【感想・ネタバレ】敗者の想像力のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年07月04日

大学時代読み切れなかった本をやっと読破。
間違いなく私の人生の中で出会えて良かった本10番に入る。
この本をきっかけにジブリ作品を見返したい、さらにはその作者、宮崎駿に影響を与えてきたものをもっと知りたいと思い、新しい本を購入。宮崎駿『出発点』『折り返し点』

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Posted by ブクログ 2017年06月14日

この本を読むきっかけとなったのは、2017年6月9日、大阪朝日カルチャーセンター中之島教室主催の、内田樹先生と高橋源一郎先生による対談である。
その中で、高橋先生はこの著作の内容に触れながら、権力に立ち向かう「敗者としての立ち向かい方」についての示唆をされていた。
それは、この本の第2部で詳しく述べ...続きを読むられている。一例を挙げれば以下のようなところである。
“この世にはさまざまな不正がある。すぐにはただせない「悪」もある。けれども、この世の不正をただすことができないままに果たされる、それと同じだけ大きく、深い「正しさ」もある。あるはずだ。”
今、日本では多数派政党による悲惨な政治状況が現出している。そんな現状を何とかしたいと切歯扼腕しながらもどかしい思いを抱きがちであるが、この本はそんな思いに新たな視点と、そして何より希望を持たせてくれる著作である。

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Posted by ブクログ 2020年01月05日

敗者というと、ひどく重く、ネガティブなものであるような気がする。特に著書の姿勢としては戦後日本のありようをオーバーラップさせている面は強いだろう。でも、それがわかっていてなお、ここでいう敗者とは、無視できない他人がいて、そういう外部となんとか折り合いをつけて生きなければならない自分自身という気がする...続きを読む。勝者は勝者であるがゆえに、しばしば他を無視することができる。あるいは自分を押し通すことができる。でも人間生きていてさ。常に自分を押し通すことが可能だろうか。そんなわけないよなぁ、と思うのだ。である以上、ここで論じられているのは、自分自身のことに他ならないという・・・なんというか、とても刺激的な本だった。吉本隆明と鶴見俊介は、もっと意識的に読んでいきたいと思ったね。あと大江健三郎についてはほとんど読んでいないんだけど、異様な迫力で論じられていたな。そんなことがあったんだ、と重く感じた。

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Posted by ブクログ 2017年12月06日

某所読書会の課題図書.膨大な数の作家名が出てくるが,残念ながら読んだものが僅かだ.カズオ・イシグロの作品の考察で主人公が「かくも従順に,抵抗もせずに,不当なことを受け止める」由だが,その行為自体が"敗者の想像力"になるのか,と推測してみた.ゴジラの話も楽しめた.山口昌男の「挫折の...続きを読む昭和史」の解説で「控え目で壊れやすい」知的感受性を抑圧する構造が,連続して続いてきたことに"敗者の想像力"を見ているような気もした.大江健三郎の沖縄裁判の話はあまりよく理解できなかったし,"敗者の想像力"からやや外れている感じがした.

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Posted by ブクログ 2022年12月31日

敗戦後論から20年。さまざまに論じた加藤典洋の1冊だが、白眉は大江健三郎論なのだと思うが、残念ながら初期の小説群以外全く読んでいない。しかし、大江が晩年「沖縄ノート」で非難した集団自決事件への名誉棄損裁判の行方には関心があった。もう一度大江の小説群を読んでみようと思う。

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