稲田豊史のレビュー一覧
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ネタバレクロス・マーケティング「動画の倍速市長に関する調査」(2021年)では、
倍速で動画を見る人の年代別(20代>)・性別(男性>女性)の割合や、倍速で見たいと思うコンテンツ(1位ドラマ、2位ニュース、…)などの結果がある。全体として倍速視聴傾向が強い、という感じではない(よく倍速で視聴13%)ものの、
若者に絞るとまあまあ多めということで、主に若者がどのように動画を視聴しているかを探り、論じられています。
すでにこの調査からも5年たち、倍速やスキップ視聴はもっと普通になっているかと思い、時代はどんどん進んでいるのだなーと思いながら読みました。 -
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スマホとSNSとAIは、あっという間に私たちの情報環境を変えてしまった。本書が紹介する若者たちの証言は本当にぐさりとくる。
タイパ良く、文脈関係なく、簡潔な結論を簡単に手に入れる。そんな環境の中では、本を読む道理が見つからない。情報を手に入れる「だけ」の本はいらないのだ。
本は消費される情報「だけ」ではない。建築と同じく、総合的な「体験」でもある。しかし、そこを知らなくても生きていけるし、知性を磨くこともできるといえばできる。そういう時代になったのだ。
とはいえ―。
多くの人たちが考えなくなり、話し合えなくなり、怒りをぶつけるしかなくなるような社会になりやしないか。ただただ不安だ。 -
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タイパを求める若者を嘲り貶めることでオジサンたちが気持ちよくなる、というモノではなく、現在のコンテンツ消費の実像を見つめるという本だと思いました。が、快適主義と他者性の欠如の章では、物申したさが抑えられてない感じも。
早送りしてまで得ようとしているモノが何なのか、
そうせざるを得なくしている世相と、そのムードを生み出している背景的理由(経済的理由、テクノロジー、教育など)について論じています。
平易な文体という事もあり、あるあるトークで終始するのかと思いましたが、色々な視点・観点を取り上げて整理してくれていると感じました。
一方で、同じ人の弁が多く取り上げられていたり、こう言ってる人がい -
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三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』やレジー『ファスト教養』の源流とも言える、現代コンテンツ消費論の先駆的一冊。2022年の刊行ながら、現在蔓延する「タイパ至上主義」の構造をいち早く言語化した功績。
特筆すべきは、学生や社会人への綿密なインタビューを通じ、実態を「足で稼いだ」フィールドワークの姿勢。倍速視聴の根底にあるのは、単なる忙しさや効率化の追求だけではない。サブスク普及に伴う「見なきゃもったいない」という貧乏性と、「共通の話題に乗り遅れたくない」という同調圧力。この生の声が持つ圧倒的な説得力。
膨大な作品群を前に、私たちはいつの間にかコンテンツを「味わう」のではなく「処理 -
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副題に「映画のなかの集合住宅70年史」とあり、映画やテレビドラマにおける団地の扱いを語る座談会や評論・コラムなどを収めた本。
本書で扱われるのは、ほぼ日本と韓国の映画であり集合住宅であって、それ以外の地域の言及は少ない。「団地」という言葉にイメージの合う集合住宅が他の地域にはあまりないということかも知れないが。
個人的には、私の近辺(松山、高松)にある団地というのが本書で言及される映画等で描かれるものとは違って、極めて貧乏くさく窮屈にして設備が貧相であるのも気になる点で、東京の団地はいいなあ(あんな充実した団地だったら、今から住んでもいいけどなあ)。四国の地方都市にある公営住宅では、小説・映画 -
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「アラサー女子は、なぜこれほどまでに、欲張りで、自由奔放で、ワガママなのか?」
2015年刊なので、ここでの「アラサー女子」は、1982〜93年生まれ…本書で言うところの「セーラームーン世代」(つまり、アニメ版『セーラームーン』に夢中だった世代)にあたる。
私自身テレビアニメは熱心に観ていなかったけど、「欲張り」「ワガママ」…というのは、聞き捨てならんなー笑
しかしよくよく紐解いてみると、「欲張り」や「ワガママ」というのは、「ガツガツしている」のとはニュアンスが違っていた。
自分らしく堂々と生き、大事な瞬間は自分の力でキメる。もちろん、オシャレや友情・恋愛にも一切妥協しない。(バブル期世代は -
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副タイトルの「破天荒ポテトチップ職人」に惹かれて読みました!
