内田良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
社会構築主義を軸に児童虐待という社会問題を考察する本ですが、単に児童虐待というものがどう社会的に認識(構築)されていったのかという話ではない。児童虐待相談件数という課題発見の統計的データの推移や都市と地方の比較から、社会課題へ向ける人々のまなざしが環境によって異なることを明らかにしたり、援助に関わる専門家が自分の関わるケースを児童虐待である/ないと認識したり解釈したりする判断、あるいは親・子という虐待の当事者の認識・言葉選び・振る舞いの戦略にも社会的な児童虐待への認識が影響しあっていることをインタビュー調査から検討したりと、一段も二段も違う視点が提示されており社会構築主義という立場の面白さを改めて突きつけられた。
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Posted by ブクログ
心からの応援の意味も含めて星5つ。
私が年次研修で保育園と一般企業で実習し、一番驚いたことが、きちんと休憩時間があること。
普段は、休憩する暇もなく、やらざるをない仕事に追われ、睡眠時間を削って家でも仕事をし、土日も当たり前に出勤。もちろん残業代なし。
そういうものだと頑張ってきたが、やはりそれでいいはずがない。
本を読み、司法も守ってくれないことを知った。韓国の事例も興味深い。
業務量に対する考え方も、図にまとまっていて分かりやすい。給特法をなくすことが業務量削減につながると納得。
また、給特法のある現在の学校でも、様々な工夫で業務量を減らした事例が紹介されており、それもとても参考になった。
働かせ放題の教員の職場環境が改善し、健やかに働き続けられることを切に願う。 -
Posted by ブクログ
スクールカウンセラーです。
非常に勉強になり、関係者皆に読んでもらって、意見交換をしたいくらいです。
問題の本質に切り込んでいく斎藤先生と、学校現場の実情を理解した上で、かゆいところに手が届く議論を展開してくださる内田先生との組み合わせが最高ですね。
オープンダイアローグについては、慎重に検討する必要があると思います。
いじめの状態によっては、被害児は加害児と場を同じくすること自体、外傷的な体験になり得ます。
虐待では効果があったということですが、親子という愛着関係が仮定される間柄でのことなので、いじめ事案にそのまま転用することはできないでしょう。
アセスメントの力を磨き、オープンダイアローグについてしっかり学んで、安全に場を回せる自信をつけられたら実践してみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
再読。2017年の本なので情報がやや古くなってはいるけど、学校部活動の負の側面から目を逸らさず見つめ、どうすれば生徒も教員も生き生きと活動できるかを考え、提言した本として今も高い価値があります。
部活動は教育課程外の活動であり、それゆえに規制がかけられず過熱し、強制性が強まってきた歴史があります。エビデンス、すなわち根拠法令と信頼できるデータを示しながらそれを解説しているので、「教員なら部活の顧問をやるべき」「部活動を私用で休みにしては(休んでは)いけない」などというような感情論は極めて低次元であり、全く無意味です。活動の「総量規制」をすることで過熱化を規制し、部活本来の「居場所」の論理を重視した活動に変えていくことで強制性を廃し、自主性を取り戻すことを未来展望図として示しています。
これからの社会は、ワークライフバランスを尊重し、とりわけ家庭生活の充実に重きをおくようになると思います。生徒にとって身近な大人である教員がそのロールモデルとならなくてどうするのでしょうか。早急に改革を進めていくべきでしょう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレきちんとしたデータや取材に基づいて、主に中学校における部活動が抱えている問題を指摘する本。
そもそも部活動は教育課程外の活動であるにもかかわらず、教員は強制的に部活動の顧問にさせられる。部活動は朝練習も、放課後練習も、週末の練習も、当然ながら勤務時間外。そして、自分がやったこともない競技の顧問をさせられた場合、その競技について勉強したり、審判できるように訓練を積んだりもしないといけない。顧問の指示で活動させている途中に生徒がケガをしたり、熱中症になったりしたら当然責任を負う。部活動内のいじめにも責任を負わなければならない。だからそうならないように、常に気をつけなければならない。でもそれは本来の仕事ではない。
私も15年間、苦労しながら部活動の顧問をしてきた。自分の学生時代は運動部に所属したことはない。本来の仕事である学級経営、授業のための教材研究、教科の勉強や研修に加え、土曜も日曜もなく部活動に時間を割かれるのは苦痛だった。楽しみでやっている立派な教員もたくさんいる。スポーツが好きで、部活動の顧問にやりがいを感じ、それがあるからこそ仕事が続けられるという方もたくさんいるから、そういう教員は素晴らしいと思う。大変尊敬する。私もそうあらねばならないと思いながら、それなりに努力もしてきたが、部活動以外の本来の!本来の!業務だけでもすごく大変なのに、私は部活動に楽しみを見いだせない。とにかく、休日は休まないと疲れる。
