柳田国男のレビュー一覧
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日本民俗学の父と呼ばれる柳田國男先生。
岩手県遠野の民間伝承を採集して
まとめられた「遠野物語」。
日本の原風景を牧歌的に語るのではなく、
昔話のように教訓を含んだもの、
風習や伝説とともに、とりとめのない
世間話のようなものも含まれているのも
口承たるリアルさで面白い。
目に見えない世界が信じられ
怪異が不思議としてではなく、
人々の生活と地続きだった古き時代。
自然への畏敬の念、人々の暮らし。
時に閉塞感があり、時に温かみをもって
周囲と繋がり、年中行事で四季を感じ、
目に見えないものを想う心の豊かさ。
現代に語り継がれた物語などの原点も
たくさん含まれていて感慨深く面白かった。 -
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これまで読んだ柳田國男の本の中でもトップクラスの面白さだった。
「昔話」をめぐって、有名なさまざまなストーリーの交錯や混交を指摘してゆく過程がスリリング。最初の「桃太郎の誕生」あたりでは、意外にもグリム童話などの海外の「昔話」との比較民俗学的、人類学的な考察へと接近する。柳田が海外の民俗学についても知識をもっていたことを窺わせるが、やはり柳田のやりたかったのはあくまで日本国内の民俗学であった。
そして、どうやら昔話の内容的起源を神話に求めているようだ。庶民の民俗文化に宗教的傾向が流入してくるのは極めて自然なことであろう。
たくさんの典型的昔話とそのバリエーションを並べて比較していくスタイルは、 -
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ネタバレ「遠野物語」
"願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ"
冒頭文がすばらしいの一言。
「共同幻想論」の後に読んだので、
共同体の抑圧の強さが民話の中から窺える。
たぶん、
小規模だからこそ共同体の幻想が強固にあったのだろうし、
国家が「父的」になればなるほど、
ムラ社会が解体されていったのは必然の帰結なのだろうな。
今はまた、
新たな共同幻想を構築する時期なのかもしれん。
「山の人生」
「遠野物語」のような文語体のほうが、
郷愁の念というか今は昔感というか、
味わい深くて好き。
解説に書いてあるように、
「遠野物語」は学問的というよりも、 -
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遠野物語:1910年(明治43年)。
日本民俗学の開拓者・柳田国男の代表作。陸中遠野郷(岩手県の遠野盆地近辺)に口承で伝わる民話を柳田が編纂したもので、本邦民俗学の発展に多大な貢献をしたとされる名著である。民間伝承を、その原型を尊重し余計な装飾を排して聞いたままに記したとされるが、簡素ながらも気品のある美しい文語体で綴られており、日本民俗学の記念碑としてのみならず、その文学性も高く評価されている。
土の匂いのする物語だ、と思った。混沌が、混沌のまま残されている。のどかな民話集かと思って読むと、結構な衝撃を受けるだろう。座敷童、天狗、マヨイガなどノスタルジックな怪異譚も多いが、神隠しの話などは -
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柳田國男の研究、論文については後続の学者達に批判されることが多いが、(多くの人が評価しているように)柳田國男がその分野(民俗学であったり山人であったり)にスポットライトをあて研究対象と初めてしたことから「ああでもない」「こうでもない」と議論されるようになったと感じるので批判=間違ったこと言ってた人、と思われないでほしいなと思う。最初は何事も「仮説」から始めると思う。
山にまつわるカテゴリとして、山に迷い込んで住んだもとは平地で暮らしていた人のこと、山で生計を立てていた人、同じ人間だけど別世界として暮らしており「神隠し」する人、神様あるいはそれと同等のもの(妖怪、鬼含む)と並べて総合的にまとめて -
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想像を膨らます
日本民俗学の古典的名著「遠野物語」のコミカライズである。原作の素朴でファンタジックな内容を、やはり素朴でやや稚拙な絵柄でよく表現している。原作の文章表現もいいが、この作品のように絵になったものも想像を膨らますのにとても良い。
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