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Posted by ブクログ
著者はひきこもりの専門医である。引きこもりとはという定義から始まり、引きこもりは病気といえるか、など語られていく。まず、引きこもり=無気力ではない、ということ。これは一般に誤解されがちなことで、私も本書を読むまではそう思いこんでいた。最後の引きこもりからの脱出過程でインターネットが役だっている箇所が興味深かった。最近では30代以降の引きこもりが増加する傾向にあり、これは就職難から来る理由も考えられる。いずれにせよ、他人に寄生して いるわけだから、両親が年老いていくと引きこもりにも、何らかの将来設計を立てねばならなくなる。この点に現時点では対応が難しいようだ。
Posted by ブクログ
すぐ側に微妙に引きこもりな人間が居るので、いろいろと興味を持って読んでみました。その結果、ひきこもりじゃないとは思いましたがwただの出不精だ(−−;
まぁ、ひきこもりだとしても俺には何の手助けも出来ないわけだが。この本曰く、兄弟の手助けはむしろ邪魔とのことでした。
ひきこもりになっていく様子や、ひきこもりの病理(ただの鬱ではない)などがわかって面白かったです。ひきこもりに対する見方がちょっと変わりました。
この著者の斎藤環さんの他の著作に「戦闘美少女の精神分析」が並んでて、あー、この人かと。たしかゲームラボでオタクに一番詳しい精神科医って言ってた人だよなァ。ひきこもりとかは得意分野だろうなと納得。
Posted by ブクログ
○本の概要
社会的ひきもりという新しい現象について、その原因や実態について解説しつつ、対処法についても紹介。現在の日本の教育システムにも疑問を呈し、今後、社会的ひきこもりを巡ってある医療や教育のあるべき姿についても一考する。
*社会的ひきこもりの原因は複雑に絡み合っており、シンプルに捉えることが難しい。そこで、「引きこもりシステム」という捉え方を行う。個人、家族、社会という3つの観点から、原因を考え、対処していくことが大事
*引きこもりの当事者への対処は、非常にアドラー心理学と近いような信条に基づくものである。まずそこに居ることを認めることが大事。引きこもっている現状を否定せず、そこに居ることを認め、コミュニケーションをとっていく
・まずは挨拶から行う。できる限り可能なタイミングでは声を書ける
・説教、罵声、非難などはしてはだめ。辛抱強くコミュニケーションを取り続け、誘うように働きかけを続けること
・本人がいなくても、まずは親だけでも通院するといい。「あなたのことが心配なので、病院に通っている」と声をかける
・必ず、病院に行く日の朝に「今日一緒にいかないか」と声をかける。前日に声をかけるのは、実際に出かけるまでにじかんがあるため、不安が募り、断られるケースが多い
*基本的心構え
・信じてまつ姿勢
・北風よりは太陽
・干渉を避けて見守る
・愛よりは親切
・非難されても腹をたてず、十分に聞く
・本人の劣等感を気にしない
・お金は渡す。金額は一緒に相談して決める。「必要に
応じて渡す」というケースになると、問題化しやすい
*社会的ひきこもりのケースのほとんどは男性であり、著者自身も受け持ったケースの8割以上が男性であった
・男性は女性よりも学校や社会において期待されることが大きく、それによって苦しむことが一因として考えられる
*暴力はきっちりと拒否する。それは専門家の指示を仰ぎながら、回避行動を取るべし
*不登校の多くは自然に回復する。その一方で、社会的ひきこもりの最初のきっかけとなる原因のほとんどが学校への不登校である
*社会的ひきこもりへの対処としては、経験豊富な医者の指示を仰ぐことが重要で効果的であるものの、医者の提言をすべて受け入れ実行できる親は多くない
・人は習慣を変えることが容易ではない
*半年以上引きこもりを続けるならば、何かしらの治療行動を起こすべし。
*引きこもっている本人が一番引きこもっている現状を問題視している。したがって、そのような現状について正論んで問いだしてはいけない。憎しみを生んでしまう。
*まず家庭内暴力を沈静化させてから、社会的ひきこもりに対処できるようになる
・家庭内暴力においては、母親が犠牲になることが多い
*社会的ひきこもりのケースの、役半数が家庭内暴力を含む
Posted by ブクログ
長年臨床の場で「ひきこもり」問題の事例を見つめ、また解決に向かっていた医師が著者。
1998年が第一版。
「ひきこもり」の症状などに関する理解が第一部で理論編となっており、第二部では具体的にどう向き合っていくかという実践編という構成になっている。
最近(2009年)では、あまりひきこもりが社会的問題として取り上げられることは少なくなった様に思う。
それはそういった事例が減ってきた、ということなのかそれとも単に社会がそう言ったことに興味を失ったのか、はわからない。
しかし現在ニートと呼ばれる人々の中には、ある程度このひきこもりと置かれている状況が似通っている人もいるだろう。
この本の中で著者は「ひきこもり」という現象を「個人の病理」ではなく社会システムや家族が抱える病理として捉えている。それは実際的な原因がどうか、ということよりもひきこもりの状態に陥っている人間が社会に復帰するためには、家族や社会との接点の回復がどうしても必要になってくるからである。
「社会的ひきこもり」は不登校からの状態維持によっておこる場合が多い。
また単純にひきこもりそのものの問題よりも、それによって引き起こされる二次症状の方が問題が大きいように思う。
「対人恐怖症」「脅迫症状」などの症状により、いっそう社会に復帰することが困難化し、循環するシステムの様にひきこもりが内側に閉じていく。
興味深いのは、ひきこもる若者の大半が男性である、ということだ。
著者は競争を避けることで、男性のアイデンティティが発展しにくいという社会の現象をそこに見ている。確かに一時期過度に競争を忌避する教育現場があったことは確かだ。もちろんそれは教育だけが問題なのではなく、それを是としていた社会そのものの問題があると見るべきなのだろう。
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