斎藤環のレビュー一覧
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著者は、「ジェンダー・センシティヴ」という立場に立って、社会の中に現に存在しているジェンダーの差異の「実地検分」をおこなっています。現実のジェンダーの差異は「イメージとしての男女の違い」であることを明らかにすることで、最終的には「男女の違い」というイメージを解体に導こうとしています。
前半は、ジェンダーを男女の脳の解剖学的ないし生理学的な差異に還元しようとする疑似科学への批判が展開されます。「ジェンダーはセックスの上位概念であり、性差が決定づけられるうえで何が本質的で何が構成的であるか、という区別は簡単にはできない」というのが、著者の立場です。
後半では、ジェンダー間での欲望の違いが、「所 -
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毒母、毒親という概念が紹介されるようになってだいぶたつ。
自分とその母親の関係はどうだったのかなぁ、こどものを育てる母親として自分はどうなんだろう・・・と振り返りたくて、本書を読んでみた。
まぁびっくりする。世の中にはいろんなお母さんがいるんだな、と。うちの母親も結構強烈な人だが、毒でもなんでもないかも。
毒母に苦しんだマンガ家の田房永子さん、家族とか母子関係を描いた作品の多い角田光代さん、萩尾望都さん、母娘問題などに詳しい臨床家の信田さよ子さん、女性問題や家族関係、子育て論の社会学者で詩人の水無田気流さんと引きこもりを専門にしている精神科医の斎藤環先生との対談集。
それぞれの体験談も交 -
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ネタバレ心理学や脳科学の隆盛による「こころの視覚化」とポストモダンという「大きな物語の喪失」の時代背景が相まって、うつ病や統合失調症の症状が軽症化し、一方で操作主義が及ぼす実存的な悩みの増強による「軽症うつ、社会的うつ」が増加しているという考察。
統合失調症の妄想も、宇宙の支配から隣人の盗聴へと「小さな物語」化しているという指摘が興味深い。
ジェンダーが多様化した現代社会で、適切なバランスの自己愛の形成が家族や隣人、学校だけでは得られにくくなっているというのは実感としてある。コフートの発達理論=自己心理学、はとてもわかりやすく、今の時代を考える上でのポイントが整理されていた。
「しつけ」と -
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母と娘の関係がなぜ複雑化するのかに着目した本。どう支配から回復するかというテーマを期待するとガッカリする(著者も言うように、知識は回復に役立つけれど)
自分の体の1部が、ショーケースに入れられて、目の前にあるのに触れないって印象の本だった。自分にも当てはまることであるのに、理路整然としすぎているという感じ。筆者が理論的に分析するに留めようとする態度の現れだろうが、内容が自分の問題と近いにも拘わらず筆者との距離が遠いというのは、自分には快くないものだった。逆に、肯定されたいとか励まされたいとかあまり思わず知識を仕入れるために読むなら、筆者の態度は誠実で真摯だろう。 自分もいずれ再読し、星5つを -
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[ 内容 ]
男女の違いという大テーマに斎藤環が挑む!
男と女はどう違うのか?
「性差」とは一体なんなのか?
人気の精神科医が、社会にはびこるトンデモ仮説を排し、この大テーマをさまざまな角度から分析する。
[ 目次 ]
第1章 「ジェンダー・センシティブ」とは何か
第2章 男女格差本はなぜトンデモ化するのか
第3章 すべての結婚はなぜ不幸なのか
第4章 食べ過ぎる女、ひきこもる男
第5章 「おたく」のジェンダー格差
第6章 男と女の「愛のかたち」
終章 「ジェンダー」の精神分析
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☆☆☆☆☆☆☆ スト -
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[ 内容 ]
三十歳近くなっても、仕事に就かず、外出もせず、時に何年も自分の部屋に閉じこもったまま過ごす青年たち。
今、このような「ひきこもり」状態の青少年が増えている。
「周りが甘やかさず、厳しく接するべき」といったお説教や正論では、深い葛藤を抱えた彼らの問題を、けっして解決することはできない。
本書では「ひきこもり」を単なる「個人の病理」でなく、家族・社会から成る「システムの病理」として捉える視点から、その正しい理解と対処の方法を解説する。
[ 目次 ]
第1部 いま何が起こっているのか―理論編(「社会的ひきこもり」とは 社会的ひきこもりの症状と経過 さまざまな精神疾患に伴う「ひきこもり -