内田和成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1995年初版発行。
経営コンサルタントとして、世界的有名企業に携わってきた実績を持つ著者による「パラダイム」についての本。
本書における「パラダイム」は以下のように定義される。
ルールと規範であり(必ずしも成文化されている必要はない)、境界を明確にし、成功するために、境界内でどう行動すれば良いかを教えてくれるもの。
本書以前、パラダイムは科学の世界のみで存在する概念だとされていた。再現性と説明性に劣るビジネスの世界にパラダイムを持ち込むことは、トーマス・クーンやウィリス・ハーモンなどの初期の提唱者たちが認めなかった。
一方、著者は彼らは「文化のパラダイム」というカテゴリーを無視していると主張し、これを鑑みればビジネスの文脈でもパラダイムを考えることは可能だという姿勢をとる。
本書では、パラダイムに関する大きな4つの論点を取り扱う。
①新しいパラダイムはいつ現れるのか?
②どんな人が、パラダイムを変えるのか?
③パラダイムを変える人の後を最初に追うのはだれか?
④パラダイム・シフトは、その渦中にいる人にどんな影響を与えるのか?
内容は非常に明朗で、読みやすい。
説明のために実例が用いられており、理解に易しい。
9、13章の1990sのパラダイムの実例の紹介は冗長だが、それを差し引いても良い本だと感じた。
本書では、ビジネスの文脈で「いかにしてパラダイム・シフトを起こすか?」「いかに早い段階で新しいパラダイムに乗るか?」という問いに対する一定の答えをくれるわけではなく、個人としてどれだけパラダイムに囚われているかを教えてくれる。
私たちは「何を知覚するか」をパラダイムに依存している。それはフィルターの様なもので、非常に強力だ。
「事象を見てから、パラダイムに沿って考える」というのは実は間違っている。
「パラダイムに沿って見てから、考えている」これが正しい。自分のパラダイムに適さないものは見ることすらできない。
企業のそれを変えることが難しいことと同じで、個人のパラダイムを自由に変えることは難しい。
だからこそ、我々はパラダイムに依存していることを自覚した上で、パラダイムを拡張する努力、つまり良質なインプットを続けなければならない。
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Posted by ブクログ
経営コンサルタントである著者が、知的生産の技術として、アウトプット重視の思考法を説いた一冊。
現代のように、情報が溢れる時代に差別化するためには、ネットで拾える情報を鵜呑みにするのではなく、アウトプットを念頭に置いたうえで、考えることが重要であると主張します。印象としては著者が以前発表した「仮説思考」や「論点思考」を現代にアレンジし、分かりやすく整理した感じで、堅苦しくなく、非常に理解しやすく書かれています。情報収集の仕方、発信のあり方、情報との接し方、デジタルとアナログの使い分けなど、参考になる部分も多いと感じました。アウトプットを意識する、ということは、自分の立場やどう活かすのかを常に考えることです。大量の情報の荒波に飲まれることなく、積極的かつ効率的に活用できるように心がけていきたいと思います。
▼本当に優れたリーダーとは「限られた情報で決断を下す能力」を磨いている
情報収集にかける時間は必要最小限にして、本当に大事な「考える」時間を増やすべき
▼アウトプットとは「仕事の目的」であり、さらに言えば「あなたの本当の仕事は何か」ということにもなる
▼「ある目的を達成すること」が仕事であり、「その目的を達成するための手段」が作業
▼「何を目的として」「どんな立場(ポジション)で」「どんな役割を期待されて」情報を生かそうとしているのかを明確にしたうえで、情報に接する
▼情報活用の3つの目的
①意思決定の助けとなる情報
②アイデアの元になる情報
③コミュニケーションの手段としての情報
▼世の中の大半のものには「唯一絶対の正しい答えなど存在しない」
「絶対に答えが出ない議論」に際して重要なことは、「自分はどちらのスタンスを取るか」を決めることだと思う。両方の主張を理解したうえで、「自分はこう思う」という立場を決める。そのうえで、それを裏づける情報を集めていく。
そして、どちらが正しいのかを議論して争うのではなく、双方の主張を理解しながら、より良い道を探っていく。
▼どのプロセスで差別化をするか、ということであり、それはイコール、「どこにアナログを入れるか」と割り切って考えてみる
差別化の近道は、人のやっていないことをすることだ。それが今の時代において「アナログ」なのである。
▼仕事の立場が上がれば上がるほど、「弱点」を補強していくことが求められるようになる。ただ一方で、自分はどこで差別化を図るべきかを常に考えていくことを忘れてはならない。弱点は人並み程度に改善する一方、強みは徹底的に伸ばして自分のセールスポイントにする。
▼自分はなんのために情報発信を行うのか、あるいは人々は自分に何を期待しているのかに合わせて、発信の方法を決めていく必要がある
