斎藤環のレビュー一覧

  • 世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析

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    2012年の書籍の文庫化。書籍の中で芸能方面に触れることが多いのでギリギリのタイミングでの文庫化かな。DJ OZUMAとか、懐かしいと思ってしまう。

    個人的には嫌悪と憧れ、愛憎半ばするヤンキーという人種とその文化圏に対する興味から読んだ。日本ではヤンキー的な要素が無いものは売れないっていうのが本当に、なんなんだろうなー……って疎外感を感じるほどだったんだけど、この本を読むと昔からの日本人もそうみたいだからもうしょうがないんだなーと。祭で踊りの輪に入れない人間のひがみである。今は各地で盛んなYOSAKOIなんか完璧にヤンキー文化。ハレの日の彼らはいつだってとても楽しそうだ。

    白洲次郎も坂本龍馬と同じくヤンキー的文化圏の人だという指摘になんか納得してしまった。ヤンキー(=マジョリティ)は「実績より生き様」の偉人が好き。だから一時期のあの謎ブーム。なるほど。

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    2015年08月05日
  • 世界一やさしい精神科の本

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    よくあるいろいろな精神疾患について簡単な言葉でわかりやすく説明してあって、読みやすかった。自分にもあるあると思い当たることがあり、時々ひやっとしながら読んだ。それだけ心って脆いものだから、それを忘れず、ケアを忘れず、人の心も自分の心も大事にしていきたいとおもった。

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    2015年05月02日
  • 思春期ポストモダン 成熟はいかにして可能か

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    不登校やひきこもりといった、思春期を中心に若者に広がる心の病理の原因を、個人の心理か周囲の環境のどちらか一方に求めるのではなく、それらの「関係」のなかで生じる出来事としてとらえようとする著者の立場が示されている本です。

    著者は、こうした立場から、現代という時代においてどのような病理が生まれているのかを考察しています。とくに、個人の性質や能力に病理の原因を求める「心理主義」を批判しながら、そのような「心理主義」が求められる社会と、それに(過剰に)適応しようとすることで「病理」に陥っていく個人のありように迫っている箇所は、興味深く読みました。

    ただ、著者のスタンスが示されているだけで、やや具体性に欠ける印象もあります。もう少し著者自身が診たことのある事例や、社会の中で起きている問題にそくした議論を読みたかったという思いが残ります。

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    2017年12月23日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    田房永子、角田光代、萩尾望都、信田さよ子、水無田気流との対談 田房永子のは、まあまあ。角田光代の「八日目の蝉」の親子関係の異常さが、この対談を読んで何となく納得。萩尾望都の母親とのこじれは、作品を読んでいたからなんとなく察しはついていたけど、公にするべきではないような気がする。作品を読めばすべてが書かれているから。「残酷の」を書いてから憑きものがおちたような気がして、作品を読んでもあまりおもしろく感じられない。最後の二人は、ほんのつけたし。

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    2014年11月04日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    水無田気流との対談が面白い。母子密着を助長する様々な要因が挙げられるが、最終的に父親の不在・疎外に行き着いてしまう。日本の父性は明治30年頃に捏造されたもので、一貫してそんなものは無いと。かといって日本で父性の代替を発明するのは至難だろう。

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    2014年10月29日
  • 世界一やさしい精神科の本

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    結果オーライ 人の多様性に近づける学問 不自由さを通じて人の多様性を肯定 読字障害トムクルーズ ラーニングディスオーダ=LD=学習障害=IQが70未満 アテンションディフェクトハイパラクティビティディスオーダー=注意欠如多動性障害 自閉症、アスペルガー障害=自閉症スペクトラム障害 レインマン ダスティホフマン 直観像 サヴァン症候群 アイデンティティの拡散 モラトリアム猶予期間 社会が成熟化していくと個人はどんどん未成熟化していく モノが満たされると心が貧しくなる 家出文化と同居文化の違い プライドは高いけど自信がない 自信のないひきこもり状態人達は一発逆転の夢を見がち 家族以外の人間関係を持つこと 対人恐怖症 半知りが一番怖い 曖昧さが苦手 二度目が怖い 認知行動療法 暴露療法 人間関係の場数を踏む スクールカースト 女の病としての摂食障害 わかっちゃいるけどやめられない病 強迫スペクトラム障害 解離と抑圧 ショックを和らげるふたつの方法 ショックアブソーバー=緩衝材 ジャネ 多重人格 離見の見 幽体離脱 催眠術 解離の悪用 一旦その人の自我を徹底的に否定して、まっさらにしたところになにか新しい価値観を注入するのがマインドコントロールの常套手段 オウム真理教 健忘 記憶喪失 エピソード記憶は忘れても意味記憶は残る 解離性遁走=蒸発 冬のソナタ 都合のいい遁走メロドラマ的には 古典ジキルとハイド キャラ設定 サブカルチャーの影響 性的虐待 日本人というのはもともと多重人格的な作法で生きているので、わざわざそんな病気を輸入する必要はなかった ビリーミリガン 仙水 セロトニン 自分で音楽療法の処方箋を作っていた 躁鬱病 北杜夫 精神分裂病→統合失調症 科学の限界であって人間の限界じゃない