取材や調査を重ねて書籍の形に仕上げるのは相当大変だったと思います。筆者の丁寧で綿密な仕事ぶりが垣間見えます。全体的に、ビジネスマンとかが好んで手元に置いておくタイプの本だと思いました。
破天荒の正しい辞書的な意味を再確認しました。タイトルにも意味が込められているらしいです。
やはり戦争の時代を知っている人たちのバイタリティと熱意は(もちろん人によるが)現代人とは何か質が異なるものがあるのではないかと思いました。清吉のこれまでに培ってきたものを全部使って本気で生きようという精神に圧倒されました。
人間離れしたハングリー精神の塊を持つ -
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広辞苑 第七版には、ドキュメンタリー「虚構を用いずに、実際の記録に基づいて作ったもの。記録文学・記録映画の類。実録。」とかかれているそうです。
しかし、著者はこう言います。「ドキュメンタリーは虚実ないまぜ、意図と作為の産物である。」「ドキュメンタリーは虚実皮膜(だから面白い)、被写体も作り手も本心を隠しているかもしれない(から面白い)。」と。
広辞苑の説明とはずいぶん異なりますw
たとえ実際の記録に基づいて作ったものだとしても、切り方、つなぎ方は製作者の意図によるものであり、そこには製作者が視聴者に伝えたいことがデフォルメしてまとめられています。ワイドショーの記者がインタビューをして -
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ネタバレドキュメンタリーが、より恣意的である、ということは百も承知。それを、分かりやすく実例を通じて解説してくれている。
やはり鑑賞済の作品は良く分かる。
『主戦場』などは、なるほど、と大きく首肯しながら読んだ。
また、被写体との距離、関係性の濃淡で捉え方が異なってくるという指摘も面白かった。
確かに、日本人が撮る日本の姿と、他国の人による切り取り方は明らかに異なるだろう。
それが、何を意図し、結果、何が見る側に伝わるかは、送り手の予想を超えることも、ままあろうかと思うが。
見る側は、そうした、制作サイドの意図や、被写体との関係性や、見せ方の技巧をよく吟味しつつ作品を理解する必要があるし、結局、 -
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ネタバレ映画、マンガ、小説、歌などのフィクションに描かれた
女性性(オトメゴコロ)を読み取り、分析を試み、
文科系中年(男)が学ぶべきエッセンスを示す
という内容。
かなり偏っているな、とは感じるものの
当たっていなくはない、とも思う。
特に、今まであまり見なかったものとして
高キャリア女性について、なかなか正確な気がする
●キャリア女性がパートナーに望むのは
キャリア後の孤独を埋めるパーツ
●良好な夫婦関係とは良好な雇用関係
快適な家庭とは快適な職場
この本から学ぼうとする文科系中年男性は
学ぶものより、失う希望の方が大きいだろうな・・
ただ、本、映画、マンガの紹介本として読むと
か -
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これまで男性側から離婚の話をじっくり聴く機会なんてなかったので、興味津々で読みました。
でも、結局のところ経緯や理由には顕著な性差はさほどなくて、やっぱり個々に抱える問題なんだなというのが正直な感想です。
ただ、こういうインタビューに答えてくれて本にも載せられるくらいだからなかなかのクズ(本人ないしは元配偶者)が集結してるのが、あくまでも他人事としてなので面白かったです。
個人的には重回帰分析を用いて妻の不貞のスケジュールを炙り出した人の話が一番読みごたえありました。
あとやっぱり「不倫にはカカオトーク」っていうのは都市伝説(?)ではないのだと変なとこで感心。 -
Posted by ブクログ
○ありのまま自分・全肯定
○のび太とドラえもん(団塊ジュニア〜)⇔うさぎとルナ(アラサー)
万能の他者を探す⇔自己変革・進化
魚を与える⇔釣り竿を与える
○かわいさや少女性に商品価値があることに気づいた上でかわいげをキープし続ける
○母娘共演の物語構造→母性感の獲得・博愛主義(敵も親友たちも彼氏も娘も)
○80年代のナウシカ、90年代のうさぎ
高潔×美少女×母性×神性
○女子の欲望すべて(⇔男受け)
egg,SPEED,プリクラ,ASAYAN
○同タイミングに3つの世代のシンボルとなった赤名リカ・森高千里・セーラームーン
○LGBTや多様な愛への寛容性