加藤典洋のレビュー一覧

  • どんなことが起こってもこれだけは本当だ、ということ。 幕末・戦後・現在

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    はじめに――演題について
    1 「犬も歩けば,棒にあたる」ということ
    2 間違う思考は,間違いか――吉本隆明さんとのやりとり
    3 「内在」から「関係」への転轍――『日本人の自画像』
    4 現代世界と尊皇攘夷の「変態力」
    5 幕末の攘夷思想と昭和前期の皇国思想
    6 吉本隆明の一九四五年
    7 護憲論の二階建て構造
    8 壁にぶつかる護憲論
    9 憲法九条から日米安保へ


    キーワード
     ・変態力
    ・地べたの普遍性
    ・二階建て構造
    ・やむをえなさ(普遍性)

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    2018年10月23日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    このレベルの本が一番わかりやすい。厭世的な世の中で、誰も意思決定をしない状態が続いている。日本を正常な形に戻すべきだね。その方法論は今国会で審議されている改憲論ではないことだけはわかってる。頑張れるかな、戦争も安保も知らない世代が。問われてるね。この世代の役割が。

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    2018年07月25日
  • 敗者の想像力

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    某所読書会の課題図書.膨大な数の作家名が出てくるが,残念ながら読んだものが僅かだ.カズオ・イシグロの作品の考察で主人公が「かくも従順に,抵抗もせずに,不当なことを受け止める」由だが,その行為自体が"敗者の想像力"になるのか,と推測してみた.ゴジラの話も楽しめた.山口昌男の「挫折の昭和史」の解説で「控え目で壊れやすい」知的感受性を抑圧する構造が,連続して続いてきたことに"敗者の想像力"を見ているような気もした.大江健三郎の沖縄裁判の話はあまりよく理解できなかったし,"敗者の想像力"からやや外れている感じがした.

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    2017年12月06日
  • 戦後入門

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    著者の主張には一聴の価値はあるが、その提案に沿って行動するのは亡国の道である。

    倫理は力を正当化する方便であると思うが、自らはその意識はないとは思うが、この本を著すことによって著者もその片棒を担いでいる。日本の歴史の連続性を引き受ける覚悟がないが故に可能な主張である。

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    2017年08月08日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    2016年夏は執筆活動に大忙しだったらしいウチダ先生が解き放つ憂国のオムニバス。『街場の憂国会議』『日本の反知性主義』に続く第三弾。中でも、岡田憲治の「空気」に関する一筆は必読。あるのにない、とはこういうことか。

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    2017年03月21日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    中高生ではないが読んだ。
    白井聡さんが書かれていたが、もう今の私たち大人はダメなので、若い人たちに頑張って欲しい。
    この本をどれだけの中高生が読んでくれるのか、自分の中高時代を考えると疑問だが、私たちが読んで、若い人にできるだけ伝えるということはできるかも。

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    2017年02月28日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    今後の参考に。

    「職に就くことは自己実現のためでも夢をかなえるためのものでもない。」

    という一言には、なるほど。とちょっとカタルシスでした。

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    2017年01月14日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    副題「中高生に伝えておきたいたいせつなこと」とあるように、中高生へのメッセージとして書かれた本。
    難しい内容でも平易な文章で書かれていて、著者が読者に伝えようという真摯な姿勢を感じた。
    高校生ごろに出会うととてもいい本のように思う。
    未来の日本を憂いて、どうにかしたいと真面目に思っている大人もいるんだよ。

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    2016年12月28日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    高校生が文章を読むに当たり、基本的な考え方をあたえてくれる、良本。
    平川克美「人口減少社会について根源的に考えてみる」ではグラフの見方とともに、当たり前のようにように言われている言説について批判的な見方を示唆する。
    仲野徹「科学者の考え方-生命科学からの私見」ではパラダイムシフト、疑う、シンプルに考えるなど科学を発展させている考えが書かれている。
    白井聡「消費社会とは何か-『お買い物』の論理を超えて」ではボードリヤールの考えを援用し、いわゆる「消費」的な感覚が政治や教育にも適用させようとする現在の社会のゆがみと弊害を述べる。
    山崎雅弘「『国を愛する』ってなんだろう」では、政治的無関心が生む危険

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    2016年12月15日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    【読書メモ】

    p185
    ・何のために勉強するのですか?
    自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言う。ただそのためだけに勉強するのです。山本義隆

    p190
    ・同じことを、違った側面から考える視点を与えてもらうためにディスカッションをするのです。当たり前のことですが、自分は自分の考えに染まりきっています。そこへ、違う刺激を与えてもらって、自分の考えを方向転換させたり、バージョンアップさせたりすることが重要なのです。

    p103
    ・科学がグローバルである最大の理由は、真実をあつかうからということです。

    …科学的な視点は予測できない社会を生きるうえでの全員にとってマストなものの見方なのかもしれ

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    2016年11月23日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    年代はあるにせよ転換期ということは認識しなければいけない。
    何でも吸収できる学生時代の脳は、なくした今になってほしくなるもの。無い物ねだりです。

