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生徒の「自主的、自発的な参加」に基づく部活動。それはこれまで、「部活動を通した成長」「能力の向上」「友だちとの深い結びつき」など、教育的な文脈で語られてきた。
しかし、統計データや教師の声を繙いていくと、「子どもの成長のため」を免罪符に、大きな矛盾や教員の負担が覆い隠されていることが明らかになる。
教育課程外の活動である部活動は、本来教員の業務ではない。にもかかわらず、「教師が部活顧問をするのは当然」と見なされ、強制的に割り振る学校が大半。早朝から夜まで、土日も休まず活動する部活は多い。日本中の学校で行われている部活動のほとんどが、教師がボランティアで行う「サービス残業」に他ならない。
また、自主的な活動であるはずの部活動への「全員加入」を強制する、自治体・学校も決して少なくない。
法的・制度的な位置づけが曖昧なのに、子ども・教師の両方が加入を強制され、そのことに疑問を抱かない。保護者も「当然のもの」として教師に顧問として長時間の活動を求める。そのような部活動のモデルで成長していく子どもは、このような部活動のあり方を当たり前に思い、再生産していくことになる。
「教育」「子どものため」という題目の裏で何が起きているのか。統計データや子ども・教師の声の解釈から、部活動のリアルと、部活動を取り巻く社会の構造が見えてくる。ほんとうに自発的で、過度の負担のない部活動へ向かうための、問題提起の書。
●部活の加熱化を示す大会数増
●部活動は教師のやりがい搾取?
●「自主的な活動」なのに全員強制
●顧問の「無償奉仕」を求める保護者
●週三回でも「部活動の教育効果」は見込める!
Posted by ブクログ 2021年03月13日
再読。2017年の本なので情報がやや古くなってはいるけど、学校部活動の負の側面から目を逸らさず見つめ、どうすれば生徒も教員も生き生きと活動できるかを考え、提言した本として今も高い価値があります。
部活動は教育課程外の活動であり、それゆえに規制がかけられず過熱し、強制性が強まってきた歴史があります。エ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月26日
部活動を全否定するわけではなく、肥大化した部活動の「慣習となっている非常識」を打ち破るための気付きがみっちり入った本。
子どもたちと向き合う教師が疲弊し、本来教えなくてはいけない学業に本気で向き合えていないことに対し、将来の日本社会への不安すら感じる。
この本が教師の方々だけにとどまらず、子を持つ保...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月11日
中学でも、高校でも、土日も休みがない運動部ですごしてきました。
とてもきつかったけれど、オトナになってから思うのは、そのときの自分の苦しみより、顧問の先生はいつ休んでいたのだろう、ということです。
当時はそんな気安く話すこともできず、引退してから部活を見に行った時の不思議なやさしい言葉から、ついつ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月09日
中学校や高校の部活動が,子どもたちの発達の場になっていることはみんな知っています。どの部活でどれくらい頑張ってきたのかが,自分の人生を語る上で相当の比重をもっている人もたくさんいることでしょう。教師側にとっても「おれは,この部活で頑張って生徒たちを成長させた」と密に自信を持っている人も多いことでし...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月24日
学校の常識は世間の非常識!
なんとなく、そうだろうなぁ
と思っておられる人は
確信をもって
間違いなく、それは本当に非常識だ!
と言えることでしょう
感情的に書かれた告発本では
ありません
事実と具体的な実例に基づいて
的確な指摘がされています
これは単なる「学校」だけの話でなく
今の「日本の社...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月22日
最近話題(?)の、教員における部活動負担について言及した本。
私は教員ではありませんが、高校教師の知人がツイッターで部活顧問の辛さを切々と述べていて興味を持ちました。
中高生時代は、「先生が部活に顔を出すこと」は当たり前だと感じていましたが、それが先生の生活の犠牲の上に成り立っていたとはつゆ知らず...続きを読む
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