関口尚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の中学3年生の男子3人が
とある機会でトライアスロンに挑戦し、
トライアスロンを通して大人になっていく、というお話です。
主人公の彼らは何も知らない子供でもなく、
また、全てを知っている大人でもなく、まさに思春期真っ只中。
純粋な心や感情を持ちつつも、上手くいかない現実にもがき、
正面から感情をぶつけ合ったりする姿は青臭くもあり、
「こんな時期もあったんだなぁ」という懐かさを思い出させてくれました。
ものごとが上手くいかない時の、
自分より弱いもの・自分を受け入れてくれるものに当たりたい気持ち、
不安なときこそ目に見える確かなものを求めてしまう気持ちが
純粋で繊細なんだけれども、で -
Posted by ブクログ
清々しい読後感の恋愛小説。
幸せな未来を感じさせる余韻がいい。
傷つきながらも、新しい世界へと踏み出す登場人物すべてに声援を送りたくなる。
鉱石店「石の花」のスタッフと、お店を訪れる過去に大きな傷を抱えた人たち。
その誰もがお店に安らぎと居心地のよさを感じているが、やがてはそれぞれが自分の問題と向き合い、未来へと一歩を踏み出す。
鉱物を取り扱うお店「石の花」。
山入水晶、緑鉛鉱、クリソコラ、菊花石、蛍石など、聞いたことのないような名前ばかり。
自然が創りだす造形美ってすごい!
章ごとに描写されている想いに切なく苦しくなる。
相手を思うあまり突っ走る主人公の姿には若者ならではの瑞々しさを感 -
Posted by ブクログ
優太、姫、モー次郎たち、美月の歓声や叫び声、そしてひとりのときのひっそりとした泣き声が聞こえてくるようだ。自分の力だけではどうにもできないことがあることを知る時期かもしれない。大人じゃないけど子どもじゃない、子どもじゃないけど大人じゃない。佐野元春は「つまらない大人にはなりたくない」って歌っていた。オイラは優太が言う「憧れたくなるような大人」になってるかな。
「大切なのはイメージだ。もっと高くジャンプして青い空に手を伸ばすようにして、歪んだ大人たちがつかめなかった生きるってことの楽しさを、僕らの世代が手にするのだ。そのための強さを手に入れるには、足を踏み出さなくちゃいけない。それは大袈裟なこと -
Posted by ブクログ
久々に時間に余裕ができ、車内にいながらぼんやりと物語に浸かりたいと思い、夏っぽい高校生の青春ものというイメージに惹かれ読んでみることにした。
主人公の植野とその親友である今井は映画館で出会った受付の女性松下菜那に出会い、その容姿・性格様々なアンバランス具合に心惹かれ、彼女のことをもっと知ろうと探りはじめる。同時にある鬱描写が垣間見えるブログサイトを気になりだす。まあ要するにこのブログサイト書いてるのが松下さんなのではないか、となってくるお話。
親や恋人の影響から将来に対しての不安を登場人物たちは持っており、その影と、年齢ゆえの脆いながらも純粋な真っ直ぐな姿勢とがうまく物語中に融合している。