【感想・ネタバレ】ひきこもりはなぜ「治る」のか? ―精神分析的アプローチ―のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

理論の裏付けがありながら、温かい心を持って治療に当たっている方なのだなぁと感じた。
一般の方向けの本、ということだけあって、とっても読みやすく、面白い。
ひきこもりのゴールは、心が自由になること。
自発性を大切にする。自分でやりたいと思うことは、なんでもやってみてもらう。
悩むぐらいなら現状維持を勧める。
などなど、共感できる言葉がたくさん見つかった。
治療にあたる者は、心を複雑にしておくこと、そうすることで、一種の慎重さが生まれ、アイディアが生まれる土壌となる、とも。形がなく、外からは見えない「心」を決め付けないために、必要なことなんだね。

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2013年03月29日

Posted by ブクログ

前半は、精神分析の理論を活用して、ひきこもりの心理を巧みに説明していた。
後半は、精神科医である筆者がどのような心構えで治療にあたっているのかが書かれている。

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2019年08月24日

Posted by ブクログ

斎藤環のひきこもりの定義はどれくらい普遍性があるのかわからない。
「社会参加をしない状態で精神障害が第一の原因ではない」というのは異論があるだろうし、「家族以外の対人関係が無ければどんなに毎日外出していてもひきこもり」というのは一般的なイメージと違うように思う。
ひきこもりが自信を欠いているのは業績がないからではなくて、子供の頃から親に誉められた経験が少ないからではないのか。
言葉は意味の代理物であり、意味の方が言葉より豊かであるように思う。
言葉を語らなくても人間は人間であるように思う。
「人間は言葉を語る存在である」という所から人間存在に他の生物と違う特権的地位を与えようとする意図があるように思う。
依存症は言葉と関係なく脳内の化学的反応により生じているように思う。
欲望は他者の志向性と関係なく生じるものもあるように思う。
プライドと自信を区別するのは宮台の考えから来ているのだろうか。
妄想と理想化した親のイマーゴの関係などについて書いて欲しかった。
「自己愛の病理」「人格障害」という言葉を医師による悪口としてしまうのはどうなんだろう。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ひきこもりになるメカニズムやプロセス、ひきこもりに対してどう接するべきかが書かれたもの。
ひきこもりというのは自己の弱さだと思っていたがどうやら違うらしい。
自己愛が足りないからなるらしい。
そのためには自己愛つまりそれにつながる欲望(≠食欲や性欲といった本能)を引き出してあげる人や訓練が必要。
カウンセリングをはじめ心理学ではこういった手法がとられるが(実際経験)、こういった事情があったんだなと気づかされた。

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2012年05月08日

Posted by ブクログ

家族の対応方針の章は、分かりやすく参考になった。基本的に叱咤激励や諭すような対応は良くなく、自主性を大事にし、あいさつ、誘いかけ、お願い、相談だという。家族にとっても大変だが、まずは安心して過ごせる空間を作るということだろう。

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2014年01月15日

Posted by ブクログ

「ひきこもり」は統合失調症とは違い、人間関係そのものが治療的意味を持つとの考えから、精神分析家についても書かれていて、心理学に興味のある方は引き込まれると思われ。

「ひきこもり」についてだけを語っているのではなく、
日本的なダブル・バインド〜言葉で否定しながら抱きしめている二重メッセージが引き起こす危険な状態についてジャック・ラカン、ハインツ・コート、アウグスト・アイヒホルン、メラニー・クライン、ウィルフレッド・ビオンや等のフロイトに近しい分析家の学説を引用しているのだけれど、とても読みやすかったです。

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2010年06月17日

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