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なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。なんのために? それで作品を味わったといえるのか? 著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか? いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか? あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んだけど、今年一番くらったかもしれません。 タイトルにもある「映画を早送りで観る」だけではなく、様々な形でコンテンツの「消費」が加速していることとその要因について色々な角度から触れられています。 特に若い人達が取り沙汰されますが、そこに対して相容れないなりに理解しようとするリサー...続きを読むチの仕方、そしてそこから社会学のようなアプローチで要因を紐解いていくので、誰かに対して否定的な内容でもなく、とても読みやすいです。 かくいう私も「ああ、自分もコンテンツを消費しているのか」と事例に当てはまり、その要因を紐解かれて、「確かにそうかも」と納得してしまいました。 「効率性を求める資本主義」というのが一因として語られており、そこから「正解を先に求める(ほうが効率が良い)」というトレンドが取り上げられていますが、この本で問題提起された内容に対する正解はなく(少なくとも明記されていない)、「このままでいいとは思えないけど、どうしたらいいんだろう」と改めて自分に問い直しながら読むことでまたグッと味わい深くなる一冊です。 仕事においてもすごく大事な(かつかなりの人が見落としていそうな)示唆も多く、是非色々な人たちにオススメしたいと思いました。
私自身は早送りする/しないを作品により使い分けする派です。するのは主に民放のドラマ(の軽めに見てるやつ)。映画も含めて観たいものが多すぎます! 本書は、決して早送りに対しての非難を主張しているわけではなく(もちろん問題意識はありつつ)、その背景や実情を丁寧に調べたり聞き取ったりして考察し、さまざま...続きを読むに論点を可視化してくれているメディア論、文化論です。 「倍速視聴が現代社会の何を表していて、創作行為のどんな本質を浮き彫りにするのかを、突き詰めて考えることにした」(p.296)。 結果、私も時代の必然なのね、、と理解に近づきました。インターネットの功罪により表出した現象の一つなのでしょうね。 世の中が忙しくなるに伴って、共感強制、わかりやすさ、コスパ・タイパ、など、エネルギーの振り分け方がずいぶんと変わってきた気がします。 ジャンルを深掘りし、体系的に知ることは元来、根気のいることで、私には到底できるものではないけれど、本当に好きな観たいものを絞ってじっくり観ようかなという気持ちになりました。 リミットのあるものを先に観て、本当に観たい映画や、読みたい本はどんどん後回しにするクセがあるので。。 『さらばのこの本ダレが書いとんねん!』で著者が喋っててめっちゃ面白かったのも追記しておきます。YouTubeで番組?の公式配信もあると思います〜。
映画を倍速で見るなんて信じらない、、と批判的な考えをもって読み始めた本書。 ところが批判的な考えと対立する現代の若者(主にz世代)の意見から考察されるそのようにせざるを得ない理由が、なんとも考えさせられる内容だった。 周囲の環境や時代背景(主にSNSの普及)が昔とは大きく異なること。若者には、彼...続きを読むらの教育背景に根差したオンリーワン(個性的)になりたい欲求があること。あるいはファスト映画に類似するような現象は実は昔からあったが、最近になって表面化しているだけではないかということなど。 新しいものに対しては必ず批判的な声はあがるが、一度立ち止まってその背景や根拠を考察するのは非常に意義のあることであると実感した。
現代はコンテンツの量が膨大なため、映画などの娯楽は本来楽しむもののはずなのに なるべく時間をかけずに消費されてしまう傾向にある。話題についていくためや、自分が”様々な作品を知っている”というステータスさえ手に入れば良いという、目的が手段化してしまっている風潮に本書は警鐘を鳴らしています。 情報自体が...続きを読む目的のコンテンツなどは早送りしてもいいが、映画などの作品は早送りすることによって本来の作品としての良さを著しく損なってしまう。それでは本当に楽しんだとは言えない。楽しいものならできるだけ時間をかけてじっくり楽しみたいはずだし役に立つことだけが大事なことじゃない。無駄と言えるものにこそ価値があってそこから情緒が生まれる。感動が生まれると思います。 自分もソーシャルネイティブなので、現代人がコスパ タイパ重視してしまう気持ちはすごく理解できますが、それでも作品を早送りしてしまうことには反対の立場を取りたいです。(近い未来そういう考えは老害として笑われるかもしれないケド、、) 効率ばかりを重視してしまいそうになったらこの本を思い出して、時にはゆっくり時間をかけながら純粋にものごと(作品)を楽しむのもいいかと思います。
映画好きな方には是非読んでもらいたい!多角的な考察から、様々な事象が絡み合って映画を早送りで観る人たちが増えたんだと理解することが出来る。自分も映画を早送りで観ることには否定的。これを読んで、より映画館で映画を観ることの大切さを実感した!映画をより好きになった