もし、発信することによって有益なコメントやフィードバックが得られ、ぐるっと回って情報収集に役立つとか、情報分析の深みが増すというのなら、SNSで発信することには意味がある
▼必要な情報を効率的に拾う方法
①まず仮説を立てて、それを念頭に置きながら情報を読み解いていくというアプローチ
②「異常値」あるいは「例外」を見つけようとするアプローチ
▼資料は「与えられるもの」だけでなく、「出してもらうもの」だという意識を持つ
▼お互いの持っている情報の差を理解しておけば、必要な情報を効率的に得ることができるだけでなく、相手との円滑なコミュニケーションが図れる。短時間で得られる情報を最大化するためには必須である
▼「トリプルタスク」での会話
①目の前の会話に集中する自分
②会話の流れを俯瞰する自分
③ネタになりそうな情報を探す自分
<目次>
第1章 「インプット」では差がつかない時代
第2章 「アウトプット」から始める情報術ー最速で成果にたどり着くために
第3章 自分の「立ち位置」を意識することが、差別化の第一歩
第4章 知的生産の秘蔵のノウハウ「20の引き出し」
第5章 最もラクな差別化戦略「デジタルとアナログの使い分け」
第6章 私の情報源1 コンサルタントが最も重視する「現場情報」の集め方
第7章 私の情報源2 新聞・雑誌、本、テレビ、ネット…各種メディアとのつきあい方 -
Posted by ブクログ
ビジネス上の意思決定のメソッドについて基礎的な事柄をまとめた一冊。不完全な情報の下で意思決定を行うための基礎知識というか。
ビジネススクールでの講義(ゼミ)をもとにしたもので読みやすい。
取り上げているのは、意思決定論、ディシジョンツリー、経済性分析、ゲーム理論、行動経済学、リアルオプション、シナリオプランニング、リーダーシップ、リスクマネジメント。
ブラック・ショールズ方程式って、経済学の中で出てくると「なんじゃこれ?」感が強いけど、ビジネスの文脈の中に置けば納得感がある。「リアルオプション」という名称にはなじみがないが、深堀したくなる、よいイントロダクションでした。
このように、基本的にはイントロダクションなのだが、この本はそれでよいのだと思う。 -
Posted by ブクログ
内田和成さんと、教え子である早稲田のイノベーション研究会メンバーによる共著。成功事例、失敗事例ともに多く紹介されていてわかりやすかった。
イノベーションは行動変容をもたらすこと。
価値を生み出し、日常を変えること。
この本で取り上げられた事例は大企業ばかりだが、顧客の行動変容をイメージしながら価値創造を行ったり、世の中に態度変容が起こるきっかけ(ドライバー)をうまくつかめるようアンテナを張ったり…というのは企業規模にかかわらずトレーニングが必要だと思った。無から何かを生み出さなくてもイノベーターになれる、というのは肝に銘じたい。儲けの仕組みを作るために頭を使わなくては。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアウトプットを基準に考える、というもの?
インプットにはそこまで価値はなく、アウトプットにこそ価値がでてくる。
そして、インプット→アウトプットの順番を逆にし、アウトプットしてから、足りない情報をインプットしていく方がいいという。
情報を入れすぎると判断に迷いが生じることもあり、インプットは必ずしも良いことではない。
多すぎる本を読んでいたら、気づけば何年も経っていた今の自分の状況に刺さる本だった。
集めすぎて不自由になっていたのか、ただのマニアに近づいただけだったのか。
情報収集だけでは、頭のいい人には絶対に叶わない。頭のいい人に勝つには、知らないことは知らないといい、とにかくアホになりきり行動量を増やすしかないんじゃないかと思うようになってきた。
インプットは一次情報にも価値はあり、本だけが全てではないと知った。行動、行動。 -
Posted by ブクログ
多くの事例とともにイノベーションを語った良書 イノベーションは3つのドライバと三段階の変容により起こる.ドライバは技術革新と社会構造、心理変化。変容は価値創造と態度変容、行動変容。
イノベーションに重要なのは、新しい価値を生み出すことではなく、その先の顧客の態度変容、行動変容を生み出すこと。そのための製品、サービスは、必ずしも自社が独自に考えたものである必要はなく、また自社が最初に製品化したものである必要もない。
メルカリは他者のサービスの後追いでも使いやすさに特化して市場を奪った。
多くの具体例とともに社会を変えるイノベーションの実現方法を示している。
この通りにすれば必ずうまくいくわけではないが、ありがちな失敗を避けて成功率を上げることはできるはず。
兎にも角にも、使ってもらえることが大事。何を提供するかは、そのための手段に過ぎず、目的と手段を取り違えてはいけない。
インベンターになるよりイノベーターになれ。
コレを研究所で実現する方法はまた別の課題。事業会社でやればいいじゃんと言われてしまいそう。