カレー沢薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「負ける技術」を読んで、カレー沢薫先生の世界観と筆致に完全に打ちのめされ、以来、見つかる限りのエッセイ本を現在進行形で拝読中。
この本は各エッセイのクオリティが高く、カレー沢薫先生の筆がノっている感じがします
この本に星5をつけたのには理由があり、第一部108ページ〜「お局」の項の存在です
どの職場にも存在しているであろう、「お局」タイプの女性についてその生態を述べた文章ですが、史上後にも先にも、お局の生態をここまでコンパクトかつ的確に、漏らさず捉えた文章は存在しないでしょう。数々のカレー沢先生のエッセイの中でもマイベストオブベストです。
カレー沢薫先生の観察眼と筆力がここで極致に達し -
Posted by ブクログ
ネタバレ◾️record memo
人間は言わば、家の外(社会)という陸と、家の中という海を行き来して暮らす半魚人である。ひきこもりというのは極めて魚(ぎょ)に近い生物である、だから家の中では快適に暮らせ、外に出すと苦しみだすのだ。よってひきこもりは出来るだけ家の中で暮らすのが生物学上正しい生き方である。つまり、ひきこもりに対して「もっと外出た方がいいよ」と言うのは、魚を「陸の方が楽しいから」と水槽の外に出すぐらい頭の悪い行為なので、小学校低学年以上になったらするべきではない。
すごく辛いが、定義に当てはまってないから問題として認識しないというのは「内臓が破裂しているような気がするが、熱が36.2 -
Posted by ブクログ
ネタバレ◾️record memo
私は自らのことをキラキラ系女子の対極として「消灯おばさん」と称したことがある。
人生で起きるさまざまなことは、自分自身さえ笑い飛ばしてしまえば、他人から見てもたいしたことではなくなる。ただ、意識とプライドが高いと、笑い飛ばせないことが多くなる一方なのである。
不遇な立場に立たされれば「自分はこんなところにいる人間じゃない」と思い悩むし、他人からぞんざいな扱いを受ければ屈辱と感じ、傷つく。
「自分はこんなもんじゃない」と思いながら生きるのは「私はこの程度」と思って生きるよりずっとつらいことである。
そもそも、この世界が人間にとって快適だったことが未だかつてあっ