関口尚のレビュー一覧
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トライアスロン大会のリレーパートに出る羽目になった中学生の物語。
大会に向けて準備を進めるうちに友情が芽生え、強固なものとなり、
3人は強力なライバルに真っ向から立ち向かうことに。
と、書くとかなり爽やかなスポーツもののようですね。
でも、ちょっと違うんだな~
家族の問題。けがの「後遺症」。過去のイジメ。
そういったものも絡んでいて少し重たい部分もある。
そして、そこに恋も絡んでいく、まさに思春期の青春物語。
視点も描き方も違うけど、小路さんや村山さんに近い部分も感じた。
最後まで読めば分かるけど、トライアスロンはあくまでも物語の中の
ひとつのイベント。タイトルからも分かるよね。
彼らが -
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主人公は映画好きの高校生男子二人。
二人でよく行く小さな映画館の受付に居る女性、
松下さんに二人ともなぜか惹かれていく。
一方、個人の映画批評サイトに書かれたうつ病日記の
女性(アンアン)についても二人は興味を持ち、
やがてふとしたことからその女性が松下さんなのでは
ないかと、疑惑を持ち始め・・・
とまぁ、そんな話です。
普通の高校生はそんな難しい言葉使って会話しないよ、、、
ってつっこみたくなるような描写もあったけど、それを除けば
とても人間味のある高校生二人でした。
短い小説ですが、ちょっと展開力に欠けてるのか、なんだか
ページをめくる手は少しおとなしかったな。
でも、「結末はどうな -
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ネタバレ男の子はこんなにも単純に人を好きになったり、嫌いになったりするのかな。
一人の女性のために、こんなにもひたむきになれるものなのかな。
うつをどうとらえるかは難しい。
確かに今、薄っぺらくうつ病が持ち出される機会が多くて嫌な気分になる。
けれど、それでも苦しみは当人にしか分からない。
私はうつ病もノイローゼもどれほど人を変えるかをよく知っているから、否定も肯定もしたくない。
それと、女性が好きでもない人に抱かれるのがどれほどのことか、それはやっぱり女性にしか分からないと思った。
どんな心の苦しみに耐えようと、一度でもそうなってしまえば、それをすべて飛び越えて彼女は「汚れた」と言われてしまう。 -
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ネタバレ三年間も映画館での引きこもり生活を続けているルカ。休学して実家に戻った大学生の恵介が彼女と出会うところから物語は始まります。
序盤は、ルカのミステリアスな境遇をのぞけば、奇をてらったところのないさわやか〜な青春小説な印象。直球ストレートな内容ですが、僕は結構この序盤は好きでした。
ただ、レイジが登場して彼の奇妙な行動や過去のお話が現れだす頃から、その奇行っぷりに妙な違和感を覚えて、本への没入感が損なわれて行く感覚がありました。
それがあったので中盤はすこしテンションが下がりましたが、ラストシーンは感動的でとても良かったです。恵介とルカがお互いを思い合うところと、描写された情景の美しさが相 -
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帯には「トライアスロン小説」とありますが、競技そのものよりも主人公たちの中学生らしい(あるいはらしくない)悩みや葛藤、精神的成長を描くことに主軸がおかれていたように思います。だからなんだかジュブナイルなノリがする。
中学生って頑張ることを格好悪く感じてしまう年頃のような気がします。
他人からの評価が気になって、あいつは駄目だと思われたくないからわざと頑張らない。出来ないんじゃなくてやらないだけなんだよっていうスタンスで居たい。
そんな感覚には覚えがあります。
でも、これって虚しいんですよね。結局守れるのって自分の自尊心だけだし。とゆうかそれすら守れていない気がする。
前半の優太は正にそうで読 -
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青春小説。
鬱って流行みたくなってるのかな?
鬱になりたい病みたいな話が出てきてたけど。
人って多かれ少なかれ躁鬱の波ってあるじゃないですか。
だから、それ言ったらみんな鬱病っぽくも躁病っぽくもなる時あるんじゃないかな。
その振れ幅の問題なんじゃないのかなって思うのだけれど。
例えば他人にとっては「そんなこと」でも、本人にとっては人生揺るがすような出来事なんて山ほどあるよね。
落ちる時とあがる時の差が激しい人は、それだけしんどいんだよね。
それを他人が診断して名前をつけているだけで。
さらにそれをあぁでもない こぅでもない と
糾弾するのはどうなんでしょうか。
甘えとか 弱い とか -
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“「いっしょにやらない?」
お菊はすごくびっくりしてた。及び腰で、いまにも逃げ出しそうに見えた。こいつはこういうときに遠慮するから友だちができないんだ。あたしはそう思って言った。
「自分から勇気を出して入っていかなきゃ、いつまでたっても自分の居場所は手に入らないよ。居場所は自分で作るもんなんだよ」
ボールを差し出すと、お菊はこわごわといった感じで受け取った。それがお菊が野球の輪に加わるきっかけだった。”
あさのあつこ「ヨキナマ、ヨキナマ」
椎名誠「働く子どもたち」
関口尚「代打の女神様」
宗田理「ネコになった少年」
はやみねかおる「幽霊屋敷にて人喰い鏡を見る」
松原秀行「キャベツ畑のトリケラ