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    2014年10月08日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    お受験の本にも書いてありましたが、ブランドバックやシューズや服や装飾品を持つことの先には、子どもが有名小学校に通っているということが何よりのステータスになる…ことに近い、親子のゆがみを感じます。が、それにしても登場する親子のケースが極端でびっくり。

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    2014年07月27日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    精神科医の斎藤環氏と5人の女性達による対談集。
    テーマは母と娘。
    対談相手の中に角田光代さんがいたので読んでみたくなった。

    いやー、色々あるんだなと言うのが正直なところ。
    私自身母との関係性は取り立てて問題もないと思うし、自分の子供も息子だけだからこれからも悩むこともない。
    それでも母と娘が特別な関係だというのはよく分かる。
    良くも悪くもその結びつきの強さだとか。
    そうそう、母に対して罪悪感を抱くって感覚は私にもあるなぁ。
    自分が母より幸せになってしまったら後ろめたい気分になったり。

    いわゆる毒親だったり、母から抑圧や過干渉を受けている人にはこの本、絶対お勧めですね。
    あー、私だけじゃないんだって思うんじゃないかな。
    ここまでひどくなくても周りには一卵性親子って呼ばれるような人達は結構いるし。
    過干渉がいやだいやだといいながら離れられないのが不思議でならなかったけれど、この本を読むとその気持ちが分からなくもない。

    欲を言えば、シンプルだとされる母と息子の関係に嫁が登場した時にどう変化していくのか知りたかったな。
    私にとってはこっちの方が気になる!(笑)

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    2014年07月07日
  • ヤンキー化する日本

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    冷静さと情熱,理性と情念,合理と非合理,といった異質な要素の何らかの結合によって生み出された行為への一定の傾向性。エートスを,人間と社会の相互規定性をとらえる戦略概念として最初に用いたのはアリストテレスであり,社会認識の基軸として再びとらえたのがM.ウェーバーである。ウェーバーによれば,この行為性向は次の三つの性質をあわせもつ。(1)ギリシア語の〈習慣(エトス)〉に名称が由来していることからうかがえるように,エートスは,それにふさわしい行為を実践するなかで体得される〈習慣によって形作られた〉行為性向である。
    アマルガム (amalgam) 水銀と他の金属との合金の総称。 広義では、混合物 一般を指す。
    シンメトリー 【symmetry】左右の大きさ・形・色などの釣り合いがとれていること。対称。均斉。ファッションにおいて,左右対称の形状。
    コミュニケーションスキル スクールカーストの解体 オカルティックな信念 大和魂 日露戦争 一世風靡セピア デフォルト標準仕様 ヤンキーはポエムが大好き 和洋折衷わようせっちゅう うまいこと言ったドヤァ感 ビリーブユア鳥肌 閑話休題かんわきゅうだい おたくとヤンキーのフュージョン融合が最も人々の心を掴みやすいアイテムになる
    何故か千葉県に多いけど、車の後ろに7人の小人を全部並べていたり 頑張れって言葉には言い訳が入っている 日本はアマチュアが大好きなのね 盆栽文化 アデル 小林克也 たすき掛け
    タカ派(タカは、鷹派)とは、強硬的な政治信条を持つ人または集団を指す言葉。強硬派(きょうこうは)ともいう。対義語はハト派である。
    経済力や趣味性の誇示 オタク痛車 ルイジアナ 偉大なる田舎、ヤンキー都市、名古屋 都市の美学がない 快楽原則ぜんぶ載せ ひつまぶし CoCo壱番屋 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 地球のはぐれ方 都築響一 ヌエ的 そして山本太郎だけが残った ビジョンが欲しかったのに
    ヨシキ バッドセンスの系譜 基本的にロリコン性がなければオタクになれないといわれるわけで 瓜田純志 戸塚ヨットスクール スパルタの海
    アーバニズム(英: urbanism)は、一般には、都市を志向し求める文化的・社会的な傾向のこと。あるいは専ら都市において特徴的な生活様式。または、近代以降の都市計画全般を指す。
    アイロニー【irony】1 皮肉。あてこすり。2 反語。逆説。3 修辞学で、反語法。4 ソクラテスの問答法。無知を装いながら、知者を自認する相手と問答を重ね、かえって相手が無知であることをあらわにし、その知識が見せかけのものでしかなかったことを悟らせる。
    パビリオンpavilionとは、展示会や博覧会などに用いられる仮設の建築物、テント、展示館のこと。大阪万博で一般化した言葉であり、何々館と言う場合の館とほぼ同義である。
    同じ事象でも視点を変えるとこれほど違った風景が見えるものか 海猫沢メロン 全滅脳フューチャー フェイクを取り込んで本物にしてしまう変換回路 外道 横浜銀蝿みんな大卒か大学中退 綾小路翔 ネタとベタを完全に理解した上であのスタイルを選んでいる 相田みつを ヤンキーはつっぱってるのにディズニーが大好き よなはじゅん 名古屋はええよ!やっとかめ=久しぶり

