あらすじ
映画館でバイトを始めた恵介。そこで出会った映写技師のルカは、一歩も外へ出ることなく映写室で暮らしているらしい。なぜ彼女は三年間も閉じこもったままなのか? 「ルカの過去について質問してはいけない」など三つの不可解な約束に困惑しながらも、恵介は固く閉ざされたルカの心の扉を押し開いていく。切なく胸を打つ、青春ミステリ感動作。
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Posted by ブクログ
ずっと昔から好きな本なのですが、感想を書きます。映画化もされてますが、関口さんの本は文章が好きなので(難しい言い回しを使わないのに刺さるんです)、映画は未だ観てません。
大好きなフレーズが、この作品に2つある。
一つ目は、ルカが主人公•恵介に言った言葉。
人との関わりが煩わしかったり不安になることもあるけれど、このフレーズを思い出して、いつも救われている。
家族に遠ざけたい人がいて、でも本当の意味で関係を遮断できない。
その自分の弱さを、選択を、包んで貰えた気がした。
二つ目は、恵介がルカに言った言葉。
私は、人と人が本当の意味で分かり合えることは一生ないんじゃないか?と思っていた。だから、誰か1人大切な人が出来たとて、一生その孤独感を背負っていくものと思っていた。
恵介も、その考えに頷く価値観の人だ。
でも、この言葉に出会ってから、考え方が変わりました。
迷いそうになったとき、いつも思い出し、
手を伸ばそうと思う言葉です。
人が人を愛して一緒に生きてく、というのは
こういうことなんだと思う作品です。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろかったです。
映画好きとしては映画館と映写技師が主となったこの作品にはすぐにのめり込むことができました。
「ニューシネマパラダイス」を思い出します、もう一回観たいなあ。
ルカに恋しそうになりました。
そして何よりラストが美しかった。
Posted by ブクログ
青春ミステリーと裏表紙のあらすじに書いてあったけれど、頭をひねって事件を解決するようなミステリーの要素は少ない、というかほとんどありませんでした。
どちらかと言えば青春、恋愛の色が濃く出ていて、ルカと恵介の恋が素敵です。
また、ラストシーンがとても綺麗で感動的で、このラストシーンのためにそのまえの話や伏線があると言ってもいいくらいです。
人とのつながりの温かさを感じ、少しずつでも前進してゆく勇気をもらえる作品だと思います。
今年映画化されるようなので暇があったら観てみようかな…。
Posted by ブクログ
3年もの間一歩も外に出ず古びた映画館で生活する映写技師のルカと、臨時でアルバイトをすることになった恵介の恋愛ストーリー。
アルバイトの採用に至って支配人から不思議な3つの条件を突き付けられます。それが平凡なラブストーリーにミステリ的な奥深さを持たせています。
主に物語の舞台となる映写室は2人の仕事場でありながらルカの居住空間。そんな非日常的な世界観と魅力的で謎めいたヒロインルカにグイグイ引き込まれました。
Posted by ブクログ
いちおう恋愛小説なんだと思うけど、ヒロインのルカがなぜ3年間映画館に閉じこもって一歩も外に出ていないのか?
の理由がなかなかわからずミステリーの要素もある。
恋愛小説はすすんで読まないけどこれはストーリーのテンポが良く、続きがどんどん気になり400ページあっても1〜2日で読める
実際に著者が映写技師の仕事をやった事があるようで、映写技師のヒロインのリアルな描写が良かった
Posted by ブクログ
実は作者は知り合いです。
映画化すると聞いて読みました☆
いやはやなんとまぁ爽やかな話!