僕はめちゃくちゃ倍速でネトフリを見てるのでタイトルに惹かれて読みました。 なぜそうなっちゃってるのかをいろんな角度から紐解いていて面白かった。消費者目線、クリエイター目線での考え等も書かれていて納得感のある内容。 感想としては、倍速視聴をする人でも自分とは違う理由や考えの人がいて、今の世の中を憂いた...続きを読むくもなったけれど、それでも今の楽で便利な世の中に生まれて良かったと思った。 決して倍速で見る人を非難するような内容だけでなく、終盤ではそれらの人に寄り添ったり、そんな今だからこその提案もあったりして、読んでいて不快になることは全く無かった。
私はZ世代の若者ですが、映画を早送りして観たことはありませんし、長い映画が好きです。この本を手に取り初めて、映画を早送りする人がいることを知りました。 友人に聞いたら、著書で書かれているように、映画やアニメで「退屈なシーン」は飛ばして観ると言っていました。著書では、そのような人の考えがわかりやすく書...続きを読むかれています。他にも、社会的背景や視聴者の変化により映像産業がどのように変化してきたかが解説されています。 作品を味わうのではなく、情報として処理する人が増えてきたということがよくわかりました。また、作品に感情移入したくないから飛ばす。という点は、感情移入しながら観る私にとっては驚くべき意見でした。
国宝を見た時に、この話をしっかりと理解して評価できる人が日本にそんなにはいないと感じ、なぜここまで流行っているか分からない。 と言った感想を持った自分の感覚は、正しかったのかもしれない。ほとんどの人は話題についていくために、情報として処理しているのだと思う。 国宝に散りばめられた心情を理解しているわ...続きを読むけではなく、立場が入れ替わりや、横浜流星と錦戸亮がかっこいいと言ったところに惹かれてだけの人も多いのだ。 3時間という時間はオープンワールドとしての映画を作るのに必要だったのかもしれない。 自分も監督に目を向けて体系的に映画を見てみようと想った。
「手っ取り早くオタクになりたい」若者たち ↑身に覚えがありすぎて攻撃力が高い ベースは理路整然、そこに時々ユーモアも挟まれていて、とても読みやすく興味深かった。ことあるごとに鬼滅の刃(特にアニメ)が槍玉に上がっていてさすがに笑ったけど。 個人的に、YouTubeを倍速で見ることはあっても映画やドラ...続きを読むマは作者(原作や監督や演者)に敬意をこめて集中した状態で観ようと思うことが多いから、倍速当たり前側の意見には度肝を抜かれた。が、新しい作品に触れるのは疲れる、お気に入りの作品をつけ流す、といった意見には心当たりがあって、ひやっとした。この時代を生きている誰もが、無自覚のうちに鑑賞者ではなく消費者になり得る可能性を秘めている…… 倍速視聴の背景には、①映像作品の供給過多、②多忙によるタイパ・コスパ至上主義、③わかりやすい作品の増加が根底にある。そして、これらの原因をたどると、同世代の言動がSNS上で相互に監視される状況の中で増大し続ける「個性的であれ」という強迫観念や、ファンではない「消費者」の声が届きやすくなったことによる視聴者のわがまま化と作品の説明過多などが浮き上がってくる。結局、インターネットの功罪と、かつてのようにお金や時間に余裕がある若者が減った(経済的な問題も踏まえて)という現状に収束してしまうのが少し惜しい。まあ解決策を提示できたら問題にすらなっていないだろうけど。 今もオタク(知識人)に憧れているし、触れる作品の数を増やせば知識の引き出しが増えてもっと自信を持って好きな作品や自分の抱える問題意識について語れると思っている。ただ、私ってちゃんと作品を愛せていたんだ!とも思えた。鑑賞の効率の悪さを負い目に感じていたけど、コンテンツ消費ではなく1作品ずつ向き合えていたと気づけたことは逆に自信につながったと思う。その意味で読んでよかった。 以下、興味深かった箇所 ・「おもしろい」と声をあげるには勇気が必要。あらゆる人が傑作と認める勝ち馬にしかおもしろいと言えない空気がある p98 ・オタクへの憧れと萎縮による「推し」という言い回しの誕生 p149 ・未体験に価値を求めるミレニアル世代と、追体験に価値を求めるZ世代(=想定外はストレス) p166 ・ストレスを感じるシーンがあるライトノベルは離脱される p187 ・ラノベには「現在」しかない p219 ・登場人物に共感できるか否かで作品を評価する傾向は、自分と異なる視点や背景を持つ人物への理解を妨げるのではないか? p206- ・評論とは書き手が自らの思想や視点(の独自性や新規性)を披露する表現行為 p226
Youtubeを見すぎてしまう、気づいたら時間が溶けているといった経験がある現代人には気づきを得られる本です。 こういった経験がある人はまずいと思いつつそこまで深堀したことがないのではと思いますが、そこをじっくり深堀できます。中でも、映画が鑑賞物→コンテンツとなってきており、自身にとって今はそのどち...続きを読むらかを意図して”選択”する世の中になっているのがしっくり来ました。気づけば時間を溶かしているコンテンツとして消費する行為は私たちは本当に意図して選択した行為か。私はそこに気づきを得ました。
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