麻生ミツ晃のレビュー一覧
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前半部分の秋沢がただただひどくて楠田さんにひたすら同情。話しが通じないということの恐怖と諦めの先にあるものが、あの形でしかなかったのも頷ける展開。
しかし視点が秋沢に移った後半を読み進めるにつれ、秋沢はなんてかわいそうな男なんだろうと思えてきた。愛してる男の気持ちが全然わからないという点では秋沢もある意味同じで、加えてこの世界との齟齬…。
まぁだからと言って秋沢のした行為を許すことは私には無理なんですけど。シリーズ内で作中一フラットで優しかった楠田さんには一般的な形で幸せになってほしかったので、終わり方にモヤモヤしたものは残るけど、こういう一筋縄ではいかないところも含めて木原作品だよな、と。 -
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ネタバレ作者ならではなのか、このシリーズだからなのか……甘い展開があった後にはがっつり落とされますね。かなり痛かった……というか酷い。
秋沢くんの常識のなさやら感受性の鈍さは読んでて呆気に取られるばかりですが、それでもやっぱり楠田くんの事が好きな気持ちは純粋にあるのが、アンバランスでモヤモヤしました。
こんなにも理解しあえない相手に対して、それでも情が捨てきれない楠田君は、やはり役者としての秋沢くんに惚れた弱みなのでしょうか……それほどまでに引き付ける才能ってある意味すごいですね。人間的にはほんとダメな子ですが。
この二人が幸せになれる結末は全く想像できないのですが、すずめの涙ほどの歩みでも秋沢くんの心が成長してくれればそのうち穏やかに幸せを感じられる時がくるかもしれないですね……そんな根気ある人いるだろうかとも思ってしまいますが。 -
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ネタバレ新刊待っていました!
COLDシリーズの透が大好きなので楽しかったです。
大概 透もあかん、どうしようもない奴感があるんですが、今回の攻め様はもっと上を行っていて笑えました。
ダメ人間を描かせて、なんでこんなかっこよく見えてしまうんだww木原マジックカッコいいwwでした。
秋沢が、自分はとっても愛されてると思いこんでるさまが可愛くてかわいくて!!!!
疑えって方が無理だけど、一波乱バーン!と来るのが楽しみです。
楠田が早く秋沢を心から好きになってくれるといいな―。
もう十分好きだけどさ。
60歳のおじさんと蛍デートが絵面的にシュールでしたww
でも今作はCOLDシリーズ、と思うとスピンオフでも心が痛く無く読めてしまったので、ニューヨークに心切り裂かれるのが待ち遠しいです。
楽しかったです。出版してくれてありがとうございました!
来月が楽しみです♡ -
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『only you,〜』が凄く良かったので、麻生さん作品遡り読み。 この作品も良かった!
表題作は高校の同級生の再会モノ。 昔から悪目立ちしていたゲイの金谷×チビでデブの『チデブ』こと川口。 卒業式に手酷く断られた川口がダイエットして痩せた姿で同窓会へ…
健気〜(*´Д`) 川口視点で話が進むけど、金谷も川口が印象的で忘れられなかったとか可愛い! 自分に自信がないと「諦め」からスタートしたり、憧れの相手像を勝手に作り上げたり… でもそれは、あくまで「自分の頭の中」なんだよね。
金谷が良い意味で裏切ってくれるキャラなのが素敵だったのと、この頃から画力が素晴らしくてエロも濃厚で満足度高いな〜♪ でも、もっとこの2人が読みたかった!!
