インテル元CEOであり創業者アンディ・グローブのマネージャー向けの本。
〇マネージャーはアウトプット命
・マネージャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット。
・アウトプットを最高に上げる活動に、エネルギーと注意を注がなければならない。
・いかに頭が良
...続きを読むいか、ビジネスを熟知しているとは関係がない。マネージャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される。
→マネージャーの能力や知識は、部下や関係者の能力を結集できる場合にのみ価値がある。
・マネージャーの最も重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すことである。
〇人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない
・単にそれができないのか、やろうとしていないのかのいずれか。
・マネージャーのやるべきことは部下の教育と動機付けだ。他にマネージャーがなすべきことはない。
・実際的な方法として、上司と部下の間で一対一の話し合いの場を持つことを重要視している。
→それがマネージャーの究極的な役割である部下の教育と動機付けの向上に直接つながるからである。一対一の話し合いの場を持つことは、インテル社の経営哲学上の根本綱領。
・人を駆り立ててベストを尽くさせる内面的な力は2つある。「能力」に突き動かされるか、「達成意欲」に駆られるかである。
→そのための手段が目標管理システム(MBO: Management By Objectives)。目標を高いところに置くことでその能力を伸ばすのである。
〇マネージャーの大きな活動と向き不向き
・情報収集、情報提供、意思決定、ナッジング(一押し)。
・アンディ・グローブの一日の大部分は情報収集に使われる。それは同時に相手に対して情報を提供するということでもある。
・好業績を上げる特定のリーダーシップの型というものはないという。
・ピーターの法則が発生することは仕方がない。上げてみて、ダメならリサイクルしかない。
※ピーターの法則:能力主義の階層組織の中において、人は自らの能力の極限まで出世する。しかし、能力を有する人材は、昇進することで能力を無能化していくのでダメな管理者がでるのは当たり前であるという法則。
・CEOはオプティミスト(楽天家)でなくてはならない。
・マネージャーとして本当の価値を付加しているか、情報収集を怠らないでいるか、新しいことを常に試みているか、ということを責任として問い続けなくてはならないという。
〇会議について
・ドラッカーによると、時間の25%以上を会議で過ごすようなら、それは組織不全の兆候だと言っている。
・アンディはさらに、意思決定のためのミーティングは7人以上になってはいけないと言い、「8人が絶対に打ち切るべき上限である」と言い切る。
・ミーティングを招集する前にマネージャーは、自分が達成しようとしているのは何なのか、と自問しなければならない。
・ミーティングというと無駄の塊のような、少なければ少ないほどいいような語られ方をするがそれは間違い。無駄な会議が世の中に溢れているだけ。
・マネージャーは意思決定もするし、人の意思決定の援助もする。この基本的なマネージャーの仕事はミーティングを通じてのみ遂行できる事が多い。つまりちゃんと行えば無駄なわけがない