関口尚のレビュー一覧
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トライアスロン トライアスロンに挑戦しようとロードバイクを購入して、ロードバイクの小説をいくつか読みましたが、トライアスロンの本を読んでなかったので手に取ったのがこの本でした。
青春ものになっていますが実はトライアスロンはおじさん人口が多いです。自転車にお金がかかるからかもしれませんし、自転車は危ないので自己責任の持てる年齢まではあまりお勧めは出来ないのかもしれません。
それでもトライアスロンは魅力的なスポーツです。トライアスロンの魅力を余すことなく伝えているとは感じませんでしたが、少年達の生きる姿に久々に電車で号泣しました。出会えて良かった1冊です。
歪んだ大人たちがつかめなかった生き -
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多感な年頃の中学生。その複雑な心理や葛藤、挑戦を通した成長が描かれています。
周囲からバカにされているモー次郎、水泳で県記録保持者の姫、サッカーをやめた優太。その3人に、姫の彼女で優太の幼馴染みでもある美月も深く関わりながらのストーリー展開。
心理描写とストーリーにいつの間にか引き込まれ作品に没頭してしまいました。
バラバラな個性の3人が、ぶつかったり離れたりしながら「トライアスロン大会」という1つの目的に向かっていく。
それぞれの事情は異なるけど、抱えているしんどさはみんな重い。それが更に複雑に絡み合ってしまっている。
『ぼくたちは病んでなんかいない。大人たちに押しつけられた歪みに耐えら -
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四国八十八か所を巡るお遍路を大学のイベントとして企画し、その中の一つの班の中での旅路を追った作品です。
幼少期の記憶を失った青年、シングルマザーに振られた傷心の青年、誰ともコミュニケーションをとらない美少女。そしてやたらと攻撃的で冷笑的な青年etc…。
色々な人間模様の中結願を目指していくのですが、正直イライラし通しで物語の中に入って行ってぶん殴ってやりたくなる事が何度もありました。
これがまた作者の策略に嵌ったのか、彼らと一緒に旅しているような気になってしまっていたんですね。嫌なやつも嫌な面だけでは無かったり、しっかり皆多面性を持った人間だなあと思えるいい本でした。
ひとりひとりの成長が多か -
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それぞれ事情を抱えてお遍路ツアーに参加した7人の学生たち。
記憶をなくしたことから、コミュニケーションに消極的な玲。年上の子持ち女性に振られたことを忘れるために参加した巨漢でその名の通り明るい性格の太陽。
昔のある記憶から逃れたい、歌うことが大好きだった花凛。
何かにつけて劣等感を感じるひねくれ物の剣也は、親父が経営する不動産業を継ぐというためにいやいや参加。
学生時代にしかできないことを成し遂げたい麻耶。
今は亡き妹に見せたいと参加を決意した吉田。運営側、お遍路コーディネーターの木戸。
7人それぞれが悩み、葛藤しながらお遍路を続ける。
お遍路を題材にした一見普通の青春小説…だが、おやっ? -
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2020/2/28
ハトのレースに魅力を感じるようになっていった少年2人と少女1人の成長の物語。
この本を読むと、ハトのことに関してめっちゃ詳しくなることができます。
みなと、悟、ユリカの3人がハトのレースに出るために北海道目指して行ったり、何かと行動力がある3人ですが、それぞれの抱えているもの、特にみなとの過程がすごく複雑な設定で、読んでてかわいそうになります。
ハトの成長とともに、彼ら3人も小学六年生ながら大きく成長していきます。
その後の話では、大人になってもハトレースを続けている悟とみなとの話は描かれています。どうせならユリカのその後にも触れてみて欲しかったなーというのが正直なところ。 -
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YAは時代を切り取ったものである。それは現実的な話に限らず、ファンタジー色の強いものでもそう思います。
読者対象が狭いため、あっという間に世代交代されていくのですね。10代の頃の1年はとても長く、ちょっと前の世相がとても古く感じてしまいます。
だから昔のYAを今の10代が読むとどう感じるのかは気になります。
今作は2003年に発表されたもの。実にその時代が鮮やかに切り取られています。今からもう16年も前になるのですね。ああ、確かにそうだった。この時代はこんな感じだった。そんな懐かしさがひしひしと迫ってきます。
そこに生きる高3の少年ふたり。将来の夢、別れたばかりの彼女、父親のリストラと精神状 -
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プリズム、と聞いて淡く儚い美しさを連想した。読み終えると薄暗い人間らしさと、それゆえの美しさを感じた。二人の少年の葛藤と情熱という青春が眩しくもあった。
プリズムとは光を分散させ、光を構成している複数の色を目で見えるようにさせる道具である。光は複数の色が重なって白色に見えている。
人間もまた同じ。様々な色が重なって一人の人間を創る。他者からはその内の全てを知ることはできない。
この物語では、主人公たちはブログというプリズムにより、ヒロインの心の内の一色を垣間見たのだろうか。その色が何色であろうと、その人を構成し、ともすると自身の気付かぬ内にも隠れているのかもしれない。
自身にもプリズム -
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お遍路ツアーに参加した大学生たちの群像劇。
この本を読もうと思った理由は、以前読んだ「はとの神様」の著者であったことと、裏表紙の解説読む限り「夜のピクニック」的な感動を味わえると思ったこと。
結果、期待を裏切らない内容で良かった(自分が群像劇好きであることによる補正がかかってるかも)。
傷ついている人、不安を秘めている人、ささくれている人、それぞれが自分と向き合い、相互に関わり合うことでお遍路を経て変化していく。
登場人物の各々がお遍路に対する目的を持っていて(中には途中で目的を見つける人もいる)、その目的が最終的に達成できたかが丁寧に描写されている。登場人物の性格は皆違うけれども、描 -
購入済み
面白かったよー
この作品、映画にしたら、いいなーと思えますよ!読みながら、自分なりに、頭に俳優さんを決めながら読んでたら、凄く楽しかったー監督になった気分です(笑)