関口尚のレビュー一覧

  • 明星に歌え
    自動車でも回れる気がしないのに、暑い夏に歩き遍路とは。
    時間と体力、そして気力がないと達成できそうにない。誰もが悩みとともにお遍路をしているとは思わないけど(単にレジャーの人もいるだろうし)、何かをやり遂げるということは何かしら手にするものがあるのだろうと思う。
  • 明星に歌え
    それぞれ事情を抱えてお遍路ツアーに参加した7人の学生たち。
    記憶をなくしたことから、コミュニケーションに消極的な玲。年上の子持ち女性に振られたことを忘れるために参加した巨漢でその名の通り明るい性格の太陽。
    昔のある記憶から逃れたい、歌うことが大好きだった花凛。
    何かにつけて劣等感を感じるひねくれ物の...続きを読む
  • はとの神様
    2020/2/28
    ハトのレースに魅力を感じるようになっていった少年2人と少女1人の成長の物語。
    この本を読むと、ハトのことに関してめっちゃ詳しくなることができます。
    みなと、悟、ユリカの3人がハトのレースに出るために北海道目指して行ったり、何かと行動力がある3人ですが、それぞれの抱えているもの、特...続きを読む
  • 君に舞い降りる白
    岩手大学に学んだ作者が、盛岡を舞台に描く青春小説。作者は大学の後輩にあたる。小説すばる新人賞受賞後の第1作になり、前作よりも出来が良いと思う。前向きの読後感とでも言うべき感覚がある。尚、読んだ本の表紙カバー最初のもの。
  • プリズムの夏
    YAは時代を切り取ったものである。それは現実的な話に限らず、ファンタジー色の強いものでもそう思います。
    読者対象が狭いため、あっという間に世代交代されていくのですね。10代の頃の1年はとても長く、ちょっと前の世相がとても古く感じてしまいます。
    だから昔のYAを今の10代が読むとどう感じるのかは気にな...続きを読む
  • シグナル
    甘く切ない恋物語なのかな。お互いに闇を抱えて生きてきた2人が、映写機というものを通して出会い惹かれていく。とにかく純愛です。そんな人に出会えたら幸せだろうなぁとしみじみ思います。
  • シグナル
    ウルシダセブン・・・ありえなくもないかな話。同級生に漆山くんてのがいたなぁ。けっこう可愛い顔の造りしてたからやってたりして。
  • ナツイロ
    東京の大学に通い、ひょんなことから愛媛でミカンのアルバイトを行うことになる田中

    その家の娘でシンガーソングライターのリン

    音楽を通して成長していく2人の姿、読んでいてさわやかになる

    あきらめないことの大切さ、人とのつながり

    夏を超えて成長していく2人を描く
  • プリズムの夏
    プリズム、と聞いて淡く儚い美しさを連想した。読み終えると薄暗い人間らしさと、それゆえの美しさを感じた。二人の少年の葛藤と情熱という青春が眩しくもあった。

    プリズムとは光を分散させ、光を構成している複数の色を目で見えるようにさせる道具である。光は複数の色が重なって白色に見えている。

    人間もまた同じ...続きを読む
  • シグナル
     作者は、映写技師のアルバイトしていたことがあり、その経験を基にこの本を書いている。映画化もされているが、原作の方が良い。
     私が16mm映写機の捜査講習を受けたのも、実はこの本を読んで、映写機をいじりたくなったから。
  • 明星に歌え
    お遍路ツアーに参加した大学生たちの群像劇。

    この本を読もうと思った理由は、以前読んだ「はとの神様」の著者であったことと、裏表紙の解説読む限り「夜のピクニック」的な感動を味わえると思ったこと。

    結果、期待を裏切らない内容で良かった(自分が群像劇好きであることによる補正がかかってるかも)。

    傷つい...続きを読む
  • シグナル

    面白かったよー

    この作品、映画にしたら、いいなーと思えますよ!読みながら、自分なりに、頭に俳優さんを決めながら読んでたら、凄く楽しかったー監督になった気分です(笑)
  • 明星に歌え
    過去を抱えた7人の巡礼が旅をするという設定は、ダン・シモンズのSF巨編「ハイペリオン」を思い起こすなあ。それとと恩田陸「夜のピクニック」を合わせたような作品。
    中高生におすすめ。
  • プリズムの夏
    【あらすじ】
    「わたしはわたしをやめたい。もう消えてしまいたい。」ネットで見つけた、うつ病女性の日記。高3のぼくは、書いているのが片思いの相手・松下さんではないかと疑い始める。映画館で働く美しい彼女にそんな気配はないけど、証拠は積み重なる。死へ向かう、日記の女性が松下さんなら、ぼくは助けたい。どんな...続きを読む
  • 君に舞い降りる白
    ごく個人的な、もしくはプライベートと呼ぶべき事象で、しばらく長い文章が読めなくて、そのリハビリとしてはいかがな行為と思うが、当時読みかけで中途半端な中の一冊として本書を読み切ることに決め、一年かけ、やっと終わった。
    そういう意味では全く他者にとっては参考にならないが、個人的には非常に大きな意味となる...続きを読む
  • はとの神様
    前半に登場する小学生の主人公たちは皆、
    家庭環境や学校での生活に「歪み」を持っている。

    そのため、登場人物の性格もどこかしら
    ダークな感じで、かなり危険なラインまで
    捻てしまっているのがわかるけれど、
    話が進むに連れ上手く
    折り合いをつけていっている。

    最初こそお互いの利益や自己保身のために
    ...続きを読む
  • シグナル
    映画が個人的にはまったので、原作もと手を伸ばした。
    設定はおおむね原作通りだったんだなぁ。映像が先の分、違和感を感じつつの読書にはなったけれど。

    ルカと恵介、ふたりのやりとりや緻密な映写のシーンなど好感が持てたし、分量はあるけれど読みやすかった。
  • 君に舞い降りる白
    安斎と金田を二人だす必要があるのかなあ,と思った。人間っていろんな面を持っていて当たり前なんだから,この二人の人生を足して2で割った人物を一人設定すれば物語全体に行き渡るような気がする。それは,志帆のキャラクターにも言える。なんかそういうところが残念。
  • プリズムの夏
    現実と折り合って生きていくって大変。
    各々の抱えている現実と向き合いながら、迷いながら生きていってる高校生二人の姿がなんだか懐かしい。
  • プリズムの夏
    映画館で出会った受付の女性に憧憬の念を抱く高校生男子の話。
    歪んでいるかもしれないけれど、青春の物語。

    おもしろかったのは
    鬱病を題材にしているが、当人の視点ではないのと、鬱病に対する見方。
    鬱病日記否定派(あくまで鬱病否定ではない)の今井が、松下さんが日記の主とわかって葛藤したところもあったと思...続きを読む