柳田国男のレビュー一覧

  • 口語訳 遠野物語
    さすがに原文をいきなりは厳しい。物語調の印象を崩さす、素朴な話が口語文で読める。とても読みやすいので読み通すには最適。脈絡があるようなないような不思議な話が多く面白かった。
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    日本独特の昔からある怪談話にそそられて読んだ。
    地理的な背景も詳しく説明されているため情景を想像し易い。
    民俗性を重視しすぎているからか、ラフカディオハーンの怪談のより淡々としている気がした。
    個人的には上田秋成の雨月物語やラフカディオハーンの怪談の方が好き。
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    内容はとても面白かったです。何回でも読み返したい本。遠野物語が読みにくい人は、拾遺から読んでもいいかと思います。遠野の地理の位置関係が分かり辛く、一生懸命調べたのですが、読み終わってから地図がついてることに気づきました…。これから読む人は是非活用してください。
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    ・遠野の人々は、動物も人間のような感情を持つ畏敬すべき存在、だと考えていました。

    雌狼が子供を殺され復習にやってきた時、素手で応じる猟師の話があります。
    子供への愛情から襲ってくる狼に対し、武器を持って戦うのは卑怯だと考えて、猟師は自分のワッポロを脱いで腕に巻き狼と対峙しました。その後、狼も猟師も...続きを読む
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    日本民俗学の父と呼ばれる柳田國男先生。
    岩手県遠野の民間伝承を採集して
    まとめられた「遠野物語」。

    日本の原風景を牧歌的に語るのではなく、
    昔話のように教訓を含んだもの、
    風習や伝説とともに、とりとめのない
    世間話のようなものも含まれているのも
    口承たるリアルさで面白い。

    目に見えない世界が信じ...続きを読む
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    一応大学で民俗学を学んでいたので、絶対に一度は読まなくてはと思いつつ、文体を敬遠していました。
    妖怪話ばかりかと思っていましたが、遠野に住む人々の生活を書かれているので、全部が妖怪話ではありませんでした。
    また同じようなお話もまとめるのではなく、それぞれ書かれているのが、グリム童話初版に通じるものが...続きを読む
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    簡潔でありながら、臨場感あふれる名文。遠野の世界にすぐに入り込める。
    後半、現代文になると読みやすくなるが、前半の古い文体も非常に魅力的で、どっちも読めるのはありがたいなと思う。
    でもほんと怖いな…夜一人で読んでたりすると、電気を無駄につけたくなる^^;
  • 桃太郎の誕生
    これまで読んだ柳田國男の本の中でもトップクラスの面白さだった。
    「昔話」をめぐって、有名なさまざまなストーリーの交錯や混交を指摘してゆく過程がスリリング。最初の「桃太郎の誕生」あたりでは、意外にもグリム童話などの海外の「昔話」との比較民俗学的、人類学的な考察へと接近する。柳田が海外の民俗学についても...続きを読む
  • 日本の伝説
    子供向けに書かれてるので読みやすかった、と思う。
    今の子供に読みやすいかは別として。

    全体に一つの流れがあって、関連する話が順番に。
    それよりも前の話題も織り交ぜながら。
    興味を持って読めるつくりかな。

    同じような話が日本全国によくもこれだけ散らばってるものだなぁと思う。
  • 海上の道
    学生の頃には、全集で読みました。
    手元に全集もあるのですが、
    いつ購入したのか、岩波文庫版(1992年2月15日第17刷)が
    あったので、行き帰りの列車の中で読んでいます。

    大江健三郎の「解説」が、素敵。
    (2012年9月5日)

    正しいかどうかというと、きっと「トンデモ」なんでしょう。それはそれ...続きを読む
  • 遠野物語・山の人生
    「遠野物語」
    "願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ"
    冒頭文がすばらしいの一言。

    「共同幻想論」の後に読んだので、
    共同体の抑圧の強さが民話の中から窺える。

    たぶん、
    小規模だからこそ共同体の幻想が強固にあったのだろうし、
    国家が「父的」になればなるほど、
    ムラ社会が解体されてい...続きを読む
  • 遠野物語・山の人生
    遠野物語:1910年(明治43年)。
    日本民俗学の開拓者・柳田国男の代表作。陸中遠野郷(岩手県の遠野盆地近辺)に口承で伝わる民話を柳田が編纂したもので、本邦民俗学の発展に多大な貢献をしたとされる名著である。民間伝承を、その原型を尊重し余計な装飾を排して聞いたままに記したとされるが、簡素ながらも気品の...続きを読む
  • 遠野物語・山の人生
    遠野という土地にまつわる口承の物語。
    ある作家が指摘していたように、
    これは一つの研究の成果であるのに、
    まるで一つの文学を読んでいるような気分になるのだ。
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    「拾遺」エピソード174がサイコーだ(オチは恐ろしいけど)。
    根岸鎮衛『耳嚢』の「残念なり」みたいで( ̄m ̄* )。
    それにしても巻末の著者年譜に圧倒されます。
    なんという充実した人生だろうかと。
  • 口語訳 遠野物語
    原作では普通の語りだったのを、遠野弁に変えていたと読後に知って驚いた。地の文を文語から口語に変えるだけではなく、そういうこともしていたとは。
    解説で、遠野物語を柳田國男の手から遠野に取り戻す、とあり、そういうことかと思った。

    今になって見れば何ともないようにみえる昔話だけれど、そこに出てくる人がど...続きを読む
  • 新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺
    常野物語「光の帝国」を読み、なるほど元ネタ遠野物語なんだ、タイトル聞いた事あるなァと思ったのがひとつ。
    次読んだ本が「始まりの木」で、民俗学の祖柳田國男と遠野物語が物語のキーになっていたのがふたつ。
    ここまで連続して登場されると気になるというもの。ご縁を感じて読んでみました。

    東北のとある地遠野...続きを読む
  • 遠野物語・山の人生
    遠野だけが特別ではないのだろう。
    ここでもどこでも聞かれそうな話ではあるけれど、著者の書き様がとってもいい。
  • 日本の祭
    昔の学者の人の言うことや書くことって、喩えると、視力のとてもいい人が、自分の見ているものを細かく伝えてくれるというのに近いような印象があります。同じように地面を見ていても、現代人よりも細かいところまで見えているし、気にも留めないようなところにも注意を払っている、というように。

    たとえば一般化してい...続きを読む
  • 口語訳 遠野物語
    [一言感想]
    東北山中で体験した人と自然との間に起きる少し不思議なお話

    民俗学の祖である"柳田國男"先生が東北遠野の言い伝えを"佐々木喜好"くんから口伝したものを編纂・現代語訳した一冊

    今となっては考えられないと一言で片付けるのは簡単であるけれども、この本の魅力はそこでは無いように感じる

    当時...続きを読む
  • 遠野物語・山の人生
    我々が空想で描いて見る世界よりも、 隠れた現実の方が遥かに物深い。柳田国男『遠野とおの物語』1910

    諷刺の笑いというのは淋しいもので、それの出しゃばる時世はきっと明朗でないのだが、 また一方に牽制するところがあって、我がおろか(愚か)を棚へ上げている者を自粛せしめる。柳田国男『不幸なる芸術』

    ...続きを読む