穏やかな気持ちにさせてくれる本です☆
レイジみたいな人が近くにいたらどうしたらいんだろうか。。。
Posted by ブクログ
面白い
映画をみているよう。
恋愛小説の分類に入るのかもしれないけど、さわやかで、そして引き込まれる描写と話の進め方。
設定もなかなか面白い。
途中で出てくるバイトの女がいるんだけど、それが今一歩、あまり面白く絡んでこないのが気になったけど、基本的には話の筋もしっかりしていて面白い。
読む価値のある話である
Posted by ブクログ
甘く切ない恋物語なのかな。お互いに闇を抱えて生きてきた2人が、映写機というものを通して出会い惹かれていく。とにかく純愛です。そんな人に出会えたら幸せだろうなぁとしみじみ思います。
Posted by ブクログ
作者は、映写技師のアルバイトしていたことがあり、その経験を基にこの本を書いている。映画化もされているが、原作の方が良い。
私が16mm映写機の捜査講習を受けたのも、実はこの本を読んで、映写機をいじりたくなったから。
面白かったよー
この作品、映画にしたら、いいなーと思えますよ!読みながら、自分なりに、頭に俳優さんを決めながら読んでたら、凄く楽しかったー監督になった気分です(笑)
Posted by ブクログ
映画が個人的にはまったので、原作もと手を伸ばした。
設定はおおむね原作通りだったんだなぁ。映像が先の分、違和感を感じつつの読書にはなったけれど。
ルカと恵介、ふたりのやりとりや緻密な映写のシーンなど好感が持てたし、分量はあるけれど読みやすかった。
Posted by ブクログ
舞台が足利!
おもわず引き込まれました。
大学生の恵介は、
学校を休学し地元の映画館でバイトを始める。
そこで出会った、映写技師のルカ。
1.ルカの過去について質問しない。
2.ルカが神経質になる月曜はそっとしておく。
3.恋愛は禁止。
この約束のうえで、
ルカと一緒に働く恵介。
映写室は
暗くて、狭くて、音や油、
きっと本当に特別な空間。
そこで一緒に仕事をしながら、
お互いの内側を少しずつ見せていく。
近づいてくふたりだけど、
過去と現在が邪魔をする。
レイジは読んでて気持ち悪くなったー。
江花なんて可愛い。苦笑
3年間も外に出ないで、
映写室のなかで生活しているルカ。
なぜ外に出ないのか、
なぜ過去を語らないのか、
最初はふわーっと進んでいきますが
レイジが登場して
物語はスピードアップします。
問題は、
レイジや父親、江花などの
物語中に不協和音をもたらす人物たちの
回収がされてなかったー。
大丈夫なの?
レイジ、またなんかしてこないの??
父親はやっぱりそのまんまなの??
江花はどーなるのー??!
なんて、多少悶々しました。笑
だけど、
ラストは良かったです。
なんだか安心したし、ホッとしました。
ルカと恵介の結末は良かった!
映写機って繊細なんだなーって。
たまーに映画の途中で見る黒まるは、
切り替えのポイントだったのね。なるほど。
映画も映画館も、
ほんとうに大切な空間や時間なんだなーって思える一冊。
Posted by ブクログ
映画化されるとは知らずに読みました。解説を読んで映画化を知ったんですが、正直あまり映像には向かない作品のような気はしました(個人的に、ですw)。
なぜだか「ぼくのメジャースプーン」「凍りのクジラ」等の作品群をふと思い出してしまったヒロインの境遇はさておき、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を連想させる映写技師との交流は楽しい展開。あれを若い男女にすると、日本ではこうなりますか(萌え要素が入り込む?)そうですかw という感じ♪
渡良瀬橋の風景は映像に向いてるとして、多分 小説の文章から想像する脳内映像 の方が映画よりもいいんだろうな~、でも小説を読まないという人も居るんだろうから映画にする価値はそれなりにあるのかな~、と 色々と映画化に関してばかり思いが巡ってしまった作品ですw
が、ストーリーは爽やかな恋愛ものとして楽しめるイイ作品だと思いますので、そういうのが好きな人にはオススメ。
Posted by ブクログ
恵介と流花の関係素敵。
二人とも心に傷を負いながら、でもその傷と向き合って必死にお互いを理解しようとしている。
良い話だった。レイジを除いては・・・(笑)
Posted by ブクログ
昔こんな感じの映画館で映画を見てた時のことを思い出しながら読んでました。
昔は立ち見をしたり、同じ映画を続けて見たり・・・
今の映画館も好きだが、昔もよかったなと。
なんか論点がズレてる気が。
Posted by ブクログ
学校サボっては
昭和な映画館で
三本立てを観てた自分には
かなりツボな作品。
安全性を重視し誘導灯を点けたままの今と違って
昔の映画館は、
完全な闇が支配する密室空間。
それは自分にとって、
日常を忘れ、
映画に浸るためだけにある
優しくて甘い闇でした。
時給1500円に釣られて、
映写技師の助手をすることになった
大学生の恵介。
そこで出会った
21歳の映写技師・杉本ルカは、
3年間も一歩も外を出ることなく
映写室で暮らす
ミステリアスな女性。
恵介は
☆ルカの過去は聞かない。
☆月曜日のルカは
ナーバスになるから
そっとしておくこと。
☆ルカとの恋愛は禁止。
という不可解な約束を守ることを条件に
銀映館で働くことになります。
なぜ彼女は
映写室に閉じこもったままなのか?