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    2016年08月15日
  • 戦後入門

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    新書としては大振りだが、終戦以降の日本が置かれた立場を解説し今後の指針まで論ずる読みごたえたっぷりの一冊。原子爆弾と憲法九条に関する記述が丁寧であり、核兵器廃絶の運動や武力的な脅威を考える上で示唆に富む。一見簡素に思えるタイトルは、世界平和を唱えるだけでなく熟慮し行動することの重要さを強く訴える。

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    2016年08月06日
  • 村上春樹は、むずかしい

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    長いこと、自分にとって他とは違う特別な存在だった村上春樹について、ようやくきちんと言語化してくれるものを読んだ気がしました。「否定性の否定が、作品の中で『悲哀を浮かべている』こと(P.28)。
    この本を正確に理解できているかどうか分かりませんが、確かに1980年代には、否定的であることが正しく鋭く純粋である、というシンプルさでは、現実を生きている実感と違ってきていて、そこを掬い上げてくれる作品が、いとおしく感じられた気がします。

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    2016年06月29日
  • 村上春樹は、むずかしい

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    【読書その62】久しぶりの読書記録。ボチボチ読書はしているものの最近気分が乗らず停滞中。今年に入って62冊目。そんな中で読んだのは加藤典洋氏の村上春樹論。恥ずかしながら、自分自身、村上春樹氏の著書は「ノルウェイの森」や「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」などのメジャーな本しか読んでないが、「村上春樹は、むずかしい」というタイトルとは逆に、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年村上春樹氏の著書を新たな視点で見つめ直すことができるようになった。

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    2016年06月03日
  • 村上春樹は、むずかしい

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     ずっと読んできたのに、『1Q84」が読み切れない。なぜか知りたくて、本書に助けを求めました。青豆の造形につまずいていたのでした。初期の作品から、デタッチメント(距離をおくこと)なる主人公の行動にどれだけ影響を受けたでしょう。そして、村上春樹は深化(進化)しつづけているのが、納得できました。そのことについていけず、または、誤解を加えて、違和感を持っていたのでした。今、あらためて、初期から読み直してみたいと思っています。春樹氏は、自分の評論を読まないと発言していますが、読者の道案内に本書はありがたい。

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    2016年05月17日
  • 村上春樹は、むずかしい

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    加藤典洋の村上評本。頭の中にあった漠然としていたものに、言葉を与えてくれるので、村上春樹を自分がどう読んでいたかを整理してくれる。「村上春樹の短編を英語で読む1979~2011」ですっきりさせてもらった。

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    2016年05月04日
  • 戦後入門

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    全600ページ余りの大作であるが、意外と読みやすく引き込まれる。歴史に詳しくなく、また特に近現代史については子供並みの知識しか持ってないので、明確な感想は持てないが、まずは世界戦争の評価について。これまでに知っていた事と当然ではあるが裏もあるわけである。戦争を始めるのにも誰もが納得できる理由が必要であるし、戦争を終らせる時に戦後の関係を支配するための策略が作られることもある。特に第二次大戦は米国の原爆の使用を正当化するための策略を練り、明らかに大量破壊兵器であるにもかかわらず、別枠におかれている矛盾。戦後日本の構造として、憲法9条の理念は理想と懲罰が含まれていたが、何よりも国民が最大の支持基盤

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    2016年03月31日
  • 戦後入門

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    これまで読んだ中で、最も分厚い新書かもしれない。著者は、これを高校生向けに書いたと巻末で述べている。確かに比較的平易な語調で綴られるため、読み進めることは可能だ。そして、現在我々が抱えている、対米関係、憲法9条、基地問題、核の問題を、第1次世界大戦前後より背景を概説しながらひも解いていく。原爆投下の責任に関しての論考はスリリングで、これまで教科書等では決して読めなかったことだ。確かに高校生に勧めたい、というのは頷ける。筆者は説く、問題解決の糸口は国際主義と9条の左折の改憲にあると。後半は、どうすればよいか、ということに力点が置かれ、一気に読み進めてしまった。シリア問題などを見ると、筆者の夢見る

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    2016年02月29日
  • 村上春樹は、むずかしい

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    「ー」

    村上春樹の作品について、それぞれの時代毎に分類分けした本。よくある春樹解説本ではなく、なかなかにレベルが高かった。どこまで村上春樹自身が意識してそう書いていたのかは分からないが、やはり文学の持つ意義はすごいと感じた。

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    2016年01月24日
  • 村上春樹は、むずかしい

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     加藤典洋の最新春樹論。村上文学が大衆には世界中でウケているが中国や韓国など隣国の知識層にまったく興味を持たれていないことを知った著者が、もっと論じられるべきだと考え、その材料を提示した一冊。たしかに日本でも好意的に書かれた春樹論は無数に出ているが(売れるからね)あまり批判的な批評の対象にはならない印象。嫌いな人が語りたくないのはハルキスト達がウザったいからですかね。
     内容的にはデビューから最新作まで発行時系列順に追っていて、特に短編を取り上げて論じられている個所が多いのも目新しく、全作読み返したくなる面白い一冊でした。もちろん著者の論考を全肯定するわけではないですが、「なるほど」とか「いや

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    2016年01月04日