柳田国男のレビュー一覧

  • 柳田国男 山人論集成

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    柳田の山人関連の著作等を纏めた一冊。
    成る程大塚英二が書く柳田で引用されるものが多い。当然か。

    手拭い調の表紙のシリーズであるが、製本の悪いのに当たってしまったのか背の辺りを上から見ると本文が浮いているのが少し残念だった。余白もかなり削って狭い感じがする。

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    2013年06月01日
  • 小さき者の声 柳田国男傑作選

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    主に「子ども」の遊びや言葉をめぐって民俗学的考察を広げる文章が集められた本。
    特に「子ども風土記」が読んでいて楽しい。
    「かごめかごめ」が「屈め=しゃがめ」という意味だという指摘にはっとした。まあ、この説が正しいかどうかはわからないが。
    短い章でたくさんのトピックが並んでいるのは新聞に連載されたからだが、こういうのはとても気楽に読める。

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    2013年04月26日
  • 海上の道

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    柳田国男の86歳のときの最後のメッセージといわれる。

    前にも、一度読んだことあるが、
    そのときは、『つまんない』という感じだった。
    あまり、重要なことが言われていないと思ったのだ。
    今回読んで、同じ感想だった。
    民俗学の考えていることは 
    なぜこんなに、つまんないのだろうか。

    大きなテーマは
    『日本人はいかにしてわたってきたのか』ということである。

    西海岸を伝う方法と東海岸を伝う方法
    風の言葉の収集から・・みえてくること。
    椰子の実が、伊良湖岬の海岸に流れ着いたこと
    宝貝を求めて沖縄 宮古をめざす
    漂流物は 椰子の実だけでなく 人間も漂流する
    日本はコメ作国家であるが モミだけでは稲作は

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    2018年03月05日
  • 新訂 妖怪談義

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    妖怪、すなわちお化けの話。人を恨んで出る幽霊と違って、お化けは人を驚かせることが目的らしい。夜が本当に暗かった時代の夕暮れの心細さ。大きなくぼ地を、だいだらぼっちの尻もちの跡だと説明した人びとの想像力。日本人が自然に対して持っていた、畏れと愛着を垣間見ることができる。和紙のような装丁は大竹尚貴+鈴木久美さん。

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    2013年03月31日
  • 遠野物語・山の人生

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    さかしいとか賢いという古い時代の日本語には、普通の児のように無邪気でなく、なんらかやや宗教的とも言うべき傾向をもっていることを、包含していたのではないかとも考える。

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    2013年03月09日
  • 新訂 妖怪談義

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    基本的に柳田さんは妖怪の実在に関しては否定派なのね。
    解説で言われてるように、かなりざっくりとした解釈でまとめられてるところもあるし、読者に対して不親切なところもある。それでも、ある程度のまとまりを意識して編集されてるから読みやすくはないし、わかりやすくもないけど、読めない、ってことはなかった。
    タイトルから想像されるようなエンタメ性バラエティ性は皆無なので注意。

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    2013年02月15日
  • 日本の祭

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    柳田国男、遠野物語しか読んでいなかったのでたまたまシリーズで並んでいたので購入。ちょうど日本古来の祭りの起源に興味があったので。

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    2018年11月30日
  • 遠野物語・山の人生

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    スコヒ、ペィジヒラヒテ、ハゲシク、ココロヲ、ユサブラレタリ、トオノノクニノ、ブンタイニ。
    岩手県遠野市に限らず、怪談、民話は日本に流れ着いた異国人や奇形、狂人の起こした実話がもとになっていることも少なくないはず。

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    2012年10月24日
  • 遠野物語・山の人生

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    遠野物語は子供の学校の読書リストに入っていて,彼女は読もうとしたがすぐに挫折してしまったらしい.それで私が読んでみることにした.これを読んでいると,私が子供の頃は家の外にも中にもあった真っ暗な闇を思い出す.一種のノスタルジーのようなものも感じる.子供が読めなかったのは文語文のせいだけではなくて,明るい都会に育つとこういう話には心情的に入りにくいこともあるのかなと思った.こういう本が昔は新潮文庫の百冊に入っていたのだ.
    「山の人生」は興味がわかず途中でやめてしまった.

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    2012年10月20日
  • 遠野物語・山の人生

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    現在では真偽の程を確かめる術がないかもしれませんが、地道な取材によって得られた様々な証言がまとめられている点で、文化人類学上貴重な資料なのだと感じました。
    ビックフット(?)は実在したのではないかと少しだけ思いました。
    ただ、前半は文語体で読むの大変です。

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    2012年08月30日
  • 遠野物語・山の人生

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    【ブッククロッシング待機本】読みたい方はご連絡下さい。

    伝承をまとめて、検証した 読み応えあるも 面白い本。
    ホントに座敷わらしや 山男に逢えそうな気がしないでもありません。

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    2013年02月11日
  • 海上の道

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    柳田晩年の著作。日本人という稲を携えた民俗はどこから来たのか、稲積やネズミの名称、帆船の発達などから沢山の問いを投げかけた一冊。

    繰り返される一国民俗学の語が気になる一冊でもあった。また、戦争が沖縄に及ぼした影響をくりかえし残念だと語っている点が印象に残る。

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    2012年07月07日
  • 野草雑記・野鳥雑記

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    子どもの遊びの中から生まれた言葉と植物の名前が関係しているのは面白い考察だった。

    『野草雑記』
    『野鳥雑記』

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    2012年04月01日
  • 孤猿随筆

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    書名に「随筆」とあるとおり、やや軽い読み物といった趣だが、さすが柳田國男、いつものように博識ぶりを発揮し、民俗学的な思考にいざなってくれる。
    狐や犬のような動物を巡る民間伝承や文献をさぐり、彼らのイメージが人間にとってどのようにあらわれてきたかを記述しようとする。
    柳田國男の文章はいつも、どこか随筆のような飄々とした雰囲気があり、「民俗学」という学問上のいかめしい論文というより、きまぐれな道草や方向転換をもふくんだ、文体自体が味わい深い文学作品という印象がある。
    レヴィナスの哲学書が一種の文学として読めるように、柳田民俗学もすっぽりと柳田文学というパースペクティヴで捉え直すことができるだろう。

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    2012年01月21日
  • 遠野物語・山の人生

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    ネタバレ

    『遠野物語』はずっと前に角川文庫で「補遺」まで読んだが、『山の人生』は読んでいなかったので、読んでみた。愛知県や岐阜県の例もたくさん引かれていて面白かった。柳田によれば、天狗や鬼というのは、山に住む漂泊民を平地人がうやまった者で、古代では国津神と呼ばれていた。彼らは平地人よりも大きな身体で、斜面を非常に早く移動することができた。凶悪な者は鬼として武力で討伐されたが、なかには里に買い物にきたり、山小屋でこっそり火にあたっていたり、米の飯をねだりにきたりしていたらしい。また、時には輸送に使役されたりもしていた。山人が配偶者を求めて連れ去ったのが「神隠し」だが、神隠しのなかには自ら山に入った者も多く

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    2013年03月22日