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    2014年06月24日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    精神分析的な視点から見て、極論すれば男性は身体というものを持っていません
    健康な男性の身体はいわば"透明な存在"で、それゆえ彼らは、日常的に自らの身体性を意識することはほとんどありません

    序文にあった言葉が、とても驚きで
    でも、続く対談を読むと、本当に納得する
    それは、インタビュアーが男性だから

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    2014年06月07日
  • ヤンキー化する日本

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    ヤンキーという概念が、なかなかつかみづらい。
    いろんなひととの対談を通して、ヤンキーの話をそんなにしていたか!?というのが読み終わった感想。
    斎藤さんの本にしては、さらっとまとめられている本でした。

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    2014年05月15日
  • ヤンキー化する日本

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    「この国は”気合”で動いている」、それを
    確認すべきの対談集。

    溝口さんとの中で出てきた、暴力団が
    礼儀作法を教えるようなビジネス、というものが
    なんだか現実味があって、怖い。

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    2014年04月17日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    母と娘の関係についての、対談集。
    やっぱり、いろんなひとがその関係について、違和感を抱いてるのね、と思った。
    親子はこじれたとき、育てられてきたからこそ、つらくなる。残酷ではあるけど、そんなときに親を突き放して考えることができたら、楽になるやろうなあ。
    田房さんのところに出てきた、「呪詛」の考え方がしっくり来すぎて、感動した。

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    2014年04月10日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    ネタバレ

    母と娘の確執ってのはものすごく奥が深いだね。
    ひいてはそのまた母親の母親との問題でもあるわけだから。
    ここに出てくる母親たちは、あまりにもひどい。
    娘を自分の所有物と勘違いしてるのではないか。

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    2014年04月03日
  • ヤンキー化する日本

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    ヤンキーという言葉であらわされるもの。気合という名の「エア資源」、バッドテイスト、そしてポエジーな表現でまたエア資源を消費(?)する。
    なんといっても僕らが(誰のだ)海猫沢めろんも対談に名を連ねているし、めろん先生のあとには隈研吾が登場する。めろん先生はヤンキーとオタクのハイブリッドな実体験から生々しい語をする一方で、隈研吾はバッドテイスト建築のことを語り、また丹下健三の「美しいものは機能的である」という言葉からヤンキー思想を、そしてマンションポエムさえ語っている。僕がヤンキー嫌いなわけも再確認し、そして我が中にあるヤンキー成分にゲンナリするのである。

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    2014年03月31日
  • 関係する女 所有する男

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    著者は、「ジェンダー・センシティヴ」という立場に立って、社会の中に現に存在しているジェンダーの差異の「実地検分」をおこなっています。現実のジェンダーの差異は「イメージとしての男女の違い」であることを明らかにすることで、最終的には「男女の違い」というイメージを解体に導こうとしています。

    前半は、ジェンダーを男女の脳の解剖学的ないし生理学的な差異に還元しようとする疑似科学への批判が展開されます。「ジェンダーはセックスの上位概念であり、性差が決定づけられるうえで何が本質的で何が構成的であるか、という区別は簡単にはできない」というのが、著者の立場です。

    後半では、ジェンダー間での欲望の違いが、「所有原理」と「関係原理」という概念を用いて整理されることになります。男の「所有原理」はひたすらファルス的享楽をめざして突き進みます。著者はこうした欲望のあり方を、象徴界において対象を視覚化・言語化・概念化して意のままに操作することへの欲望として理解しています。他方、女の「関係原理」は、対象を観念として所有するのではなく、想像界における身体を受け入れたうえで、身体を包んで織りなされる関係においてみずからの欲望を発見するという特徴をもっていると論じられます。さらに、男性の「オタク」と女性の「腐女子」に見られるセクシュアリティの差異を具体例にとりあげながら、「所有原理」と「関係原理」の差異を具体的に解説しています。

