あらすじ
●教員不足の原因は、長時間労働を生み出す「給特法」にある! ●教育現場を残業地獄から救う方策を各専門家が徹底議論! 近年、「教員不足」が加速している。小学校教員採用試験の倍率は過去最低を更新し続けており、倍率が1倍台、「定員割れ」の地域も出始めている。その根本原因は、ブラック職場と指摘されて久しい「教師の長時間労働」、そして、その長時間労働を生み出す「給特法」という法律にある。給特法の下では教師はいくら働いても「4%の固定残業代」しか得られず、そのために「定額働かせ放題」とも揶揄されている。この状況を一刻も早く改善するため、現役教諭、大学教授、学校コンサルタントら専門家が「給特法」の問題点の指摘および改善策を提案。教育現場を残業地獄から救うための方策を考える。
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Posted by ブクログ
心からの応援の意味も含めて星5つ。
私が年次研修で保育園と一般企業で実習し、一番驚いたことが、きちんと休憩時間があること。
普段は、休憩する暇もなく、やらざるをない仕事に追われ、睡眠時間を削って家でも仕事をし、土日も当たり前に出勤。もちろん残業代なし。
そういうものだと頑張ってきたが、やはりそれでいいはずがない。
本を読み、司法も守ってくれないことを知った。韓国の事例も興味深い。
業務量に対する考え方も、図にまとまっていて分かりやすい。給特法をなくすことが業務量削減につながると納得。
また、給特法のある現在の学校でも、様々な工夫で業務量を減らした事例が紹介されており、それもとても参考になった。
働かせ放題の教員の職場環境が改善し、健やかに働き続けられることを切に願う。
Posted by ブクログ
若い頃に教員を目指していた、独身未婚中年男性の自分から一言。
時々、就職氷河期世代を採用しては?という意見がネットで見られて、それ自体は推進すべきと思います。
ただ、今と同じ条件だったら、例え正規で採用しますと言われても、自分は応募しないです。こんなひどい条件で教員やろうと思いませんから。
条件変えずに正規で就職氷河期を採用するというなら、根本的な解決にはなっていません。
氷河期世代の採用もやりつつ、抜本的解決をしなくては元の木阿弥です。
自分は教員就職できればいいなと思っていましたが、まず大学に入って、ちょうど自分の頃から、中学の免許に介護体験が必須となり、その時点で中学免許の取得を辞めました。自分が介護体験できる能力がないと思ったのが第一ですが、加えて、教員免許のために介護施設に負担が行くことにも納得できなかったからです。
(もっとも、自分がその時点でふるいにかけられているという意味では、自分のような者は教員にならなくて良かったのかもしれません)
そして、教育実習に行って、自分は教科指導はできるけど、担任持ったりとか生徒指導はできないなと思ったので、教員になることを諦めました。
当時は自分に適性がない(今も正直、自分には教員の適性はなかったと思っています)と思っていましたが、今考えると、むしろ教員は教科指導をメインにするという考え方が欧米にはあると知り、日本の教育が絶対だとは思わなくなりました。
大学時代、ある教職科目担当の先生が「金八先生に憧れて教員になろうとするならやめたほうがいい」と授業中に言っていたことがあって、当時は何言ってるんだこの先生はと思っていたのですが、今考えると(その先生の意図とは違うかもしれませんが)それはある意味当たっていたのかもしれません。ああいう教員ももちろん必要ではありますが、と同時に「金八先生」ドラマの脚本が凄いと思ったのは、今世紀入ったあたりで、金八先生が職務に熱中するあまり、自分の家庭を顧みることができなかった、という場面を書いている点でした。
自分自身、20代30代では教員にならなかったことを後悔しましたが、現在の教員を取り巻く環境を見ると、悲しいことに、残念ながら教員にならなくて正解だったと思わざるを得ません。また、大学を出てすぐに教員になった人を見ると、ずっと「先生」と呼ばれてきたものの、それにあぐらをかいて人格を磨くことを忘れてきてしまったような人も少なからず散見されました。
一方で、大多数の教員は真面目に、子どものためにと働いています。そうした先生方のやりがいを搾取するのではなく、子どもも先生も報われる現場になっていくことを祈っています。自分には祈ることしかできないのが歯がゆいですが・・・。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 教師を苦しめる「命令なき超過勤務の強要」
第2章 時間管理なき長時間労働~給特法下の「見えない残業時間」
第3章 教育現場から訴える学校改善の方策
第4章 学校の働き方改革が「先生以外の人たち」とも無関係でない理由
第5章 学校現場での働き方改革~知られざる「リアル・ノウハウ」
第6章 給特法の「これまで」と「これから」を考える座談会
<内容>
「ブラック」だと言われて久しい教育現場。自分もそこにいるのが、確かに「働くこと」に関して気にすることはなかった。部活も生徒と一緒に楽しく(保護者などとの軋轢もなかった)やれてたし、授業準備も割と定時内に仕上げていたし、調べ物などは半分趣味のように家でも、読書やネットサーフィンで仕上げてきていた。が、今の若い先生や教育実習生を見ていると、「ブラック」だと感じる。若いときから時間管理ができていないし、授業準備もノウハウを持たないからだ。結果、どこかの指導案をマルパクリをしている。しょうがないところもある。この本では、第5章が最たるところだが、授業準備に時間が割けるように、それ以外の業務の改善策を提案している。部活はまた別の話のようだ。
Posted by ブクログ
こういった、
教員界隈の問題点を整理した書籍は
数多出ているけれども、
届いてほしい人には届いているのだろうか。
どうすれば窮状を知ってもらえるだろうか。