でも、これまで5つの学校に赴任したが、「部活動の顧問にならなくていい」という選択肢はまったくなかった。一度もそういう選択肢を示されたことはないし、議論になったこともない。部活動の顧問をしたくない、という発言は許されない空気である。
だけど、そのことで悩んでいる教員は実はたくさんいる。たくさんいるのに声を上げられずにいる。理由は「みんながしているから」。
これって、間違っている。みんながしているからおかしいと思っても声を上げない、というのは、いじめを黙認するのと同じような心理じゃないのか?教員がそんなことでいいのか?いや、だめだ、、、とこの本を読んで強く思った。さて、「私もう二度と部活動の顧問しません!」と言ってみようかな。
きっと大変なことが起こるだろうな・・・・・・・・・・・・・。 -
Posted by ブクログ
子どもを巡る、保育、養護、療育、貧困対策、性の多様性、居場所作りなどについて各テーマごとにコンパクトにまとめられており、第一線で活躍しマスコミにもよく登場する筆者たちが現場発の生の声で語っている。
今保育士の受験勉強の途中で、児童養護や福祉について学んでいるので、乳児院や養護施設、里親、虐待からの保護などいろいろディープな環境にある子どもたちの事情に興味があって読んでみた。
正直読んでいて辛くなる。
一般人に縁がありそうなのは保育園の待機児童問題くらいで、その他は不幸にして家庭や親に恵まれなかった子たち、または、生まれつきの障害や性的マイノリティーなどの苦労を負った子たちだ。
しかしその子たちに罪はないわけで、より傷つかず幸せな人生が送れるよう周りの大人や社会が配慮してあげる他ない。
家庭というスタッフ差し替え不可能な閉鎖環境での子育てではなく、スペシャリストの介入を受け入れながら幅広い人たちに見まもられる成長が、普通の子にも苦境にある子にも与えられるとよい。
江戸や明治の頃のように養子や里子が一般的だったり、住み込みのねえやや下働きなど家族と従業員の中間みたいな人がいた方が豊かだった気がする。
夫婦を超えていく逃げ恥ではないが、もっと気楽に血縁を超えていけないものか。
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Posted by ブクログ
読もうとおもったきっかけは「ウワサの保護者会」で校則をテーマとして取り上げられていたのを見て。その時も著者の荻上チキさんが出演されていました。
校則の問題といえば昭和世代に中学・高校時代を過ごした人なら「私たちの頃は確かに厳しかった。スカートの長さとかいちいちチェックされていたけど、今ってその頃に比べたらマシでしょ」と思う人が少なくないようで。私もそうでした。
ところが著者が調査会社を通じて男女2000人およびツイッターのハッシュタグに投稿された事例を集めてみると、昭和並かヘタをすると昭和以上の厳しさと理不尽さが横行していたことが分かったとのこと。
本書の第一部は代表的な校則とその現状についてが書かれていました。中には「校則で決まっているのがわかっててあえて違反のものを着てくるのは確信犯でしょ」というのもありましたが、ギリギリビミョーなところでひっかかって、髪を無理やり染められた、濡らされた、下着を脱ぐことを強要されノーブラで過ごさせられたなど、そこまでしないといけないんだろうかと思うような理不尽な指導を受けた体験談が出るわ出るわ。
なにより驚き、腹が立ったのが、校則に対し疑問に思ったことを先生にぶつけてものらりくらりとした返答しかされず、校則改正のために動こうとしても話し合いの場さえ設定してもらえない、挙句の果てには行動を起こそうとした生徒が生徒会に立候補することを妨害するということが実際に起こっていたこと。まるで宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」みたい。
第二部は各専門家から多角的に見た校則の問題点について触れられていました。司法の観点からや校則によって経済的に負担を強いていること、校則によるセクハラや過剰な指導により不登校を招いた事例についてなど。
暗い話が続きましたが第三部ではブラック校則をなくすにはどうしたらいいかについては校則の本来の意味に立ち返って考察したものや、保護者も動いて校則が変わったケースなどが紹介されていました。
おかしな校則を変えていく為にできることは何か、その答えが完全に整理されて提言されているわけではないですが、ヒントになることが本書のあちこちに散らばっているように思えました。まず、保護者の立場としてできることは子どもたちが「こんなんおかしい」と言ったことに耳を傾けることと、本当に子どもたちの言い分が納得できれば子どもたち自身で校則を買えることをサポートすることだろうと思いますが、内申書という人質がある分、簡単ではないだろうと思います。
そういえばたまたま仕事で調べものをして知りましたが奈良市の複数の中学校では私服登校が認められているそうです。どんな経緯でそうなったのか、興味があります。