淡い恋心を描きながら、
やがて明らかになるルカの過去。
ミステリーの要素を持たせた青春ストーリーだけど、
とにかく映画館好きの自分は
映画館で暮らす少女
という設定だけで食いついたし(笑)、
映写技師という仕事が分かって
かなり興味深かったです。
映写技師は
作り手の思いが詰まったフィルムを、
客に届ける大切な橋渡し役。
だからこそ誇らしい仕事だし
責任重大なんですよね。
実際に映画館で働いていた作者ならではの
映画愛溢れる描写にも
心奪われます(*^o^*)
1秒間に24コマ動く
カタカタと写し出される残像が
記憶として心に刻みこまれるのが
『映画』という表現で、
それはDVDでは
決して味わえない
『生の体験』です。
客層によって
時代の空気をも肌で感じられるし、
映画館特有の
みんなで笑ったり泣いたりを
共有できる感覚(ライブ感)こそが
いつまでも残る記憶となりえるんです。
レイジというキャラが、
辻村深月の『凍りのくじら』の
サイコ野郎に非常に似通っていたり、
ストーリーにも
ツッコミ所は多々あるけど、
この作者の書く
甘く切ない世界観は嫌いではないし、
映画が好きで、
優しいことで損をしたり
傷ついてしまった経験がある人なら、
かなり共感できる小説なんじゃないかな。
そして、
映画が好きであればあるほど
胸に響く感動的なラストは、
是非とも
映像で観てみたいと思いました。
6月の映画化も楽しみ♪
Posted by ブクログ
いい話!
映画化するのか―ぜひやってほしいね、これは。
徐々に、すごーくゆっくり進展していく恋。とっても優しい、あったかい愛。傷を包むように大事に求めて。素敵すぎるなあ。こういうのすごくいいと思う。レイジの乱れっぷりが対照的ですさまじいし笑 読後感爽快。すっきりした気持ちになります。
Posted by ブクログ
映画館でバイトを始めた恵介。そこで出会った映写技師のルカは、一歩も外へ出ることなく映写室で暮らしているらしい。なぜ彼女は三年間も閉じこもったままなのか?「ルカの過去について質問してはいけない」など三つの不可解な約束に困惑しながらも、恵介は固く閉ざされたルカの心の扉を押し開いていく。切なく胸を打つ、青春ミステリー感動作!
Posted by ブクログ
東京の大学を休学して地元足利に戻り映画館で映写技師の助手のアルバイトをする男の子と、三年間映画館から一歩も出ていないという何やら過去に一物あった風な映写技師の女の子を中心とした物語。 風景や映画館の描写などはすごく良かったのだが、登場人物、とくに技師の女の子がいまいちピンとこず。三年も外界に出られないようなトラウマがあったにも関わらず主人公の男の子と抱き合って急に付き合うことになったり、キスを求めたり…。彼女の心情が理解できなかった。またレイジの登場によって一気にありきたりな物語になってしまったのが残念。
Posted by ブクログ
2019.10.4 本棚の整理のために再読。
辛い過去を持ちながらも教師という夢を持ち、前を向いて努力する主人公・恵介と、映画館の映写室に3年間引きこもり、辛い過去と向き合えないでいるヒロイン・ルカが、映写技士の仕事を通して惹かれあい、ルカが過去を乗り越えていく青春純愛作品。
始めは、ルカが3年間引き込もった過去にミステリー的な要素を少し感じたが、徐々にわかってきた理由が辛くて悲しすぎて、原因の男が人として腐りすぎてて嫌悪感を感じてしまい、ちょっと読むのが嫌になりそうだった…恵介の父親も最低すぎて、こっちが罵りたくなる…。
そんな中、恵介と弟・春人の強さと優しさが心に染みたし、細かすぎる映写技術の難しさや素晴しさ、ルカが剛造さんから受け継いだ映写に対する信念、舞台となった足利・渡良瀬川の美しい風景描写はとても良かった。
Posted by ブクログ
関口氏の作品はどれも透明感があるね。
『パコと魔法の絵本』、『君に舞い降りる白』などなど。
さて、本作は、映写室に三年間引きこもる女の子と、そこでバイトをすることになった男の子の物語。
細微な描写が非常に綺麗。川端康成にも通じるような気がする。
誰かを想うという、純粋さが心を浄化する一冊でした。
物事に感動することが少なくなってきたら、読むと心の運動になるのではないでしょうか。映画化されてるみたいなので、観てみようかね。
Posted by ブクログ
映画館でバイトを始めた恵介。
そこで出会った映写技師のルカは一歩も外へ出ることなく映写室で暮らしているらしい。
なぜ彼女は三年間も閉じこもったままなのか?
