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Posted by ブクログ
・著者が正確な事実と読者への配慮、関係者へのリスペクトを大切にしていることが、本文から強く感じられる。ポテトにカッコ書きでチップスと追記したうえで、カッコは筆者追記とわざわざ示す。文脈から当たり前のことであり注釈がなくとも誰も気がつかないし文句も言わないであろうのに、そうしている。「父の祖母(父の母親)」もそうで、逆を書くならまだしも、普通はそっちだろうというところにも、もしかしたら勘違いするかもしれないという読者を想像して、わざわざ書いている。正直読者からしたらどっちでもいい余談めいた場面でもあるのに。これはすごい。本書の情報の信憑性が100倍高まるというもの。感動してます。
・肉じゃが、和風洋食の王道。なるほど、当たり前のうに和風とすり込まれてたけど、よく考えたら洋食だ
・なのに、筆者の意見と明記しながらドラッグ的性質があるのは認めよう、完食後の気分はふぅ落ち着いただ、など遠慮がない書き方をしているのがまたいい
・ただ無邪気に食べていた頃の自分にはもう戻れない。めちゃくちゃ勉強になりました
・おいしい本でした、ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ
2026/07/05
タイトル買いしました。自分が買った時は特装版みたいな表紙になってたけど、もうタイトルから面白そうで、読んでみたらやっぱり面白かったです。
あくまでもポテトチップスと日本人というタイトルの通り、じゃがいものことに踏み込みすぎず、あくまでもポテトチップスという観点からなぜポテチが今人々の間で楽しまれるお菓子になっているのかについて分かりやすく解説してくれています。
この本一冊でポテトチップスについてのある程度のことは網羅できるのではないかと思います。
この本の分厚さもさることながら決して感想に終始することなくちゃんとデータや歴史をもとに考察されているところから著者のポテトチップスへの愛を感じました。
絶対にポテトチップスを食べたくなるし、ポテトチップスに対する考え方も変わるのでないかという一冊です。
Posted by ブクログ
日本におけるポテトチップスが、どのような歴史を辿り日本人にどんな影響を与えたのか論じた画期的な一冊。
この表紙を見て完全に衝動買いをしてしまいましたが、子どもの頃から今に至るまでポテトチップスを好んで食べている私にとって、衝撃の内容でした。ほぼ同年代である著者の思い出は自分と重なることも多く、我が事のように読み進めました。
著者は、ポテトチップスが「日本社会に必要不可欠な食べ物」であるとし、「国民食」の定義「国民の食生活に必要不可欠である」と照らし合わせ、現代日本の国民食であると結論づけています。
また、なぜ日本人がこんなにもポテトチップスが好きになったのかという点について、本書では「欲望の充足装置として機能したから」という論が軸に展開されており、日本における開発の秘話、歴史などを紹介しながら、当時の世相や経済状況、日本人の気質などと合わせて論じている本書の内容に
感心するばかり。なかなか興味深い一冊となりました。
▼それらのサービスは「安価」で提供されなければ許されない。
日本のプロダクト生産者たちは、それがたとえ信じられないほど安価なモノやサービスであっても、「消費者の嗜好を微に入り細に穿って把握し、完璧に叶える」ことに長年心血を注いできた。これぞ日本が誇るサービスの美点であり、かつての国際競争力の源泉であったのは確かだ。
一方、たった数百円のファストフードにすら最高の品質を求め、時給数百円のバイト店員にすら最高のホスピタリティを求める、悪しき「お客様は神様」気質が抜けない国民性もまた、この国の伝統だ。
▼現在のSNSで、見た目や質感が映える料理写真ほどバズって拡散されることに通じるものがある。極論すれば「おいしいから食べる」のではない。「コミュニケーションが捗るから食べる」。40年間変わらぬ日本人気質と呼ぶべきか。
▼百数十円ぽっちの袋の中に、日本の食品加工技術の粋が詰まっている。思えば牛丼チェーンの定食にしろ、激安だった頃のファストフードのセットメニューにしろ、つくづく筆者も含む団塊ジュニアは「圧倒的に安く、圧倒的に高い品質のサービス」に若い頃から慣れ、というよりも甘やかされて育った。
▼ポテトチップスメーカーの先人たちが、日本人をポテトチップス好きにしたのだ。
彼らは日本人の味覚に合うフレーバーを探し、試行錯誤を重ねて開発し、人々に受け入れられる商品を生み出し続けた。日本人のポテトチップス好きは、戦後の短期間で成し遂げられた「人の作りし嗜好」である。ジャパニーズ・ポテトチップスは、日本人が極めて短期間の間に、ある意思のもと人為的に作り上げた食文化だ。
日本人は海外のものをそのまま受け入れるのではなく、自分たちの嗜好や環境にフィットさせるべく、念入りに調整と改造を重ねる。
▼自国文化をベースにアジアも欧米も節操なく取り入れ、こねくり回しながら、最終的には自家薬籠中の物としてしまう。日本人が古から得意とするそんな手腕は、ポテトチップスというフォーマット上でもいかんなく発揮された。
<目次>
序章 2017年のポテチ会
第1章 ジャガイモを受け入れた戦後日本ー日本食化するポテチ
第2章 団塊ジュニアの胃袋を狙うー大衆化するポテチ
第3章 欲望と消費と経済成長とプラットフォーム化するポテチ
第4章 下流社会が求めた“貧者のパン”ージャンクフード化するポテチ
第5章 経済低迷とダイバーシティー国民食化するポテチ
Posted by ブクログ
日本人によるポテトチップスの受容史・需要史はそのまま、日本社会が豊かになり、日本人が食に対してささやかなる欲望をむき出しにしていった過程の映し鏡でもある。
私はポテチをたくさん食べる方でも無いが、
全く嫌いではなく、ちょっとヘルシー気味に過ごしたい気持ちがあるからなんとなく避けているだけで。
この本読みながら何回のり塩を食べたかわからない。
(九州しょうゆ一択で過ごしてきた自分を殴りたい)
ポテチは欲望の充足装置であり、流通と安定供給をかなえるカルビーと戦う湖池屋の高級化戦略というブランディング対決の場であり、SNS時代の自己表現ツールである。とても面白かった!
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