ジェイムズ・P・ホーガンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ミネルヴァ計画』に学ぶマネジメントの現実解
SF『ミネルヴァ計画』(J・P・ホーガン)で描かれる「通信技術の発展により現場への過度な干渉が可能となり、かえって現場が凡庸化する」という問題は、現代の組織運営を象徴している。
現代主流の標準化やルール管理(機械的マネジメント)は、個人の裁量を狭めるようにも見えるが、本質的には「優秀な人材を確保できない前提で組織を存続させるためのセーフティネット」として機能している。
一方で、理想とされるのは自由と環境を与えて個の強みを伸ばす「庭師的マネジメント」である。しかし、メンバー全員が高度な自律性やプロ意識を備えているわけではないため、一律の解放は組織の崩壊を招くリスクもある。
したがって、極端な「管理」も「放置」も適切ではない。
* 基盤(再現性): 誰でも一定成果が出る仕組みで組織を守る(セーフティネット)
* 運用(個の解放): 自律性を示したメンバーから過度な干渉を外し、個の強みを伸ばす(庭師の視点)
メンバーの自律性に応じて「再現性の確保」と「個の解放」を戦略的に使い分けることこそが、現代マネジメントにおける現実解である。
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Posted by ブクログ
面白かった〜!ここにきてミステリー味が強くなった回でもありました。そこがまた面白かった。SFミステリーアクション映画みたいだった。いたるところに伏線があって、最後の最後まで「なるほどー!」と感嘆しました。
前作の『ガニメデの優しい巨人』ではガニメアンに思うところもあったのだけど、今作でガルースたちの地球人への愛というか信頼になんか心打たれたな……。再会のシーンに嬉しくなったし、シャピアロン号で乗り込んでいくシーンで心配になって「死ぬなー!」と心の中でずっと叫んでた。誰も死ぬな頼むから。
あと最初、『軍縮したのに地球内の各国の対立がなくなったわけではない』という作中内の状況を知って「なぁんだ……(´・ω・`)」と思ってたんだが(完全に理想だけど国境とか国家間の対立とか関係なく一蓮托生で宇宙開拓を目指す話が好きなので)、中盤以降のロシアとアメリカの友情に泣けた。ロンドンでのあの会話が、現実にもあると信じたいよね。
↓⚠︎こっからネタバレあり⚠︎↓
それにしてもスヴェレンセンにもっと痛い目見てほしいんだが〜!取り巻きたちも含めて!顔殴ってやれマジで。リンはスヴェレンセンの顔殴っていいほんまに。月面でのペイシーの怒りは当然だし、それ以上にソブロスキンの行動にも泣けた。アンタだってリスク背負ってるのに……友のために……泣かせてくれるぜ……。
科学者じゃないヘレンの弁論シーンもカッコよかったな〜こういうそれぞれの専門分野が活躍しているところも好き。
あとほんまにコールドウェルが個人的にド好みすぎる。いざという時に軍人の顔になるの好きだわ。最初のテューリアンの回りくどいやり方に「前置きは結構」とバシッと言い切ったり、作戦指揮取ったり、「楽に構えてください、私らがすぐ後ろについてるんだから」って言ってきたりとかさ〜〜〜好きになるわこんなん。調査研究が任務だったとはいえ『国連宇宙軍』だしやっぱ軍人で指揮官なんだよなあ。好きな容姿で想像して勝手にメロついてる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレザ理系の科学者たちの議論が面白かった。
自分の信じてきた理論を絶対に揺るがしたくない学者と、もっと柔軟にあらゆる角度からじっくり検討すべきで、早急に結論を出すべきではないとする科学者。単純に謎を解くだけではなく、科学者たちがどうやって真実に近づいていくのか、その過程そのものが物語になっている。
特に面白かったのが、本当にわずかなヒントから科学的に分析して、そこに存在した世界の条件まで逆算していくところ。骨格や筋肉の構造から体重と筋力の比率を調べたり、持ち物の素材の結晶構造から重力の強さを推測したりする。ごく小さな証拠から何千万年前の世界を復元していく科学そのものに感動したし、そんなところまで分かるのかと何度も驚いた。文章にもすごく知性を感じた。人間の科学って本当にすごい。
一方で、かなり学術的な本でもあった。
小説というより、「巨大な科学論文を物語形式で読んでいる」感じに近い。
作中では、
観測事実 → 仮説A → 反証 → 仮説B → 新証拠 → 仮説修正
を何度も繰り返す。科学者がもっともらしい説を唱えても、それが確定事項なのか、その時点での暫定説なのかがだんだん頭の中で混ざってきて、かなり集中力を使った。
たった310ページ程度なのに、ものすごく長い本を読んだような感覚がある。実際、読み終えるまでに、他の同じ分量の本と比べても2倍くらいの時間がかかったかもしれない。
途中までは調査結果や科学的な説明を辛抱強く読む時間が長く、正直かなり推進力は弱かった。そこから、それまでバラバラだった情報が少しずつつながってくると一気に面白くなる。
世界の壮大さだけなら10点をつけたい。最初の謎から、ここまで大きな話になるとは思わなかった。
ただ、その壮大な世界にたどり着くまでに論文のような説明や議論がかなり多く、物語としてぐいぐい読ませるタイプではなかった。そこを含めて総合的には8点。
10段階評価: 8点