久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻はかなり惹き込まれて読んだのですが、下巻は上巻でちりばめられたいろんな要素の畳み方がちょっと雑に感じられてしまい、残念。
まずはJAMA。様々な知謀を巡らせて国内医療の覇権を握ったと思ったら、代表の新見はおかしくなっちゃうし、その後不自然なほどバタバタと人が死んでいくし…
そして阻止連。結局無能な集団のまま消滅。唯一まともだった東氏は新見の手でアッサリと離脱。古林康代もサックリ死亡。
これだけ関係者が不審死してたらだれがどう見ても超怪しんで、わずかでも関係している人たちに捜査の目を向ける思うんだけど。
で、話の黒幕「センセイ」の正体のガッカリ感といったら…正直、何の驚きも無かったし、この程度のヤツが黒幕かーという残念感しかありませんでした。
もっとも最後、各組織がグダグダになるところや、不審死が相次ぐことの影響とかまで考えが至らないのは、「センセイ」があの程度の人だからかなー、と変なところで納得。
ヘビーで関心が強かった題材なだけに、良い出来であってほしいという期待感が大きすぎたのかもしれません。(同著者の「無痛」が個人的にヒットだったのも、その期待感に繋がってたと思います。) -
Posted by ブクログ
大好きな現役医師作家である久坂部羊の作品。
文庫化を機に上下巻を読んでみた。
「神の手」とは、延命治療でひどい状態になりながらもなんとか生きながらえている患者に対して、医師が安楽死させる行為のこと。
安楽死の是非を巡って、肯定派と否定派を巡る話。
著者が現役医師なだけに、相変わらず医療業界の裏事情や延命治療を受けている患者のひどい状態の描写が生々しく描かれており、自分もどちらが良いのかを考えさせられた。
物語の最後では、安楽死法というのが制定され、安楽死専用薬というのが開発される。近い未来でこのような時代が来るのだろうか。
この本を読んで、自分の知らないところではいろいろな問題があることを思い知らされた。
一般人の自分たちにとって、こういう問題は実際に直面しないと考える機会はないので、本というのは自分の知らない世界を手軽に知ることができる手段のひとつとして素晴らしいなぁと改めて実感。 -
Posted by ブクログ
すごくビックリした事があったんですが・・・・
ネタバレだろうと思うのですが、内容紹介に出ちゃってるので書きます。
ジャーナリスト松野さん死んじゃうの?( ̄□ ̄;)
主役級の人物死す・・・・
とりあえずそこが一番衝撃でした。
高齢化社会への問題提起と「プロジェクト天寿」計画。
テーマはとっても良いと思ったんですが、結局どうなの?って感じで終わってしまったのが残念でした。
これだけ問題提起したのだから、最後何らかの結論が欲しかったです~。
医療ミス、報道、高齢化問題、安楽死問題など興味深いテーマが山盛りなのですが、山盛りすぎたのでしょうか。。。
ラストがあっけないと言うか何と言うか。
あと、主役は誰なのか?ってのがいまいち分からないので、読む視点が定まらない感じがしました。
主役は松野じゃなかったのか?(←まだ言ってる。)
あんまりな感想になってますが、途中まではかなり面白く読みました!色々考えさせられる内容となってます。 -
Posted by ブクログ
久坂部羊さんは、「廃用身」「無痛」と読みましたが、どちらも面白かったです。
特に「廃用身」は衝撃的でした。
今回も「廃用身」のテーマに通じるものがあります。
高齢化社会において、医療の発達によって「生かされている」老人達は果たして幸せなのか?チューブに繋がれてただ延命するのみならば、ポックリ死出来た方が本人にとっても家族にとってもいいのではないか?
そう考える厚労省の佐久間のストーリーと、父は医療ミスによって死んだと訴える枝利子のストーリー、で展開していきます。
佐久間が取り入れようとしている治療法について、そんなのダメでしょと思いつつ、でもそれって実はいいのかもしれないと段々佐久間の説得に洗脳されていく自分が居ます。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安楽死の是非というのは古今東西、恐らく半永久的に答えはでないと思っています。徐々に加速する、賛成派VS反対派。そこに当事者たる患者やその家族はいません。論争を大きく起こすきっかけとなった医師と患者との最後の場面。人の生死はとても厳かです。共に安楽死に賛成した、というより積極的に医師へ依頼すらしていた付き添いの家族が、時間とともに大切な人を死なせた(安楽死)憎い医師、と感情が大きく揺れ動き、医師を追いつめる姿は、理解し難いものであった。しかし、大切な人を積極的に死なせた、という罪悪感は時が経つ程、徐々に自分を責め立てていくものなのかもしれない。
生死を論争の道具にしか思わない、鬼と化した人々が登場し、ショッキングな内容だった。過去から現在に至る実際の論争を凝縮したら、この物語と合致するのかもしれない。