つくね乱蔵のレビュー一覧

  • 恐怖箱 厭満

    購入済み

    実に厭な

    胸糞が悪くなる本である。人格崩壊。一緒に暮らしている家族の過去。和かな仮面の下に現れる醜い顔。霊の方に正当性があるとしか思えない人間の真の姿。善人ヅラの極悪人。本書は、怪談というよりも、そういう人間の醜悪さが最後に残る。それにしても「厭」という字は「嫌」よりもすごくいやな感じがする。

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    2023年01月14日
  • 恐怖箱 厭熟

    ネタバレ 購入済み

    気になる

    最終話で、何が家族をおかしくさせたのか、とても気になった。

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    2021年01月14日
  • 荒魂怪談

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    神仏に関する怪談が集められた一冊。

    著者によって集まる怪談に傾向がありとても興味深い。
    その中でお寺や修験者に関する怪談を綴った橘百花氏の民話のような因果話や海を越えた海外の神について語られる卯ちり氏の怪談、そして一話のみながら思わずヒヤリとさせられる人間も怖い話の「檻の中」の斉砂波人氏と「裏の靖国」の鷲羽大介氏…。
    もちろん他の著者の方々の話も大変興味深く、また読みやすいものが多くとても満足な一冊。

    しかし後半に行くとかなりアクの強い著者が続くため(悪い意味ではなく作者の個性が強烈に出ている話が多いので)「実話怪談」というより立派なひとつの「作品」として捉えたほうが良いかもしれない。

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    2025年10月31日
  • 血反吐怪談

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    大好きなつくね先生の新作!
    現在進行形の実話怪談で、でもどれも日常生活に潜む闇みたいな感じで他人事とは思えず怖かった
    良かれと思ってやった事が最悪の事態を招いたり、たまたま見てしまった知ってしまった真実だったり……、最悪で最高でした!

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    2025年01月02日
  • 恐怖箱 厭満

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    ネタバレ

    “厭が満ちる”というタイトルは「家族円満」にも掛けているとのことで家族内、家族絡みの話がやや多いか。改めて言わずともこの人の怪談は常に厭度満載だが。終盤になるに従って話の厭さ悍ましさがさらに加速度を増していくのもお馴染み。

    印象に残ったのは、
    ・その部屋に住むと米の飯が一切食べられなくなる「腐り米」
    ・一家揃って死に絶える際に異様な長い叫び声が響く家「サイレン」
    ・公私で失敗や不運が続く男が突如知ったその理由「なるほとね」
    ・一族の恥として軟禁された妹と、唯一人心を通わせていた姉「姉妹」
    ・座敷童子と暮らすことを夢見た男がようやく手に入れた家とは「座敷童子に会いたくて」
    ・知人宅のクローゼッ

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    2023年08月14日
  • 恐怖箱 厭福

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    ネタバレ

    タイトルは「ありとあらゆる“厭”の詰まった福袋のようなもの」の意らしい。生身の人間の“厭”を見せつけてくる話、生きていて“厭”に遭うのは条理ではないという話、ほんの好奇心が“厭”を招く話等々、相変わらず救いのない話ばかりなのだが、中には当の本人には望んでいた結末、救いだったんではないかとも思える話もあり。読者含む他人にとっては厭な話に変わりはないのだが。
    この手の“厭”には、自分の残りの人生もおいても遭わずに済むよう願うばかり。

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    2023年04月20日
  • 実録怪談 本当にあった怪奇村 無差別

    ネタバレ 購入済み

    村の中の格差の悲劇

    独特の風習を残す村というものは21世紀の今でもあると思います。特に祭りなんて有名無名を問わず何百年続いているというのもありますよね。
    この作品はその伝統の祭りの知られざる裏側の話から始まります。その裏側というのが何とも酷い話で同じ村でありながら格差があるんですよね、所謂差別というやつが。こういうムラでの悲しい事件がとある県であったのは記憶にあります。怪談というよりも悲哀な話かも。

    #ダーク #切ない #深い

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    2023年03月27日
  • 恐怖箱 厭福

    購入済み

    厭な怪談

    他人に見えない存在が自分にだけは見える・感じると言う状況以上の厭なものはないだろう。この本には悍ましい厭な話が収録されているが、本当の厭な話は後書きの最後にある。どうか最後まで読んで頂きたい。

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    2022年01月25日
  • 恐怖箱 万霊塔

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    ネタバレ

    一番怖いのは「入ってはいけない家」。警備の仕事をしている語り手が、警備のために入った家は、呪われた家だった。入ったら最後、という容赦ない展開。この本は数冊読んだが、自己責任系は初めて。 家の中を撮影した写真を目にするだけでアウトとか厳しすぎる。しかもこの本最後にその見てはいけない写真が載せてあって(当然、入ってはいけない家であらかじめ掲載してあることは説明してある)、うっかりチラ見してしまった。筆者のあとがきの後にもうワンクッションあると思ってた……

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    2020年09月21日
  • つくね乱蔵実話怪談傑作選 厭ノ蔵

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    タイトルに違わず、「厭な怪談」が詰まった一冊。
    爽快な読後感や、ほのぼの系怪談を望む人には不向き。
    好きな人にはハマりそう、と、好みが分かれると思われる。

