関口尚のレビュー一覧
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ごく個人的な、もしくはプライベートと呼ぶべき事象で、しばらく長い文章が読めなくて、そのリハビリとしてはいかがな行為と思うが、当時読みかけで中途半端な中の一冊として本書を読み切ることに決め、一年かけ、やっと終わった。
そういう意味では全く他者にとっては参考にならないが、個人的には非常に大きな意味となる読書だった。
内容としては、三章に分けた、それぞれの女性に対する物語、ついては付属する男性の物語でもあるが、主人公は平凡でありながら、傷ついている大学生でもある。
主人公がアルバイトで勤務する職場が宝石を扱う所から、それらにまつわる繋がり、それぞれを”見送る”物語であり、再生の物語とよく言うが、 -
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ネタバレ前半に登場する小学生の主人公たちは皆、
家庭環境や学校での生活に「歪み」を持っている。
そのため、登場人物の性格もどこかしら
ダークな感じで、かなり危険なラインまで
捻てしまっているのがわかるけれど、
話が進むに連れ上手く
折り合いをつけていっている。
最初こそお互いの利益や自己保身のために
つきあっていたみなとや悟、ユリカが
結果的に単なるなれあいではない
共有意識を持つようになる流れは、
小学生とは思えない位渋いと思った。
後半の話が単なる後日談のハッピーエンドではなく、
成人した主人公たちがその年に見合った問題を抱えているのが良い。
何も目下の問題は解決できてはいないけど、
読後 -
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表紙がとてもきれいで、タイトルもなんかすごくきれいで思わず買ってしまった本です。
あらすじを読むと大学生の恋愛話ということで良いなと思ったんですけど、鉱石店というのがいまいちピンとこなかったです。
読んでみると盛岡が舞台の話で嬉しくなりました(今私は盛岡の大学生なので)。知っている地名とか出てきたりして、情景が思い浮かべやすかったです。
3部構成で主人公の恋愛模様、アルバイト、周りの人達といった感じで話が進んでいきます。読んでて続きが気になってしまうというか、ついつい入り込んでしまうような話だと思いました。面白かったし、終わりがすっきりしていたので良かったです。
話に出てくる石の描写がとて -
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舞台が足利!
おもわず引き込まれました。
大学生の恵介は、
学校を休学し地元の映画館でバイトを始める。
そこで出会った、映写技師のルカ。
1.ルカの過去について質問しない。
2.ルカが神経質になる月曜はそっとしておく。
3.恋愛は禁止。
この約束のうえで、
ルカと一緒に働く恵介。
映写室は
暗くて、狭くて、音や油、
きっと本当に特別な空間。
そこで一緒に仕事をしながら、
お互いの内側を少しずつ見せていく。
近づいてくふたりだけど、
過去と現在が邪魔をする。
レイジは読んでて気持ち悪くなったー。
江花なんて可愛い。苦笑
3年間も外に出ないで、 -
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映画化されるとは知らずに読みました。解説を読んで映画化を知ったんですが、正直あまり映像には向かない作品のような気はしました(個人的に、ですw)。
なぜだか「ぼくのメジャースプーン」「凍りのクジラ」等の作品群をふと思い出してしまったヒロインの境遇はさておき、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を連想させる映写技師との交流は楽しい展開。あれを若い男女にすると、日本ではこうなりますか(萌え要素が入り込む?)そうですかw という感じ♪
渡良瀬橋の風景は映像に向いてるとして、多分 小説の文章から想像する脳内映像 の方が映画よりもいいんだろうな~、でも小説を読まないという人も居るんだろうから映画にする価値は -
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タイトル、そして目次に魅かれて衝動買い。
第一章 さよならの水晶
第二章 とまどいの蛍石
第三章 思い出のアレキサンドライト
ちなみに、ハードカバーの時のタイトルは『あなたの石』だったそうです。
今回文庫化にあたって改題したとのこと。
もうひとつ衝動買いの理由が。
背表紙に書かれたあらすじの一行目。
「もう誰も、好きにならない。」
なんかねー、今読むべき本だという気がした。ただこの一文だけで。
主人公は、鉱石店でアルバイトをする大学生。
ちょっとしっかりしすぎてる感はある。
だけど、こういう奴はたしかにいるよ。
あることがきっかけで、もう恋はしないと決めた主人公。
でも、バイト先 -
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学校サボっては
昭和な映画館で
三本立てを観てた自分には
かなりツボな作品。
安全性を重視し誘導灯を点けたままの今と違って
昔の映画館は、
完全な闇が支配する密室空間。
それは自分にとって、
日常を忘れ、
映画に浸るためだけにある
優しくて甘い闇でした。
時給1500円に釣られて、
映写技師の助手をすることになった
大学生の恵介。
そこで出会った
21歳の映写技師・杉本ルカは、
3年間も一歩も外を出ることなく
映写室で暮らす
ミステリアスな女性。
恵介は
☆ルカの過去は聞かない。
☆月曜日のルカは
ナーバスになるから
そっとしておくこと。
☆ルカとの恋愛は禁止。