野田サトルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ大団円を迎える31巻である。
前巻同様のやたら分厚く、率直に言うともう一巻作れたんじゃないかな、と思わなくもない。(笑)
中だるみを防ぐべく、一巻に(または二巻に)まとめたのだろうが、尾形百之助周りだけで一巻描けた感は、なくもない。
それにしても、最終巻まで壮絶だった。
それに比べれば、結末は添え物のエピローグであり、やや呆気なく感じた方もいたかもしれない。
示現流を貫いた鯉登少尉。
貫かれた土方の死に花咲かす奮戦と、せん妄の末に行われた新たな英雄への継承。
死を前にしてすら、満足せず、悔しさを口にする老兵の姿はあまりにも、あまりだ。
死の間際までカッコ良かった牛山。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最終決戦は五稜郭の地を抜け出し、第二陣を運ぶ汽車へと移行していく。
30巻では凄絶な戦争が描かれ、その悲哀と狂気、静と動がいかんなくコマを震わせている。
しかし、それにしても、多くの人々が死んでいった。
無名のキャラは言わずもがな、ここまで戦い続けた多くが、敵味方問わず命を落としている。
艦と共にあることを選んだ鯉登司令官。
音を失い、静かな世界に眠った都丹。
兄弟仲良く地獄に落ちた浩平・洋平。
死兵となって殿を務めながら、最後に過去を捨てきれなかったソフィア。
ここだけ静けさが支配し、読み合いの一歩先を行かれてしまったロシア人狙撃兵。
ワンシーンを切り出しただけでも -
Posted by ブクログ
ネタバレ大の大人が揃いも揃って、あまりの結末に泡を吹いて倒れる29巻である。
函館は五稜郭、廃墟となった函館山のロシア領事館から運び込まれたはずの金塊が、実は……という美しくも腰砕けの一捻りは実にお見事な緩急だろう。
そして後半、強運な男がもたらしたヒントが、黄金の雨を導いた。
29巻を費やして追い続けた物語最大の謎が解ける、そんな29巻である。
先に述べておくと、私は2022年のGWの無料公開時に読んだ後追い読者である。
ご祝儀も兼ねて、終結間近の3巻を購読させていただいたが、一読ゆえの浅さはご容赦願いたい。
それにしても、本当にスケール感が大きい。
一大シリーズのクライマッ -
Posted by ブクログ
ゴールデンカムイでアイヌのことを知りたくなった私。
著者もアイヌ文化を知る初級編と言っているとおり、難しさはなく、スラスラ読める。
正しいアイヌ文化やアイヌ語を監修の立場からどのようにフィクションの漫画で伝えるか、などの裏側も知ることができて、ゴールデンカムイファンはさらに作品を楽しめるのではないか。
漫画で「ヒンナ」という言葉は「おいしい」という場面で使われているので、
「ヒンナ」=「おいしい」と思っていたけど、本来は「感謝する」という意味。
食事意外でも、何かちょっとしたものをもらったときなどに、「ありがとう」「どうもどうも」などの意味で使われるようです。食事以外にも使う感謝の言葉なんで -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでる時間が楽しすぎて終わってしまうのが悲しかった……
下ネタ満載のふざけた漫画に見えるけど実はアイヌ文化や史実を織り込んでいて深い深いお話だと思う。アイヌの人たちの暮らしはもちろんのこと、アイヌに限らず少数民族の文化の存在をもっと知りたいと思ったし、消えてしまうのは悲しいと思った。
映画LEONも好きだけど、悪に染まっちゃった系おっさんと心の綺麗な少女の組み合わせは最高だと思う。杉元は戦争で人殺しに慣れすぎてしまっていてなんともいたたまれない。戦争で人を殺さざるをえなかった人たちの気持ちを初めてリアルに想像して考えさせられた。
杉元も好きだけど尾形が最高だった……杉元よりもさらに人の心を持 -
Posted by ブクログ
ネタバレやっと最終巻が読めました。ストーリーは最新で読んで知っていたのであらためてじっくりという感じでしたが。
牛山~~~~~涙
見た目はおでこにはんぺんのフランケンみたいですが、最期めちゃめちゃかっこよかったよ~~~涙
アシリパさんの覚悟もかっこいい。アシリパさんを守ろうとしていた杉元に対して、あくまで対等に相棒としていようとしていたんですよね。そして杉元もそれを受け入れて…「自分が幸せになれそうな場所」として選んだ場所は・・・アシリパさんの涙の笑顔が最高でした。変顔も好きですけどね。
そして鯉登。最終まで読み終えた私は今や鯉登推しです。
土方が杉元に託した刀、「持っていけばきっと役に立つ」 -
Posted by ブクログ
怒涛の展開から大団円。
どうして世の漫画賞は全て連載途中で賞を与えるのか?作品を正当に評価するのならば、最終回までを見ないと、その真のテーマは見えないのではないか?
今こそ、この作品にマンガ大賞を、手塚治虫文化賞大賞を、このマンガが凄い!第一位を!!
なんという物語だったのだろう!
三つ巴、四つ巴、五つ巴のような、それを時々シャッフルするような「闘い」が、数ページ毎に様変わりしながら続いてゆく。そして最終的には、結局軍隊と世のはみ出し者たちとのガチな戦闘を、なんと3巻に渡ってノンストップで描いてゆく。こ、これをアニメにするのか?できるのか?
当初、出てくる人物がみんな異様な、特別な人間に -
無料版購入済み
面白い‼︎アイヌ文化が興味深いし登場人物たちはぶっ飛んでる。時代設定も面白い。アシリパをさん付けで呼ぶのは杉元の人間性ですね。土方かっこいい。レタラのファンです。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ第七師団が網走刑務所に突っ込み、門倉は囚人を解放、激しい銃撃戦になる。のっぺらぼうを巡って犬童と土方の一騎打ち。すんでのところで犬童を倒す。杉元は二階堂と対決。義足銃をうまくかわし、二階堂は右腕を失う。
杉元はのっぺらぼうを捕獲。連れて行こうとするところで二人は尾形に頭部を撃ち抜かれる。インカマラもキロランケのナイフで刺され重傷。谷垣は杉元とインカマラを助けたが、3人ともに鶴見に捕まってしまう。
のっぺらぼうなき今、尾形、キロランケは白石とアシリパを連れて、金塊の謎を解きに樺太に向かう。杉元、谷垣、月島軍曹、鯉登の4人もそのあとを追う。
刑務所で行われる殺戮戦。壮絶な戦いに次ぐ戦い。テン