【感想・ネタバレ】孤猿随筆のレビュー

あらすじ

はなれ猿に送り狼,狐の飛脚,化ける猫.「この事実を,まことこの世の中に存在するものと,見なければ気が済まぬという所に歴史があるのである」.動物たちは人間の生活と感情のなかでどんな位置を占めてきたのか.伝承・物語・記録を織り交ぜながら,飼い犬や庭のどら猫一族まで,「小さな真実」の考察は自由に架橋する.(解説=室井光広)

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Posted by ブクログ

書名に「随筆」とあるとおり、やや軽い読み物といった趣だが、さすが柳田國男、いつものように博識ぶりを発揮し、民俗学的な思考にいざなってくれる。
狐や犬のような動物を巡る民間伝承や文献をさぐり、彼らのイメージが人間にとってどのようにあらわれてきたかを記述しようとする。
柳田國男の文章はいつも、どこか随筆のような飄々とした雰囲気があり、「民俗学」という学問上のいかめしい論文というより、きまぐれな道草や方向転換をもふくんだ、文体自体が味わい深い文学作品という印象がある。
レヴィナスの哲学書が一種の文学として読めるように、柳田民俗学もすっぽりと柳田文学というパースペクティヴで捉え直すことができるだろう。
この文章はじっくり読めば読むほど味が出てくる。それは既に失われた、昭和初期以前の民俗的風景の匂いに似ている。

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2012年01月21日

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