あらすじ
「ひきこもり」研究の第一人者である著者が、ラカン、コフート、クライン、ビオンの精神分析理論をわかりやすく紹介し、ひきこもる人の精神病理を読み解くとともに、家族の具体的な対応法について解説。ひきこもりとニートの違いなど、「ひきこもり」の現在が解き明かされる。 ――以下、本文“はじめに”より『なぜ「治る」のか?』という、ちょっと奇妙なタイトルには、いろいろな意味が込められています、その一つは、「必ずしも病気とはいえないひきこもりを治療するとはどういうことか?」という問いかけです。そう、ひきこもりは、それだけでは病気ではありません。だからこそ、社会参加に際しては、さまざまな支援や対策が有効であり得ます。しかし、ひきこもりは治療によって「治る」こともある。ならばその過程は、精神医学的に、というよりは精神分析的に、どう理解することができるのか。…」
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Posted by ブクログ
理論の裏付けがありながら、温かい心を持って治療に当たっている方なのだなぁと感じた。
一般の方向けの本、ということだけあって、とっても読みやすく、面白い。
ひきこもりのゴールは、心が自由になること。
自発性を大切にする。自分でやりたいと思うことは、なんでもやってみてもらう。
悩むぐらいなら現状維持を勧める。
などなど、共感できる言葉がたくさん見つかった。
治療にあたる者は、心を複雑にしておくこと、そうすることで、一種の慎重さが生まれ、アイディアが生まれる土壌となる、とも。形がなく、外からは見えない「心」を決め付けないために、必要なことなんだね。