他の収録作も面白くて「読ませてくれる」作品ばかり。 二次元に三次元の質感をもたせられる稀有な作家さん! -
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リアル感いっぱいの、リーマンもの。丸ごと一冊ひとつの話なので、ものすごく読み応えがありました。絵柄が少し苦手な作家さんなんですが、胸に迫るものがあって引き込まれてしまいました。
男同士、しかも上司と部下で社内恋愛となると、そこには簡単に乗り越えることができない大きな壁が立ちはだかります。
同族会社の子会社に勤務する須藤は、武者修行中の常務の息子。その彼をサポートするために常務から送り込まれた主任の真木は、社内でも噂される生粋のゲイです。
互いに鬱屈したものを抱え孤独な心を持て余していたある日、須藤は2丁目で男といる真木の姿を見つけ、そのことをネタに半ば脅すように関係を迫ります。同じ会社の人間とは寝ない、と性癖をバラされることよりもリスクを負わないことを重視する冷静な真木に、さらに須藤は興味を示してきて。
二人の心の動き、心情の変化が繊細で丁寧に描かれていて、とても感情移入してしまいました。特に真木の心情は複雑なんですよね。身体を持て余して一晩限りの相手を漁っているのかのような出だしなんですが、大胆に見えて実はとても怖がりで臆病なんです。クール眼鏡でしっかりしているかと思ったら、実はとても脆いところがあって、そこに気づくとほっとけない気持ちにさせられます。
いずれは会社を率いていくだろう須藤の将来を考え、二人が別離を決意する場面は、辛かったです。
様々な試練が待ち受けているのですが、それは「常識」という形で二人を襲ってきます。会社が大切だったら当然だったり、結婚して子供をもうけることが当然だったり。
純粋な二人の想いが「非常識」と決定づけられ片付けられてしまう、そういう社会に腹立たしさを感じてしまいます。
そして、須藤と真木がそんな周囲に対してどんな結論をみせたのか、最後まで目が離せない展開です。
エロ的には濃厚です。リアルにはっきり描写しているのはすごいです。
しかし、萌えたかというと、うーん…
あまりに重い話だったので、Hより真木の心情に集中してしまった気がします。
よかったのは、ペーパーです!真っ暗なトンネルから脱出できた二人のラブラブっぷりが楽しめます。真木がかわいすぎる。ほっとしました… -
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異色と言われてなんで?と思うのは、私があんまりBLと呼ばれるジャンルを読んでいないからかもしれない。
BLの基本はハッピーエンドだというのは、ついこの前知りました。
確かにハッピーエンドじゃないのかもしれないんだけど、ドロドロと膿むような感情を、独特の透明感ある文章に仕上げる作家さんの力はさすがだと思いますし、そもそも本を読む時にBLだからというジャンル分けは必要なのか?とも思います。
さて、そういうわけで、これは、エロシーンとかハッピーエンドとかそういうBL必須要素を期待して読んではいけないということになります。
むしろBLというジャンルわけをすっきり追い出してから読んだほうがいいかもしれません。
でも問題は、BLじゃなかったらこの不協和音的なささくれた心持ちは生まれずに、作品の魅力もそのササクレ分だけ減っていたかもしれないという矛盾がここに在るということです。
そういう意味では充分問題のある作品でしょう。
ジャンル分けに関して問題を多く含む作品は実は私の好物の一種なので、朝丘さんと言う作家さんにますます持っていかれた気分です。
澱を沈めた透明感をぜひぜひ今後も味わいたい。 -
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パッと目を引くような作品ではありませんが、深く考えさせられる話でした。他人事としてではなく、まさに自分に降りかかった出来事のように感じながら読ませるストーリーです。
交通事故を起こしてこん睡状態のまま年月が経ち、奇跡的に目覚めた時には8年の年月が流れていた…という「今浦島」な裕真が主人公。裕真の事故当時の記憶はすっぽり抜け落ちていて、目覚めた時傍らにいた青年が誰なのかもわからなくて。
自分が知らないうちに周りはすっかり変わっていた、ということが自分の身に起きたらパニックになりそうです。小学生だと思っていた英俊が急に20歳の大学生になっていた、姉は結婚して子供を生んでいた、自分は28になっていた…という現実をひとつひとつ受け入れなければいけなかった裕真の心境が胸に迫ります。
それに、記憶喪失だけではなく家族の気持ちや身体機能の回復についても余すところなく描かれていて、思わず感情移入してしまいました。
8年もの間、ずっと裕真を見守り続けてきた英俊の心境も「雲の間」の章で仔細に語られていて、愛する理由にすごく納得しました。
裕真の家庭はあまりにも類型化というか紋切り型の壊れ方で、食傷気味なパターンでしたが、英俊がひと際光っていました。
誰も親身になってくれない子供だった英俊に手を差し伸べた、唯一自分を見放さない大人、それが裕真だったんです。
