あらすじ
ウィザースプーン警部補は医師の死体を前に困りはてていた。名刑事として認められつつある彼だが、無類の好人物ではあるものの、実は捜査の才能は皆無なのだ。警部補の立てた手柄はすべて、屋敷を取り仕切る家政婦ジェフリーズ夫人が先に真相を解明したうえで行う、さりげない誘導のたまものだった。今回の開業医殺害事件でも、苦戦する主を見かねた真の名探偵ジェフリーズ夫人と、屋敷で働く使用人一同からなる探偵団が、解決目指して警部補には内緒で動きだす。ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした、明るく楽しいミステリ・シリーズ第1弾。
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Posted by ブクログ
主人に内緒で事件解決のために奮闘する使用人達が微笑ましくて面白い
実際に事件を捜査しているのはJ夫人率いる使用人探偵団なのだが、それも使用人たち皆が主人であるウィザースプーン警部補を慕い、役に立ちたいと考えた結果なので、やはりウィザースプーン警部補も名探偵だと言えるだろう
Posted by ブクログ
少々トロいウイザースプーン警部補の捜査を影でサポートする使用人たちのキャラが立っていてとても面白い。コミカルで脳天気お気楽なミステリは楽しい。
登場する各家のメイドたちが個性的でキュートだ。
ウィザースプーン家の使用人探偵団の一人であるハウスメイドのベッツィはエネルギッシュで気性が荒く話す言葉はコックニーだし、今回の事件で登場するレスリー夫人のメイドであるナネット・ラニアーは小柄で金髪のフランス人、しかも警部補をたじろがせるほどの短気。
ナネットいいな~。今後も登場して欲しいなぁ。
Posted by ブクログ
ネットで見かけて。
タイトルから言って、
家政婦が主人の謎解きを助ける話だろうことは予想がついていたが、
影ながらこっそりと助けるのかと思いきや、
かなりがっつりと、しかも雇い人皆がチームで助けているとは思わなかった。
そして、まったく気づかずに助けられている、ウィザースプーン警部補が何かを彷彿とさせると思ったら、
司馬遼太郎が「項羽と劉邦」で描く劉邦だった。
劉邦は戦闘能力が高いわけでも、美丈夫なわけでもなく、知略に富んでいるわけでもないが、
懐が深くて、周りがほっておけない、助けたくなる人物として描かれていた。
それと、雇い人が一致団結して助けたくなる警部補は似ている気がする。
それにしても、
家政婦ジェフリー夫人を始め、ほほえましい捜査陣の活動が気になって、
謎解きは二の次になってしまう。
それと警部補(その実、ジェフリー夫人)が解決済みのケンジントン・ハイストリートの恐ろしい殺人事件も気になってしょうがない。
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読んで良かった。人死んでるけど、ほのぼのミステリは、やっぱり楽しい。ちょっと「名探偵コナン」を読もうか検討してみる。続きも借りたので楽しみにする。
Posted by ブクログ
コージー・ミステリのシリーズ1作目。
ヴィクトリア朝の英国ロンドンが舞台です。
ウィザースプーン警部補は有能な捜査官という評判を取っているが、じつは推理の才能がまるでない。
おばから屋敷と共に相続した召使達に囲まれていて、じつはその召使達が大事なご主人様のために捜査を展開していたのだ!
リーダーは家政婦のジェフリーズ夫人。
もとは警察官の未亡人でいろいろ経験があるのが強みで、人が打ち明け話をしたくなるような、優しげな女性。
気取らないご主人様とお茶を飲みながら、さりげなく話を聞きだし、推理を誘導するのが楽しい。
お屋敷で育ったわけではない警部補は、必要のない馬車を売り払い召使を解雇してもおかしくなかったが、とりわけ人のいい彼はそんなことはしたくなかったのだ。
医者が遺体となって発見された事件は最初まちがって毒キノコを食べたのかと思われたが‥?
頭が切れる御者、不器用な従僕、機転の利く女中、台所を出ないのにやたら情報通な料理女といった組み合わせが活躍。
わかりやすく、ユーモラスで面白かったです。
楽しみなシリーズができました☆
Posted by ブクログ
シリーズ第一作。
善人だけど才能無しな警部補の為に、彼の使用人達が事件の情報を集めて手助けするお話。
一作目からもう既に事件解決の実績ありだったのね。ジェフリーズ夫人の才能がすごい。
警部補のダメさが凄いけど、使用人への態度や夫人との会話で分かる支えられるリーダー感。
でも階級故の発言には引く…笑。
一発目が犯人の自決エンドとは思わなかった。
被害者のクソっぷりが凄くて変に同情心を持たずに読めたのは楽かも。
クルックシャンク夫人が煙たがられてるのほんと笑う。
Posted by ブクログ
ウィザースプーン警部補は医師の死体を前にただ困っていた。どこから捜査に手をつけるべきか。
家政婦のジェフリーズ夫人と話すといつだっていいく考えが浮かぶのに。
彼女は何と言っていた?
人の良い紳士な警部補と警部補のお屋敷の面々。
警部補に恩義を感じ、その人柄をしたう彼らは、お屋敷の主人のためにこっそりと事件の捜査を始める。
被害者の医師の近所の評判は?
彼が使用人に休暇を与えた理由とは?
ブレーンのジェフリーズ夫人の指揮の元、彼らは動き始めて。
何度もこの警部補大丈夫?と思い、ジェフリーズ夫人の強かさが怖いくらい。
ハングマンも真っ青ですよ。
ラストの警部補に、ようやく彼を想う使用人達の気持ちがわかるような気がした。
Posted by ブクログ
今まで読んだ中では、わりと清潔感のあるヴィクトリア朝が舞台のお話(笑・同じヴィクトリア朝ものでも結構リアルに不潔感漂う描写が書かれてるのを読んでたので。
使用人探偵団のわちゃわちゃ具合とウィザースプーン警部補のいいご主人加減がなんともいえずかわいらしい。
謎解きよりもそっち主軸かなぁ。
Posted by ブクログ
英国ヴィクトリア朝、スコットランドヤードの敏腕警部さんは、実はただのお人好しで捜査能力ゼロ。
彼のお屋敷に仕えるハウスキーパーをはじめとする使用人達がこっそり捜査をして、さりげなく旦那様を正しい方向に誘導して事件解決へ導いている…というかわいいコージーミステリ。
思ったほどヴィクトリア朝っぽくない、上下関係ゆるめで現代的なファミリーっぽい使用人だし、和気あいあいと捜査をしてるので、私の期待した「クールで統率の取れた忠義の使用人軍団」ではないほのぼの系でしたが、
『親切なご主人様が大好きで恩返ししたいし、なにより退屈な仕事よりワクワクするし!』という理由で一致団結する使用人たちが素直でよいです。
Posted by ブクログ
ヴィクトリア朝コージーミステリ。まぁコージーなので当たり前と言われればそれまでですが、思ってた以上にライトで、もうちょっとガッチリ組み上げられた構成を期待されてるとちょいと残念な部分もあり。
使用人それぞれに得意分野を生かしながら探偵活動をしてたりと各登場キャラがそれぞれに好感度が高いので、そういうノリを気軽に楽しみながら読む感じですかねー。