柳田国男のレビュー一覧

  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺

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    簡潔でありながら、臨場感あふれる名文。遠野の世界にすぐに入り込める。
    後半、現代文になると読みやすくなるが、前半の古い文体も非常に魅力的で、どっちも読めるのはありがたいなと思う。
    でもほんと怖いな…夜一人で読んでたりすると、電気を無駄につけたくなる^^;

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    2014年03月30日
  • 桃太郎の誕生

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    これまで読んだ柳田國男の本の中でもトップクラスの面白さだった。
    「昔話」をめぐって、有名なさまざまなストーリーの交錯や混交を指摘してゆく過程がスリリング。最初の「桃太郎の誕生」あたりでは、意外にもグリム童話などの海外の「昔話」との比較民俗学的、人類学的な考察へと接近する。柳田が海外の民俗学についても知識をもっていたことを窺わせるが、やはり柳田のやりたかったのはあくまで日本国内の民俗学であった。
    そして、どうやら昔話の内容的起源を神話に求めているようだ。庶民の民俗文化に宗教的傾向が流入してくるのは極めて自然なことであろう。
    たくさんの典型的昔話とそのバリエーションを並べて比較していくスタイルは、

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    2013年09月15日
  • 日本の伝説

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    子供向けに書かれてるので読みやすかった、と思う。
    今の子供に読みやすいかは別として。

    全体に一つの流れがあって、関連する話が順番に。
    それよりも前の話題も織り交ぜながら。
    興味を持って読めるつくりかな。

    同じような話が日本全国によくもこれだけ散らばってるものだなぁと思う。

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    2013年02月15日
  • 海上の道

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    学生の頃には、全集で読みました。
    手元に全集もあるのですが、
    いつ購入したのか、岩波文庫版(1992年2月15日第17刷)が
    あったので、行き帰りの列車の中で読んでいます。

    大江健三郎の「解説」が、素敵。
    (2012年9月5日)

    正しいかどうかというと、きっと「トンデモ」なんでしょう。それはそれで、よいのです。
    (2012年9月9日)

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    2012年09月09日
  • 遠野物語・山の人生

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    ネタバレ

    「遠野物語」
    "願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ"
    冒頭文がすばらしいの一言。

    「共同幻想論」の後に読んだので、
    共同体の抑圧の強さが民話の中から窺える。

    たぶん、
    小規模だからこそ共同体の幻想が強固にあったのだろうし、
    国家が「父的」になればなるほど、
    ムラ社会が解体されていったのは必然の帰結なのだろうな。

    今はまた、
    新たな共同幻想を構築する時期なのかもしれん。


    「山の人生」
    「遠野物語」のような文語体のほうが、
    郷愁の念というか今は昔感というか、
    味わい深くて好き。

    解説に書いてあるように、
    「遠野物語」は学問的というよりも、

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    2012年05月03日
  • 遠野物語・山の人生

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    遠野物語:1910年(明治43年)。
    日本民俗学の開拓者・柳田国男の代表作。陸中遠野郷(岩手県の遠野盆地近辺)に口承で伝わる民話を柳田が編纂したもので、本邦民俗学の発展に多大な貢献をしたとされる名著である。民間伝承を、その原型を尊重し余計な装飾を排して聞いたままに記したとされるが、簡素ながらも気品のある美しい文語体で綴られており、日本民俗学の記念碑としてのみならず、その文学性も高く評価されている。

    土の匂いのする物語だ、と思った。混沌が、混沌のまま残されている。のどかな民話集かと思って読むと、結構な衝撃を受けるだろう。座敷童、天狗、マヨイガなどノスタルジックな怪異譚も多いが、神隠しの話などは

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    2020年12月26日
  • 遠野物語・山の人生

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    遠野という土地にまつわる口承の物語。
    ある作家が指摘していたように、
    これは一つの研究の成果であるのに、
    まるで一つの文学を読んでいるような気分になるのだ。

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    2012年01月13日
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺

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    「拾遺」エピソード174がサイコーだ(オチは恐ろしいけど)。
    根岸鎮衛『耳嚢』の「残念なり」みたいで( ̄m ̄* )。
    それにしても巻末の著者年譜に圧倒されます。
    なんという充実した人生だろうかと。

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    2020年09月05日
  • 遠野物語

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    ネタバレ

    現代の表現で遠野物語を示してくれたコミック。ソフトで透明感のある絵柄が、逆に内容を補完するような読後感。じわじわとくる恐怖というか畏れというか読み終わったあとも残滓が心のどこかにあって、再読。柳田國男も再読してみようと思う。

    再読。間引きの暗喩、「この鹿は狼が獲った だから狼のもの 横取りしてはいけない」p175、価値観の変化があっても、ここに描かれている情景は今の自分たちに迫ってくる。しかし、生き物の描写には息を呑むほど生命力がこもっている。

