あらすじ
三月のテムズ川に浮かんだ射殺死体は、アメリカ人の採掘会社経営者のものだった。彼の鉱山開発計画に詐欺疑惑が生まれた矢先の死である。またもや望まぬ事件を押しつけられた風邪ひきのウィザースプーン警部補は、動機を持つ会社の大株主を中心に捜査を進める。もちろん、その裏では家政婦のジェフリーズ夫人たち探偵団一同も、こっそり行動を始めていた。今回の目的はふたつ。殺人事件の解決と、ささいな投資の失敗におびえた警部補が導入した、極端な“家計費節約計画”の撤回である! 謎解き成分大幅増で贈る、使用人探偵団シリーズ第4弾。
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Posted by ブクログ
シリーズ4作目。 今回は冒険譚よりも謎解きで、警部は前回よりマトモにがんばってた!使用人チームの結束がより深くなって、お互いのことを心から心配しあったり、でも捜査のお役目でライバル心を燃やしたり、お互い今まで語らなかった過去に触れたりと、疑似家族のチームワークと絆が面白くなってきました。
Posted by ブクログ
家政婦は名探偵シリーズ第四弾。
ちょっと投資の一部がうまくいっていないからと、
節約計画をもちかけたウィザースプーン警部補。
使用人たちは文句たらたらながら、
コロラド(!)の銀鉱山への投資を取り仕切っていた男の
殺人事件の捜査には協力する。
相変わらず、アメリカ人のルティ未亡人と執事も参加している。
そういえば、アガサ・クリスティーの話にも、
昔は株の配当が良かったのに、というような話があったような。
株に投資するってイギリスのある程度以上の階級では、
当たり前だっただろうな。
それに、いわゆるお屋敷では、お客をお迎えするのは、
きちんとした制服を着たハウスメイドか執事の役目とか。
前作では使用人にも高級使用人(家政婦、料理人、執事)と
そうでない使用人があると判って、イギリス社会が垣間見えて、面白い。
今回の作品では、かなり最後の方まで犯人がわからずやきもきさせられたが、
無事解決。
節約計画も無事中断となって、良かった、良かった。
この作品で日本語訳が終わっているのが、とても残念。
Posted by ブクログ
「家政婦は名探偵」のシリーズも4作目。
19世紀ヴィクトリア朝のロンドンが舞台です。
テムズ川に男性の遺体が上がる。
アメリカ人の投資家で、詐欺の疑いがあったが‥?
どの紳士の家にも、裏事情を知る召使がいる時代。
怪しげな登場人物が勢揃いして、事件の構成が前よりはっきりしてきたような印象があります。
人のいいウィザースプーン警部補は、苦手な難事件を押しつけられて、いつもながら困惑。
何度もりっぱに事件を解決しているはずの警部補ですが、苦手意識は消えないまま‥
それもそのはず、じつは捜査に活躍しているのはご主人様を大事に思う使用人たち。
家政婦のジェフリーズ夫人の穏やかな指示のもと、もはやチームワークもお手の物。
御者で頭のいいスミスや、綺麗なメイドのベッツィ達がつてを辿っての捜査に取り組み、それぞれの過去もちらっとほのめかされます。
ちょっと間抜けな従僕のウィギンズもかわいがっている犬のフレッドと捜査に。
ジェフリーズ夫人がご主人様に悟られないよう、うまく解決に導いていくのが楽しいですね。
今回は警部補が家計費倹約令を出したため、その問題をどうするかも。
料理人のグッジ夫人が倹約するために工夫したという~マズイ料理を次々に出してみせるのが笑えます☆