「ルカの過去について質問してはいけない」など三つの不可解な約束に困惑しながらも恵介は固く閉ざされたルカの心の扉を押し開いていく。
Posted by ブクログ
3年間、映画館から出ようとしない映画技師のルカ。アルバイトとして、映写機の扱い方をビシバシ叩き込まれる恵介。親しくなりながらも、触れてはいけないルカの過去が近づく展開が気になって1日で読んでしまった...。恵介とルカが仕事をしながらお互いの過去や、夢を語り合って惚れていく情景は、穏やかに見守りたくなった。ルカを苦しめたレイジはクズ極まりないが、こちらは過去の記憶に打ち勝てずに歪曲した人間なんだろう...同情はできないけど。手下にボコられながらも、ヤツに食らいついて離れなかった恵介は男らしかった。
Posted by ブクログ
なんだか懐かしい本だった。
何故か、前に読んだ「百瀬、こっち向いて」を思い出した。
映画になってるのか。映像、撮り方綺麗だといいなあ。
ミステリアスだけど、淡々とした進み方で、それは主人公達が心を100%曝け出さないからだと思うんだけど。
最後の演出は良かった。
爽やかだな。
Posted by ブクログ
うーん。関口さんの作風は好きなので、全然読み進めたのですが、★3つなのは、ちょっと自分では消化不良感があるところですかねぇ。
大体途中で物語の最後のほうまでの流れが予想できてくると、やっぱりその通りになるのか?みたいな。
あと、レイジの使い方がちょっとねぇと。もう少しアクの強いキャラなので使ってあげて欲しかったかな。あっさりとフェードアウトしちゃうのはびっくり。
でもま、好きな作家さんなのではずれではなかったので良かったです。
Posted by ブクログ
映画化原作ということで読んでみた。
登場人物たちの過去が語られるのが全て“語り”だったのがちょっとやぼったかった。
過去を語らせるのにもっと違ったアプローチがあればより面白くなったのかなと思う。
漆田の異常性が描きたかったのだろうけどそのまま放置でなんだかなーと思った。
Posted by ブクログ
三年間も映画館での引きこもり生活を続けているルカ。休学して実家に戻った大学生の恵介が彼女と出会うところから物語は始まります。
序盤は、ルカのミステリアスな境遇をのぞけば、奇をてらったところのないさわやか〜な青春小説な印象。直球ストレートな内容ですが、僕は結構この序盤は好きでした。
ただ、レイジが登場して彼の奇妙な行動や過去のお話が現れだす頃から、その奇行っぷりに妙な違和感を覚えて、本への没入感が損なわれて行く感覚がありました。
それがあったので中盤はすこしテンションが下がりましたが、ラストシーンは感動的でとても良かったです。恵介とルカがお互いを思い合うところと、描写された情景の美しさが相まって、胸に込み上げるものがあります。
映画化が予定されてるそうですが、このラストシーンを早くスクリーンで見てみたいです。
ちなみに映画での恵介役は高良健吾さんだそうですが、ルカ役はだれだろう?個人的には恵介役よりもそっちが誰かの方がキャスティング的に重要だと思うので、めっちゃ気になるです…