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    2025年09月23日
  • 遠野物語【分冊版】 1

    購入済み

    想像を膨らます

    日本民俗学の古典的名著「遠野物語」のコミカライズである。原作の素朴でファンタジックな内容を、やはり素朴でやや稚拙な絵柄でよく表現している。原作の文章表現もいいが、この作品のように絵になったものも想像を膨らますのにとても良い。

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    2025年08月28日
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺

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    遠野に伝わる民間伝承集で、日本民俗学のメッカ。やっぱりオシラサマ・ザシキワラシ・カッパ・マヨイガなど知っていた譚が出てくるとより面白い。事象を淡々と書き連ねるような文体なので、祖父母から聞かされる昔話のような親しみやすさはないが、だからこそありのまま受け止められるのかもしれない。

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    2025年08月24日
  • 遠野物語

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    遠野物語の世界へひきこまれていく。
    漫画なので感情も入ってしまう。
    「馬と花冠」が特に良かった。切なさと哀しさが胸を打つ。
    言い伝えであっても実際にこれに近いことがあったのだろうと…。
    原作と違いがあるかもしれないが、想像以上にじんわりと伝わってくるものがある。


    馬と花冠(遠野物語69話)西洋とは違う異類婚姻譚〜オシラサマ

    河童の子(遠野物語55話〜59話)古い伝統と新しい価値観の間でゆらぐ人々〜河童

    狐は夢(遠野物語100話)遊離する魂と人を化かすものたち〜狐

    おおかみがいた(遠野物語36話〜42話)人間と自然の関係〜御犬





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    2025年06月14日
  • 遠野物語

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    どの話も思った以上に気味が悪かった。実話がベースとすると余計にゾワゾワする。
    本当にすべて実話だとすれば、現代の科学的な視点で考えれば殺されずに死なずに済んだはずの、こども女性たちがいる。思い込みや習慣で殺されるって怖い時代だ。
    でも今の時代が、この時代に比べて豊かだとか優れているとは簡単には言えない気がする。
    ヒトと自然の境界ってあいまいだったり、あったとしても対等な関係だったこの時代。(特に「おおかみがいた」はもののけ姫の舞台だなと思った)
    一度でいいからタイムスリップしてみたいな〜。

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    2025年05月26日
  • 遠野物語

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    まさにもののけ姫の世界でした
    山神様の元で暮らしていた多くの狼が人間が山に入り込んできた為に激減していく
    鹿も動物たちが減っていく
    人間の愚かさを物語っていた

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    2025年05月01日
  • 遠野物語

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    原作の遠野物語は未読だけど、『もののけ姫』の世界みたいで面白かった。もっと他のエピソードを読んでみたいけど、原作そのままは難しいなぁ…

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    2025年02月19日
  • 遠野物語

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    『遠野物語』を読んだのは多分小学生か中学生くらいのときだったような気がする。改めて漫画として読むと不思議な世界観がある。また遠野に行きたくなってきたし、原典を読みたくなってきた。

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    2024年12月07日
  • 遠野物語

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    遠野物語をベースにした短編集。
    漫画の世界観の良さと、遠野物語の生々しさが両立されていて上手いなぁと思う。
    各作品の後にその話の元となった話が紹介されていて、改めて遠野物語を読みたくなった。

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    2024年11月05日
  • 沖縄文化論集

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    沖縄事前読書週間4冊目。沖縄文化論は個人視点で面白かったが、こちらはこちらで包括的感があってよかった。年代も古いものが多いが、押さえるべき評論や議論の流れの数々なんだろうなと。
    琉球の宗教(折口信夫)をお勧めされてから手に取ったのだけど、柳田邦夫やら伊波普猷やらも読めてよかった。『月と不死』やはり読まないとなあ。

    そのほか「南島の入墨(針突)に就いて」、「尾類考」が面白かった。本当はここら辺も深めたいんだけど、一旦沖縄シリーズはこちらで終わり!

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    2024年11月04日
  • 口語訳 遠野物語

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    岩手旅行に行くので遠野物語を深めよう第二弾。
    口語訳ってすげー!と思う分かりやすさ。遠野物語は文体が魅力と言われるが、民俗学の面でも良書なのだから意味を理解できるのは大きい。
    特に、出てくる人物がどこの誰かという説明や細かい解説も入っており大変よかった。柳田國男が調べ作った本を、今調べている人々がいるという、時間軸の広さを感じた。

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    2024年09月21日
  • 口語訳 遠野物語

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    民俗学の祖といわれる柳田國男よる、読み継がれるべき一冊。
    ザシキワラシの話は有名だが、山姥の話は昔話で読み聞かされた記憶もあり、子供の頃に感じた恐さを思い出し懐かしく感じた。
    昔の日本人は自然との距離が、今より近かったとしみじみと感じさせる。

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    2024年05月23日