斎藤環のレビュー一覧
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前半は根拠を示しながら、巷の男女トンデモ本がいかに間違ってるかを説明されていて、よかったです。
後半から根拠がなくて、斎藤さんの熱い持論展開が続いて、面白いけど本当か?って何度も思ってしまいました。
(それとも根拠がないように見えるだけ?精神分析的に〜と何度も書いているので、臨床経験や知識の根拠があるのか?)
でも主張されている「所有する男、関係する女」という区分は日常的に感じるジェンダー差をうまく説明していて、納得する部分が多かったです。
結婚が不合理なシステムなのに維持され続けてるのも所有を重視する男性優位社会だからだと。なるほど。
他の方も書いてましたが、
>学習とはそれが自分の理想と抵触しない事項においてのみ起こりうる特異現象なのである
には笑ました。確かに!!
あと妻さんとのごま団子エピソードにはほっこりしました^^ -
Posted by ブクログ
2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。
インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナをきっかけに、今後社会が大きく変化すること、先が見通せない不安がつきまとうことで一致している。コロナ発生から1年が経って、ワクチン接種が進んでいるが、なかなか終息しないのが心配。 経済活動は悪化しているが、でもマクロレベルでの指標と実態の乖離は、それほど危機的ではないように思う。 影響が出てくるとすれば社会構造の変化、人間の付き合い方の問題だろう。 この本は、賞味期限が短いと思うので、読むなら早めがよい。 5年から10年経って、彼らの予想がどうだったのか検証には使えるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ラジオ「荻上チキセッション」が夕方に移ってから聞くようになり、荻上チキさんとはどういう人かと探していて行きあたった本。読みたいと思った人の章のみ読みました。
養老孟司:「不要不急とは」という、今回もまた若干ずれた感のある内容なのだが、この用語への同氏の違和感は、医者でありながら現場ではなく解剖をやっている自分、また現在の老人で公職にもない自分の存在は不要不急なのではという根本から生まれている。そこからさらに、人間自体不要不急なのではという話。この辺りは、前回読んだ氏のインタビューで、老人はコロナ禍を乗り切ったところで生き甲斐はあるのかという疑問と相反するようで通じるところがあり、面白いなあと思った。それにしても毎回若干ずれてるのに毎回養老先生が出てくるのは、よっぽど好かれているということなんだろうなあ。
五味太郎:絵本作家だからなのか子供にあたたかい視点。そもそもの教育が、子供の権利のはずなのに子供に失礼だというところから発し、不安だったのはコロナ禍のせいなのか、収束して非日常から戻った際の「日常」は(特に子供にとって)そもそもよかったのかという議論。学校はありがたいけれど、現行の教育に対する疑問や批判が帳消しにされるべきではないということなのだろう。これまたコロナ云々を超えた根本的議論。
荻上チキ:検察庁法改正(定年延長)が見送られたことに見る世論の動きの分析。良くも悪くも議論が単純化されることで世論が盛り上がるというところに、なるほどなと思った。
ブレイディみかこ:息子が受けた、コロナ禍でのアジア人蔑視発言から、各人が自分のなかにある偏見に気づくきっかけになったという話。分析する息子さんも、その発言を注意した級友も、なんとも冷静ですごいなあと思う。またキーワーカーへの拍手の要不要論も、それが次世代に残すであろう影響から反対はできないというブレイディさん、現在がそうこうで終わらせずコロナ後に続いていく、次世代を育てていくという先を見据えた視点にハッとした。
(お名前を失念):会うことが暴力という言葉になるほどなあと思った。だから「あつ森」のように会わなくて良い平和なゲームが人気になると。裏を返せば、会うことの暴力に対峙できない人の中に、その分の暴力をネット上で振るう人がいるのではないかと思わないでもなかったが、生身とバーチャルの違い=暴力・重力という視点が面白いと思った。 -
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自殺既遂きすい 彼等の自己愛は「プライドは高いが自信がない」という歪さを持っています。この時彼等のプライドは、理想とはかけ離れてしまった自分自身を批判することによって、辛うじて担保されます。このような、自己批判の形を取った自己愛を、私は「自傷的自己愛」と呼んでいます。 「仲の良いお友達のお子さんを預かっているような感じ」で我が子に接しているそうです。理想的な距離感を上手く言い表した言葉だと感心しました。 「欲望は他者の欲望」 「割れ窓」理論 抑圧も受容もしない「拒否」という選択肢があるのです かこん禍根 かなり先駆的な内容だったと言えるでしょう スティグマ(烙印) その概念を換骨奪胎し 時として凡百の治療を凌駕する成果を齎し得るということ 一つの新しい潮流が生まれつつあります 恰もオマケや副産物のようにして ダイアローグ(対話) モノローグ(独白) 動かし難い結論が先にあることから生じる無力感が原因だった 紋切り型のフェイクニュース 「社会の成熟度と個人の成熟度は反比例する」 謂わば「若者の高齢化」という語義矛盾のようなことが起きているわけです ネオテニー(幼形成熟)的な人物が人気を博す社会 せんえん遷延化 未成熟化の帰結としての非社会性 生産性の有無で人の価値を判断するという発想は 社会は常に「無為で怠惰(に見える)二割」を必要としている 白眼視 8050問題 緻密な校閲で迅速な仕上げ
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Posted by ブクログ
『戦闘美少女の精神分析』(ちくま文庫)でラカン派の精神分析の観点からオタクの心性を読み解く試みをおこなった著者が、オタクとは対立するトライブであるヤンキーの心性についての考察を展開している本です。
ヤンキーについての社会学的な考察ではなく、あくまで「ヤンキー的なもの」と呼ばれるような心性をめぐる考察となっていることに、ひとまずは注意が必要でしょう。本書では、このように若干焦点を甘くすることで、ジャニーズや白洲次郎、橋下徹などを支持する人びとの意識のありようについて議論を展開していきます。さらに、丸山眞男の「歴史意識の古層」論にまで言及し、「気合とアゲアゲのノリさえあれば、まあなんとかなるべ」というヤンキー的な心性に通じるという、どこまで本気で受けとってよいのかわからないような議論にまでいたります。
かなり強引に思えるところもすくなくないのですが、それでも著者の考える「ヤンキー的なもの」についての考察には、つい納得させられてしまいます。それはともかく、単行本刊行時に付された「あとがき」で著者は、自身がヤンキーの「当事者」ではないことを断りつつ、「「当事者性」は批評における武器の一つではありえても、正当性の唯一の担保などではない」と述べています。これはその通りにちがいないのですが、つねに視線を「メタ」レヴェルへと転じていくオタクについての考察が、それ自体オタク的なまなざしによって自己言及的に書かれることとは対照的に、どこまでも「ベタ」なレヴェルで受けとってしまうヤンキー文化が批評という行為なしに完結してしまうような現象である以上、それについての精神分析的な立場からの考察がどのような意味で正当性をもちうるのかということについて、もうすこし自覚的であるべきなのではないかという疑問も感じました。