柳田国男のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
柳田国男の86歳のときの最後のメッセージといわれる。
前にも、一度読んだことあるが、
そのときは、『つまんない』という感じだった。
あまり、重要なことが言われていないと思ったのだ。
今回読んで、同じ感想だった。
民俗学の考えていることは
なぜこんなに、つまんないのだろうか。
大きなテーマは
『日本人はいかにしてわたってきたのか』ということである。
西海岸を伝う方法と東海岸を伝う方法
風の言葉の収集から・・みえてくること。
椰子の実が、伊良湖岬の海岸に流れ着いたこと
宝貝を求めて沖縄 宮古をめざす
漂流物は 椰子の実だけでなく 人間も漂流する
日本はコメ作国家であるが モミだけでは稲作は -
Posted by ブクログ
書名に「随筆」とあるとおり、やや軽い読み物といった趣だが、さすが柳田國男、いつものように博識ぶりを発揮し、民俗学的な思考にいざなってくれる。
狐や犬のような動物を巡る民間伝承や文献をさぐり、彼らのイメージが人間にとってどのようにあらわれてきたかを記述しようとする。
柳田國男の文章はいつも、どこか随筆のような飄々とした雰囲気があり、「民俗学」という学問上のいかめしい論文というより、きまぐれな道草や方向転換をもふくんだ、文体自体が味わい深い文学作品という印象がある。
レヴィナスの哲学書が一種の文学として読めるように、柳田民俗学もすっぽりと柳田文学というパースペクティヴで捉え直すことができるだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『遠野物語』はずっと前に角川文庫で「補遺」まで読んだが、『山の人生』は読んでいなかったので、読んでみた。愛知県や岐阜県の例もたくさん引かれていて面白かった。柳田によれば、天狗や鬼というのは、山に住む漂泊民を平地人がうやまった者で、古代では国津神と呼ばれていた。彼らは平地人よりも大きな身体で、斜面を非常に早く移動することができた。凶悪な者は鬼として武力で討伐されたが、なかには里に買い物にきたり、山小屋でこっそり火にあたっていたり、米の飯をねだりにきたりしていたらしい。また、時には輸送に使役されたりもしていた。山人が配偶者を求めて連れ去ったのが「神隠し」だが、神隠しのなかには自ら山に入った者も多く