あらすじ
「なぁあんた、顔見せてくれよ」
空き家に出る俯いた女の霊。
どうしても顔を見たくなった男は家を借りて…
「顔を上げて」より
闇に捧げた代償。
怪が齎す黒い福。
思わず呻きたくなる実話怪談35話!
祖父の家の三番蔵。けして入ってはならぬ理由とは…「ゆらゆらと」
供えて欲しいものの匂いを醸す仏壇。ある日出てきた禍々しい匂いの正体は…「リクエスト」
コックリさんを手元で祀ることを考えた少女、果たしてその御加護は…「パワースポット」
呪われた家の解体作業で死んだ父。父の写真が一枚も残っていない理由とは…「家」
どんな店も半年もたない曰くつきの物件。関係者が皮膚病になるのだが、壁を剥がしてみると…「肌ざわりの良い壁」
木から落ちたのをきっかけに予言を口にするようになった娘。ある日改まって告げたのは…「予言、すべて的中」
他、内臓がねじ切られるような35話!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルは「ありとあらゆる“厭”の詰まった福袋のようなもの」の意らしい。生身の人間の“厭”を見せつけてくる話、生きていて“厭”に遭うのは条理ではないという話、ほんの好奇心が“厭”を招く話等々、相変わらず救いのない話ばかりなのだが、中には当の本人には望んでいた結末、救いだったんではないかとも思える話もあり。読者含む他人にとっては厭な話に変わりはないのだが。
この手の“厭”には、自分の残りの人生もおいても遭わずに済むよう願うばかり。
厭な怪談
他人に見えない存在が自分にだけは見える・感じると言う状況以上の厭なものはないだろう。この本には悍ましい厭な話が収録されているが、本当の厭な話は後書きの最後にある。どうか最後まで読んで頂きたい。