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    2020年06月12日
  • 恐怖箱 厭還

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    作品紹介にある通り、「厭な話」が多い。
    死に関するもの、救いのないものなど、読後の爽快感を期待する場合はオススメできない一冊。

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    2020年01月06日
  • 恐怖箱 万霊塔

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    ネタバレ

    この著者ならではの厭度は相変わらず。既刊の「恐怖箱 禍族」収録の話もいくつかあったような(そっちはもう手元にないので確認できず)。
    印象に残った話をなるべくネタバレにならぬ程度に。

    「効果抜群」:怖いというかその男性が哀れ。なぜそんなに家族から嫌われた?
    「狐と犬」:稲荷にそんなことしたなら当然の報いだろうな。むしろ荒れているのをきれいにしたなら……ってそんな展開ならこの人は書かないか
    「相乗り」:見える人にとってこのタクシー運転手みたいなのは本当に「厭」な客だろう
    「禍仏」:爺さん何でそんなもの持ってきちゃった……
    「虚ろの城」:そのマンションは城というより、巨大な※※だったわけか
    「走り

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    2019年03月21日
  • 恐怖箱 仏法僧

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    結局原因はなんだったのか?とモヤモヤと怖さが残るのが実話怪談。書き下ろしなのが嬉しい。
    「溶けた人形」「家族写真」が無気味さを残し「灯台もと暗し」で強い切なさを感じて印象に残りました。

    最後のつくね乱蔵さんのあとがきでゾッとした

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    2021年12月30日
  • 恐怖箱 油照

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    3人の作者が仕上げた850頁分の作品から
    選びに選んだ作品を収録している(まえがき)だけあって
    なかなかに粒ぞろいの話が収録されている。
    ケイブンシャ時代後期の「超怖」を思わせる逸品。

    つくね乱蔵の後書きによると
    今まで出せなかった作品を1編収録しているらしいが
    巻末の担当一覧を見れば。それはすぐに想像がつく。

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    2011年09月04日
  • 荒魂怪談

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    神様に関わる怪談は、それ相応の罰的な展開になるのがやっぱり怖い。
    神様に頼るときや何かいけないことをするときは、それ相応の覚悟を持って。
    死ぬ気で向き合えること以外は、安易に関わってはいけない。それは、良くも悪くも。
    そう思わされた。神社散歩とか、本当にいいのか?とか、薄っすら思った。
    もっと下調べしてから色んなところに行くべきだと思った。
    あとは神様や近しい存在に対して失礼な態度を取る奴が、人間には良いことをしているなんてあり得ないので。
    宗教観とかそういう観点ではなくても、その人たちが心から大切にしているものを粗末に扱うようなことは、何だろうとダメってことで。
    私も気をつけます。

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    2025年11月20日
  • 恐怖箱 怪画

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    専ら絵には縁も興味もないので、全く身近に感じることはないんだけど。
    画廊にも近寄りたくないし。
    絵描きさんとも知り合いになりたくないし。
    絵画を買ったりも、買おうと思ったことはないけど。ちょっと無理。
    絵を貰ってきただけで、両親が突然死するなんて割に合わない。

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    2025年11月20日
  • 呪物怪談

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    怪談集らしい変な話、荒唐無稽な話も多いが、この本を読んで一つ発見したことがある。

    呪いなるものは理不尽で不条理であることがむしろ面白い。
    呪われる経緯があって酷い目に遭う話もあるが、こと呪いに関しては、そこに呪物があったから呪われたなんて交通事故めいた理不尽さがむしろ「呪いらしさ」を出すような気もする。
    祟り信仰的な心持ちだろうか。

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    2025年08月13日
  • たらちね怪談

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    ネタバレ

    母に纏わる怪談
    娘の祝い事に現れる素っ裸で踊り狂うジャンキーの母親の霊という衝撃な話から始まる

    母の愛っていう話は少なく、まさに怪談が集まってる

    「アンタ、何で生きてるの?」って娘に問いかけ精神を削る母親の霊も怖いけど、母親のことを頑なに話そうとしない父親もなんか薄気味悪い

    「創母」はイマジナリーフレンドならぬイマジナリーマザー、創った母と見た目も声もそっくりな再婚相手は偶然なのかな..?未来予知的な...?

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    2025年06月24日
  • 血反吐怪談

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    私は踊る影がめっちゃ想像したら恐怖でした。
    しかも揶揄したように真似ているって、超絶怖い。

    あと、闇金黒田くん。
    ヒトコワもありそうで、興味あり。
    でも3作で綺麗にまとまっているから、あれで終わりなのかな。

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    2025年01月16日
  • 呪術怪談

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    ちょっとNot for meかなと思いつつもジャケがカッコよかったので手に取ってみた、呪術にフォーカスした実話怪談コンピ。
    呪術というと呪う方と呪われる方、つまり因果と応報があって、その間にある呪いという“わからなさ”よりも、人の怨みや悪意が怖いのかもしれない、そんな話でもつくね乱蔵さんの各編は体験も語りも厭さも流石だな、などと思いながら読み進めていたけれど、後半に収録されている久田樹生さんの長尺の一編「巧妙」が「本当に呪われているのか。呪われているのなら目的は何か。全てが分からない」まま長期間に渡って進行していく話で凄かった。更には最後に紐解かれそうになりつつ隠されたまま終わる因果にも人の禍

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    2024年12月22日