多感な年頃の中学生。その複雑な心理や葛藤、挑戦を通した成長が描かれています。
周囲からバカにされているモー次郎、水泳で県記録保持者の姫、サッカーをやめた優太。その3人に、姫の彼女で優太の幼馴染みでもある美月も深く関わりながらのストーリー展開。
心理描写とストーリーにいつの間にか引き込まれ作品に没頭し
...続きを読むてしまいました。
バラバラな個性の3人が、ぶつかったり離れたりしながら「トライアスロン大会」という1つの目的に向かっていく。
それぞれの事情は異なるけど、抱えているしんどさはみんな重い。それが更に複雑に絡み合ってしまっている。
『ぼくたちは病んでなんかいない。大人たちに押しつけられた歪みに耐えられないやつが出てきているだけだ。心の闇なんてない。ぼくたちはあと少し考える力が必要なだけだ。言ってることとやってることがちぐはぐじゃない憧れたくなるような大人に、そばで導いてもらえればきっと変われる』
ただ者ではない鶴じいが格好良かったなぁ。
子どもの頃に出会う大人で、将来は大きく変わると思います。
作品の最初とラストでは登場人物に対する印象が変わりました。
子どもたちのこれまでの頑張りはいっぱい褒めて、ひとまわり成長した子どもたちにハグを、
その未来にはエールを送りたい!!
清々しい読後感の青春小説。
おもしろかったです。