した新婚旅行は、植民地のケニヤ。
すごい山の中でしたが、イギリス人たちは独特なコミュニティを作り、享楽的な暮らしを謳歌していたのです。
訪問先で、当然ながら事件が…!
ドジっぽかったジョージーがだいぶ落ち着き、探偵役の経験も積んだことで、コミカルな要素が減ったかも。
それに、ダーシーとの恋のはらはらも?
旅行先の様子は、なかなかリアルです。
そうそう、リース・ボウエンならこういう描写も出来ますね、他の作品のこと考えたら。
折しも、王子(もうすぐ国王になる)とシンプソン夫人の不倫の恋が大問題になりかけていた時代。
日本では「王冠を賭けた恋」と呼ばれてそんなに悪い印象ではなかったけど、よその国のことだからかもねえ。
イギリス人はシンプソン夫人のこと、好きじゃないみたい(笑)
それに、アガサ・クリスティの名作が書かれている時期でもあるので、社交界の人々の服装や旅好きな英国人の様子など、あんな感じかな~と思い浮かべるのも楽しいです☆
Posted by ブクログ
いろいろ苦労した結婚式も終わり
ふたりは新婚旅行へ!
ダーシーは植民地ケニヤを考えているらしい。
それを耳にした王妃はまたジョージーに
現地にいる皇太子の監視を依頼してきた。
そして、ダーシーも実はまた何か
任務を抱えて現地入りしたことがわかり…。
1935年当時、まだこんなに苦労して
飛行機旅行していたのが不思議だけど
クリスティーの小説でもそうだもんなぁ。
今回は、ほぼ普通に新婚旅行記。
一応「いけやかないやつ被害者」だが
いつもほど熱心に犯人探しはしない。
さすがに新婚旅行だから
ダーシーもずっと一緒にいるしね。
お幸せってことで。