息苦しく理不尽な幼少時代を過ごして、成長と共に反発することを覚え、そのままならかなりアブナイ方向へ進みかねなかった英俊は、裕真にめぐり逢ったことで軌道修正できたんですよね。とても特別な存在であるのがひしひしと伝わってきました。
ところが、交通事故で一変してしまうのです。
BLというよりも、もっと広い意味での愛情もたっぷり感じられます。
「星の王子さま」のエピソードが良い絡め方になっていて、とても感動しました。「星の王子さま」自体にが好きで、それだけでかなり弱いというのもあるんですが。
裕真のお世話を一生懸命して、時には拗ねたり甘えたりする英俊の大型わんこぶりが微笑ましかったです。英俊に流されたのか?と心配になった裕真ですが、ちゃんと自分の人生を大切に生きようとしていて、前向きで真摯な姿に安心させられました。 -
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まさに異色のBL。
今まで読んできたBL小説とは全然違う雰囲気のお話です。
ハッピーエンドが好き!という方は、ちょっと……なってしまうかもしれません。悲恋や切ないお話が好き!という方は良いかもしれません。
私は割と何でも好きなので、胸をきゅーっとさせられながら読みました。
男の先輩に惹かれつつも、常識、普通という枠から抜け出せず、覚悟もできずに思い悩む主人公の姿は、少々イラっとしてしまいました…。
ですが、それは誰しもがそうなのかもしれないと思うと、共感する部分もあり、なんとも言えない気持ちになりました。
というか、主人公の彼女だったり相手の先輩が綺麗な存在すぎて、悩んじゃうし比較しちゃうよな……。うん……。
そして、まさか「晴れの雨」のキャラクターが思わぬ形で出てくるとは!読みながら、やられた!とドキドキしました。 -
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主人公は、大学の時から20年間連れ添ったアラフォー同い年の、大学教授×中堅小説家。倦怠期を維持して同居人レベルの関係になってしまった二人です。綾小路き●まろも驚きそうな、馴れ合いすぎて新鮮味を失くした♂×♂cpのリアリティあふれる「熱愛のその後」
よく言えばしっとりした大人の話で、穿った言い方をすれば夢もロマンもないビターな切り口で、表題作のみだったらBLとは言い難いです。男女の夫婦でありがちなことが、男同士のcpで描かれていているんですよね。
でも、興味は湧きます。
特に、男同士という壁を乗り越えて結ばれた二人が、王子様とお姫様のようにめでたしめでたし、末永く幸せに暮らしました、などとおとぎ話のようにはいかないことを知っている読者には、溜飲の下がる思い。シビアだけど。
どんな熱愛カップルでも、夫夫ゲンカもすれば、浮気もして、心が離れてしまう事もありえるのです。事実はそんなもの。
大学教授の洸一と作家の千里も、例にもれずささいなことでケンカになり、家を出たのは攻の洸一でした。憤懣やるかたない洸一はヤケになり、夜の新宿で自分の子供くらいの年齢の健太と知り合います。そして、なりゆきで遠くに行きたいという健太と3日間一緒に、東北を旅する事に。千里と面影が似た健太と、生まれ育った場所に近い地方を旅行することで、洸一は忘れていた愛する人への想いを甦らせるのです。
ケンカしてキレて家を飛び出した洸一が、冷静になって自分を見つめ直す様子が淡々と、丁寧に描かれていて切なくさせられました。色っぽいシーンはなかったけれど、洸一の気持ちが全部頷けるくらい上手く描かれています。
書き下ろしは同じ時間が千里視点で読めます。これがまた面白かった!2004年の投稿作品だった表題作より、垢抜けています。こちらはプラス、知りたかった二人の大学時代の出会いから恋人同士になるまでが、千里の回想という形で知ることができるのがポイント。昔を思い出すことによって、千里の洸一への情熱もまた熱く甦るところがステキでした。セックスレスだった二人のお久しぶりなベッドシーンに照れました。
「未来航路」は、グッと軽いタッチでラブ復活ぶりが上手く描かれていて、湿っぽさを一掃しています。健太のこともきちんとおさめていて拍手。 -
Posted by ブクログ
COLDシリーズ、この長編をコミカライズするのは絶対難しいんだろうと思っていたので雑誌ではじめて読んだときは衝撃すら受けました。画風も雰囲気も全てが原作を読んだときイメージしたものとぴったりでした。
原作ファンの中には原作の方があまりにも良作なので漫画化などありえないと思う方もいると思います。確かにテンポは少し速い。でもそれは仕方ないですね、色々事情があるわけだから。
だけどやっぱり原作のファンとして、しっかり麻生さんの繊細なタッチで再現されたこのシリーズの二人に漂う切なくて儚くて尊いとも言える思い、雰囲気をぜひ味わっていただきたいです。
雑誌でずっと連載分を追ってるので単行本は書き下ろしのため購入しましたが、木原先生の書き下ろしショートノベルがずっしり載っていて、もうこれだけでも充分価値ありだと思いました。
しかしこのシリーズ、ここから先が大変ですね。漫画もちゃんと見守っていきたいと思います。あの二人は扱うのが大変だぞ。麻生さん、頑張ってくださいね。