    単なる印象論ではないのかという気もしますが、それなりにおもしろく読みました。

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    2017年12月23日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    毒母、毒親という概念が紹介されるようになってだいぶたつ。
    自分とその母親の関係はどうだったのかなぁ、こどものを育てる母親として自分はどうなんだろう・・・と振り返りたくて、本書を読んでみた。

    まぁびっくりする。世の中にはいろんなお母さんがいるんだな、と。うちの母親も結構強烈な人だが、毒でもなんでもないかも。

    毒母に苦しんだマンガ家の田房永子さん、家族とか母子関係を描いた作品の多い角田光代さん、萩尾望都さん、母娘問題などに詳しい臨床家の信田さよ子さん、女性問題や家族関係、子育て論の社会学者で詩人の水無田気流さんと引きこもりを専門にしている精神科医の斎藤環先生との対談集。

    それぞれの体験談も交えているが、実際に母親との関係で困って、克服した人の話ではなく、それぞれの専門分野から、この問題へアプローチしているものなので、興味深くはあるが、ピンとこないところも多かった。
    斎藤先生の『母は娘の人生を支配する』か信田さよ子氏の『母が重くてたまらない』を読んでおけばよかったかも。

    あらためて・・・
    萩尾望都さんの作品は、トーマの心臓とかイグアナの娘とか、もう何十年も前の作品なのに、現代の母娘問題にも引き合いに出され、いまだに古びず普遍的なテーマを表現しててすごいわーと驚きます。

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    2014年03月13日
  • ひきこもりはなぜ「治る」のか? ―精神分析的アプローチ―

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    家族の対応方針の章は、分かりやすく参考になった。基本的に叱咤激励や諭すような対応は良くなく、自主性を大事にし、あいさつ、誘いかけ、お願い、相談だという。家族にとっても大変だが、まずは安心して過ごせる空間を作るということだろう。

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    2014年01月15日
  • 「社会的うつ病」の治し方―人間関係をどう見直すか―

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    ネタバレ

     心理学や脳科学の隆盛による「こころの視覚化」とポストモダンという「大きな物語の喪失」の時代背景が相まって、うつ病や統合失調症の症状が軽症化し、一方で操作主義が及ぼす実存的な悩みの増強による「軽症うつ、社会的うつ」が増加しているという考察。
     統合失調症の妄想も、宇宙の支配から隣人の盗聴へと「小さな物語」化しているという指摘が興味深い。

     ジェンダーが多様化した現代社会で、適切なバランスの自己愛の形成が家族や隣人、学校だけでは得られにくくなっているというのは実感としてある。コフートの発達理論=自己心理学、はとてもわかりやすく、今の時代を考える上でのポイントが整理されていた。

     「しつけ」と称する道徳や倫理観の押しつけと、学校に代表される画一化への要請が、周縁にいてズレを感じる人間にとって、結果的に依存先を奪い取っている可能性に大人の側が自覚的にならないと何も解決しないのではないか、と思った。
     ひきこもりの専門である筆者が、軽症うつと共通する精神病理を見出し処方箋を呈示する書であるが、この対処法は不登校の児にもそのまま応用可能だと感じた。しかし、デイケアや就労(就学)支援などのリソースは「不登校」では皆無と言っていい。それは、不登校が「病気」と認定されにくい原因の多様性を孕んでいることと、学校が職場よりも「帰属することを要請される縛りが強い」場所であることが関係あるのではないだろうか? やはり成人になってから表面化する問題ではあっても、根っこは発達過程の教育や育て方(親子関係)にある、そう強く感じさせてくれる書である。

     悲しいかな、親は子に対し、教師は生徒に対し「支配的」になるものなんだろうな。

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    2013年11月30日
  • 母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか

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    オイデュプス王やカラマーゾフの兄弟が代表的な様に、息子による父親殺しが小説のテーマになっても、娘による母親殺しという主題は読んだ記憶がない。また友達親子でも母娘関係を扱うのが中心であり、父息子の場合というのは少数ではないだろうか。本書ではジェンダーや支配と保護、承認と愛といった精神分析で用いられる概念を用いながら、女性性というのが持つ社会的困難さ、身体と言葉の不可避的関係性という特徴にその原因を見出そうとする。ここに解決策がある訳ではないのだが、「母―娘」という関係の困難さについて理解するために読んで損はない。

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    2013年04月11日